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デザイン事務所勤務・
デザイナー歴10年・34歳の女性です。

デザイナーというと幅広く思われがちですが
メインのお仕事は雑誌・カタログ・書籍..などの
いわゆるエディトリアルデザインです。

実はここ数年・
「自分はアートディレクション(特に撮影)が出来ていない。」
という悩みに頭を痛めています。

(↓以下説明・ご存知の方はスイマセン!)
アートディレクターは映画でいうところの「映画監督」。
実際のデザインだけでなく、
企画をまとめ・撮影指示や時にはイラストレータ―などの手配や経理を行い、
デザインをする上で、全体を統括する人の事です。

今迄の仕事の中で
アートディレクションをする機会はありましたが
押しの弱い性格+経験値の少なさのせいか...
パシッとスタッフの方に指示を出したり、
トラブルが起きた際に上手く立て直せなかったり
(例えば、撮影現場でクライアントが異なった要望を示した際に
打開策をさっと提案出来なかったり)...と
現場を上手く取り仕切る事が出来ない状態です。

現在の会社では、撮影ディレクションの機会が少ないので
「現場で学ぶ」事も中々に難しい状態です。
年齢的にも、一人前とみなされますし、焦っています。

「そんな奴はもう辞めてしまえ!」との
皆さんの叱咤を予想しております!

が、この仕事を頑張りたいのです。

現在、より撮影手法やスタイリングを学ぶ為に
一から講座などで勉強をする事も考えています..。

長々とした説明・申し訳ありません!

アートディレクションの技術を身につける方法や
ヒント・何でも結構です!

他業種の方からのアドバイス・
勿論!同業種の方からのアドバイス・
小さな事でも結構です。お返事・お待ちしております!

A 回答 (3件)

 これまでアートディレクションという言葉にはあまり馴染みがないまま人生の大半を過ごしてきたわたしですが、お悩みはよく分かります。

かく言うわたしも同じ悩みを持ち続けてきた一人だからです。

 わたしの場合はさる大学の工学部の出身ですが、製品開発部門を希望して応募し在学中に就職が内定したさる中規模企業では、わたしが趣味で書き溜めていたスケッチやレンダリングにむしろ目をつけたようでした。その企業はわたしにさるデザインスクールに併行入学するようにと勧めてくれ、学費を支給し入学手続までしてくれました。時代が、そして企業が優れたデザインを求めていたからでした。

 つまり、これだけの経歴の付け焼刃デザイナーというわけです。ですが、入社後すぐデザインを任されたわけではありませんでした。大卒後はその企業の設計室に配属され、やがて営業所勤務に回され、製品とその製造販売についての知識を十分に得たのち、3年を経てやっとハウスデザイナーとして製品のプロダクトデザインを任されました。

 当初はデザイナーはわたし一人、やがてデザイン課として独立し一部屋を貰ったものの、しばらくはやはり一人でした。にもかかわらず、当時の好景気に支えられて急成長しはじめた企業にあって、いつしか製品デザインだけでなく、カタログや広告、CMにまで仕事の幅が増えて行きました。

 このあたりまでは順調でした。製品は良く売れ、デザインの良さも評価されました。Gマークなども取得する一方、広告やカタログの制作に関係して広告代理店や外部のデザイナー、カメラマン、イラストレーターなどと連携して、広告賞も貰い、ある意味気楽に楽しく仕事をしてきたように思います。

 しかし、自分の周りは次第に厳しく険しい時代にさしかかていたようでした。突然の不況、企業の業績は落ち込み、狭まった市場での同業企業との販売競争はし烈さを増しました。当然のことながら、会社が求めるものが次第に厳しくなってきました。とにかく、間違いなく市場競争を勝ち抜いてかならず売れる商品の開発が大目標となりました。デザインにはまず市場調査に基づいた正しいコンセプトが求められ、製品の隅々まで合理性を求められ、同時に厳しいコスト感覚も求められるようになりました。

 しかも、わたしにとってさらに厳しさを感じることになったのは新採用として配置された部下となるデザイナーたちとの関係でした。部下を持つことは嬉しいことですが、それまでの企業の発展を反映して、彼ら学卒たちもさすがに名のある美大などの出身者だったのです。そうでなくてもデザイナーなんかになろうという人間は自我が強く、生意気で頑固で我儘なものです。

 外注先との関係もまた同様なものでした。仕事の内容が複雑で高度で微妙になるにつれて、外部のクリエイティヴたちとの意思の疎通が難しくなり始めました。彼らの意見に自信をもって反駁するだけの迫力もなく、当然のことながらわたし自身行き詰まりを感じ始めました。

 わたし自身には技術的な知識がある、デザイナーとしての多少の実績もある、だが、部下や外部をしっかりと掌握しきれなくなりはじめている。これでは自分の存在価値が薄らいでしまう。いや、名誉の問題ではない、自分の意欲が存分に具現化できなければ、いい仕事が出来たとは言い難い。いい仕事を指揮し尽くしてこそ彼らを掌握できる、でも、今はそれが出来ていない。これでは悪循環だしいずれは自滅してしまう。

 そこで考えました。考える日が続きました。この自分に何が求められているのだろうか、どうすれば、こうした重苦しくも厚い壁を突破できるだろうか…と。この企業では、デザイナーたちには、なにも一日デスクを前にしていなくてはならないという規定はありませんでした。何日も何日も喫茶店で一杯のコーヒーを前にして考えました。

 そしてある日結論を得ました。すべては自分自身のビジョンの問題だ…と。

 自分には一般的なデザイナーが持ち合わせていない優れた素質がある。強度計算、機構、物性、加工工程、営業、価格、そうした現実の知識が十分にあり、必要なだけの創造力があり、サムネイルやレンダリングなどの技法にも長けている。つまり、デザイナーに必要なデータはほぼ全部、すでに頭の中にある。

 ないのは自信だけだ。でも、なぜ自信がないのか、答えは簡単だ、自信を持てるだけの構想がきちんと自分の頭の中で整理されて、イメージというか、ある種、しっかりした映像として構築されていないからだ。ここに気がついたこと、のちになって思い返すとき、ラッキーなことだったと思います。

 「たしかに別の良案もあるだろう、答えはひとつだけじゃないのだから、だが、この仕事は自分に任されたものだ、そして今、自分はこうしたい、いや、こうしたものにしたい、かならずこうしたい。なぜなら、こういう場合にはこういうやり方が一番いいと自分は信じているからだ。間違ったって構わない、間違った結果、失敗したならわたしは自分の首を賭ける、とにかくこうしたい…」

 いつも必ずしも、これだけの自信が持てる仕事ばかりではありません、しかし、優柔不断では何もうまく行かない、ならば、方法はひとつ、自分の頭の中でコレッと信じられたアイデアに賭けてみる、それしかない。だが、一応部下や外部の関係者にも意見を聞く、彼らの意見が正しいことも少なくない、真になるほどと思えるなら、彼らの意見に沿うしかない。しかし、彼らの意見とて大差がないとなったら、一切文句は言わないで自分の望むものを具現化して欲しいと押し通す。

 ただ、問題は、彼らの意見や勝手な暴走をとっさに押しとどめる、いわばとっさの気転といったものも大切なのだ。だが、よく考えたら、これも同じことなのだ。自分が「こうしたい」と自分のイメージをしっかり持ってさえいれば、そして、たとえ足が震えようが、「ちょっと待って」と彼らの暴走を押しとどめられるなら、答えはひとつ、「あなた方のではなくて、このわたしのイメージを具現化して…」、このひと言だけ。

 言うは易く行うは難し…、しかし、クリエイティヴたちはいずれにしても自我か強いわがまま人間たちばかり、だったら、この自分だってわがままでいい。自分に逆らうなら降りてもらってもいい。しかし、そこまで押し切れるかどうか…。

 「ブリテンド」という曲があります。辛いときこそ幸せそうに振舞いたまえ、そうすればやがて幸せになれる…、ナット・キング・コールが歌ってヒットした曲です。もうひとつ、「スマイル」という曲もあります。辛い時には微笑みたまえ、どうしようもなく涙がこぼれそうになっても微笑みたまえ…、かのチャールズ・チャップリンが作曲した曲です。きっとチャップリンの自身の体験から生み出された歌詞なのでしょう。

 自分の頭の中で整理して、もうこれしかないと判断したら、あるいは、自分のイメージと違うと感じたら、その場ですぐさま自分を、自分の考えるところを押し出しましょう。自信がなくて、気弱になりはじめても、自信たっぷりに振舞いましょう。時には高圧的なまでに…。部下に、外部のクリエイティヴたちに、嫌われてもいい、何を噂されてもいい、そこまで割り切りましょう。すべては「ブリテンド」ですけれど…。

 そんなことに気がついたわたし、いつしかわがまま上司になっていました。いやなら降りていい…、とんでもない、本心では、降りられたら大変なことになってしまうとヒヤヒヤ、でも、それでも、すべては「ブリテンド」…。しかし不思議なものです。彼らとてバカじゃない、降りろと言われて降りた人は一人もいなかった、それからのわたしはずいぶん仕事が楽になったものでした。

 まず大切なことはビジョン、たとえば、撮影がある日は電車の中で、どんな映像が欲しいか考えます。それが自分のイメージ、いろいろ浮かぶイメージを自分の頭の中ですべてを整理し、大切な物だけを残し、答えはこれしかないと思えるまで考え抜く、そして、あとは強力にそれを外に吐き出す。そうした迫力は誰をも無意識化に圧倒してしまえるのだということを、わたしはご質問者さまに伝えたいのです。

 自信を持つということは、自分で確固たる答えを生み出し持っているということ、そして、うまく説明できないなどと余計なことを考えないこと。自分がこれしかないと描き出した結論は、どんなに静かに控えめに説明したとしても、それ自体の重みでかならず相手に伝わる者だと…、そして、それができるようになるまでは、しかたがないから「ブリテンド」と「スマイル」に手伝ってもらって…、しかし、面白いものです。何度かそうした姿勢を見せると、自分自身にもそれがスムーズで自然なものになってしまうし、相手もちゃんと動いてくれるようになるものです。頑張って下さい、それしか道は無いのですから。

 
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この回答へのお礼

Beigepink様

早速の回答を有難うございました!

まず、見ず知らずの若輩者に
真摯にかつ・的確なアドバイスを頂いた事
深く深く感謝致します!

Beigepink様がご苦労なさった体験・
そして
つかみ取った素晴らしい結果と
それまでに至るご決心...。
言葉1つ1つが、Beigepink様の
誠実なお人柄を表していて
目頭が熱くなりました....!
と、同時に
Beigepink様のように
沢山の部下を率いる立場でもなく、
自分の気持ちだけでいっぱいだった自分が
恥ずかしくなりました。

沢山の素晴らしい言葉達の中で
「大切な事は、自分の中のビジョン。
自分の中のイメージを整理しつくし、
そしてそれを強い気持ちで・スタッフに伝える。
上手く言おうとしなくていい。
その気持ちは伝わるもの。でもそれが出来るまでは
ブリテンド....」という言葉が身にしみて感激致しました。

私が悩んでいる事を全てご理解頂き
行く道筋を具体的に示して頂き、
本当に有難うございます...!

「悩んでいるのは私だけ...。きっと他の方は
みんなスムーズに仕事をこなしている...」と
思い込んで、殻に籠っていた自分に喝を入れ、

今後はブリテンドとスマイル・
そして、自分の中のイメージと真摯に向き合うと思います。

これからも頑張ります!
有難うございました!

お礼日時:2011/11/02 16:31

私もものすごく押しの弱い人間ですが、アートディレクションをする立場になることがあります。


でも、「なめられてはいけない」なんて思ったことはありませんね。
むしろ、その人が存分に力を発揮できるよう、環境や条件を整えてあげるのもアートディレクターの役目だと思います。そして、その人の経験や能力、センスを信頼してある程度は任せてしまう、思い切って委ねる部分も必要ではないでしょうか。上手に甘える、といいますか。

もちろん、自分が作りたいイメージを明確に持ち、そこからずれている場合は調整することも大事ですが、カメラマンからの提案でよりよいものになる可能性もありますし。
あと、一応アートディレクターは自分が使いたいカメラマンを自由に選べる立場にありますよね。コミュニケーションがとりやすい方、こちらの意図を敏感に察してくれる感性の近い方を起用することも大切だと思います。

撮影は1回1回が勝負ですし、こればかりは経験を積んでも慣れるということはありません。ふだんから仲良しのカメラマンさんをつくっておいて、こういうイメージをつくるときは、どういう方法があるんですか?など撮影知識を増やしておくのもいいかもしれません。
現場を上手に仕切れても、できあがったものに魅力がなければ意味ないですよね。
結局は、あなたの熱意がクライアントや、カメラマンの気持ちを動かすのではないかと思います。
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この回答へのお礼

mammoth様

お礼が遅れてしまい申訳ありません!
ご意見・有難うございます!
「スタッフの方が力を発揮出来るよう尽力する」
「撮影は慣れる事は無いけれど、
スタッフを慣れた方にお願いする事は出来る」
とっても為になりました...。

ベテランのスタッフの方々とのお仕事が多く、
「ダメな奴だな...」と思われたくなくて
意固地になった結果が「なめられては...」に
つながっていた事が良く分かりました。

そうですよね。熱意が無くて、
仕切りばかりが上手くなって結果が「...?」
であれば、それはデイレクションではないと思います。

実は、先日撮影がありまして
早速、スタイリストさんとコミュニケーションを取って
どうやって物を決められるのか・カメラマンさんには
このような表現はどうすれば...?など
知ったかぶらず・質問をぶつけてみました。

皆さん快くお話下さって...(泣。
それだけでも、私にとっては半歩前進..(笑。

mammothさんの助言なくして、
そういった結果は得られなかったと思います。

これからも、片意地張らず・でも熱意は持って
積極的にお仕事していきます!
有難うございました!

お礼日時:2011/11/07 13:30

エディトリアルではなく、広告のグラフィックデザイナー→AD→CDと成り上がった者です。



基本、ディレクションにはハウツーなどありません。
宣伝会議等が主催している「ディレクター講座」などは、質問者様のような悩みを抱える若手を狙った、単なるカネ儲けの手段でしかなく、意味はないと思います。

一番いいのは、先輩のディレクターについて修行することなのですが、現状それが出来ないのであれば、
「どうすればクリエイティブをより良く出来るか」
「自分は、どんなクリエイティブを実現したいのか」
を念頭に置きながら、仕事をするようにしてください。
そうすれば、ディレクターとしてやらなければならないことが、徐々にはっきりしてくるかと思います。

また、写真については、カメラマンとよくコミュニケーションをとることです。
絵作りについても、カメラマンに「指示」するということではなく、私の感覚では「相談」ですね。
自分は撮影は出来ないので「指示」はできません。ただ、写真の仕上りをこうしたいという要求はあるので、それを叶えるためにはどうすべきか、それを「相談」する、ということです。
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この回答へのお礼

sunsowls様

ご回答頂き有難うございます!
デザイナーからCD...素晴らしいキャリアですね!

ハウツーはない。自分の中で
クリエイティブの理想型をしっかりと見据えて
頭に入れておけば、その仕事の道筋が見えてくるはず...

本当にsunsowl様の仰って頂いた事
1つ1つに「うん。うん」と頷くばかりです...!

特に、カメラマンさんに「指示」するのではなく、
「相談」して一緒に絵づくりするのだ。
というご回答には、
目から鱗が落ちました!

つい「なめられてはいけない。きちんと伝えなくては」と
片意地を張ってしまって、
ここ数年はスタッフさんと、
距離を置いてしまっていた自分に気づかされました。

今後は、お仕事1つ1つに、
未熟な所は・自分なりの最大限の準備で補い・
その仕事に対して、クリエイテイブの
理想型を求める事を第一に考え、
スタッフの方達と意思疎通を積極的に取りつつ

前向きに取り組んでいこうと思います!

sunsowl様・本当に有難うございました!

お礼日時:2011/11/02 16:12

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