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以前テレビで、「プラスチックごみを一瞬で石油にする」装置が紹介されていました。本当ならすごい機械だと感心していましたが、その後のことを知っている方がいらしたら教えてください。
宜しくお願いします。

A 回答 (1件)

プラスチックなどを分解して油化する装置ですよね。

私が知って限りではプラスチックという厄介なゴミを処理するという点では有用ですが、結果としてできた石油を利用するにしてもコスト的にまったく問題にならないというのが実情のようですね。プラスチック油化の原理自体ははいたって簡単で、加熱溶融・気化させ触媒を使って反応させ冷却液化するという一種の蒸留法ですが、このときに使用するエネルギーの量が生産される石油のもつエネルギー量よりはるかに大きくなってしまいます。また、プラスチックを分解してできた石油は多数の炭化水素の混合物の形になるため、実際に燃料などとして使用するにはさらに生成する必要があります。単にプラスチックといっても多数の種類があることはご存知だと思いますが、たとえばもっと細かく、ポリエチレンだけに指定したとしても実はポリエチレンにも低密度・高密度・直鎖型・架橋型など多数の種類があります。できるだけ精製に必要な手間を除くには事前に細かく分類する必要がありますが、これはかなり困難です。また、樹脂製品には単一の樹脂ではなく、複数の樹脂の混合物で作られた(溶かして成型する時点で混合して作る)ものが多数ありますし、樹脂以外の材料(顔料や可塑剤・強化用の繊維)などを含んだものも多いので実際に運用するとなると非常に多くの問題に突き当たってしまうのです。このような問題があるため、企業がプラスチックの分解と製油を業務として行うことは、現在のところ絶望的です。自治体などがコストを度外視して行うのであればできなくはありませんが、分解に要するエネルギーを既存の電力や石油から得ていたのでは、決してエコロジーにはなりえません。システム全体を太陽光発電などの再生可能型エネルギーで運用できれば非常にいいのですが、システム全体の規模が処理能力に比べひどく大きなものになってしまうでしょう。

残念ながら現時点では実用に足るシステムにはなっていないようです。
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