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不動産の二重譲渡で、第二譲受人が先に登記を備えたケースで、不動産の譲渡人と第二譲受人の間の行為を詐害行為取り消しによって第一譲受人が取り消しできた場合、当該不動産は、いったん譲渡人のところに戻ってくると思うのですが、そしたらそもそも、最初は第一譲受人が売買契約も締結していてお金も払っているし、移転登記請求権も持っていたのだから、そのままその土地を第一譲受人に、渡せばいいのに、なぜ、譲渡人から、第一譲受人には損害賠償支払いというお金の形になるのでしょうか??どなたか教えて下さい!

A 回答 (1件)

 こんにちは。


 詐害行為取消権の本来の趣旨は,債権者代位権と同様に債務者の責任財産保全ですが,詐害行為取消権については,425条で「取消しは、すべての債権者の利益のためにその効力を生ずる」と明記されていること等から,債権者代位権のような「転用」はできず,本来の趣旨が貫徹されます。
 二重譲渡がなされた段階で譲渡債務は債務不履行(履行不能)となり,譲受人には損害賠償請求権が発生し,一般債権者の一人となります。詐害行為取消権は,譲受人含む総債権者の金銭債権を保護する効果しかないのです。
 最高裁昭和36年7月19日判決補足意見は,「債権者の保全債権が特定物引渡請求権である場合に、債務者がその目的物を処分しても債務者に他に財産があつて、右特定物引渡債権の履行不能による損害賠償債務を弁済する十分な資力があるならばその処分行為は詐害行為とはならず、また、特定物引渡債権の目的物が処分されない限り債務者が如何にその資力を減少せしめる行為をしたとしても当該債権者にとつて詐害行為とはならない。してみれば、目的たる特定物を処分することによつて無資力となり履行不能による損害賠償債権の履行ができなくなつた場合に限り、詐害行為となるのであるから結局損害賠償債権という金銭債権が害されて、始めて取消権を行使することができるのである。すなわち、特定物引渡請求権については債務者の目的物処分行為により損害賠償債権たる金銭債権に変じ、同時に、債務者が無資力となることにより右金銭債権が侵害されたことによつて詐害行為が成立するものと解すべきである。かく解することが取消権行使の効果を総債権者の利益のために生ぜしめんとする取消権制度の趣旨に適合するものと考える。」と述べ,最高裁昭和53年10月5日判決は,「民法四二四条の債権者取消権は、窮極的には債務者の一般財産による価値的満足を受けるため、総債権者の共同担保の保全を目的とするものであるから、このような制度の趣旨に照らし、特定物債権者は目的物自体を自己の債権の弁済に充てることはできないものというべく、原判決が「特定物の引渡請求権に基づいて直接自己に所有権移転登記を求めることは許されない」とした部分は結局正当に帰する」と述べています。

(債権者代位権)
第423条 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
(詐害行為取消権)
第424条 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
2 前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。
(詐害行為の取消しの効果)
第425条 前条の規定による取消しは、すべての債権者の利益のためにその効力を生ずる。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。とてもよくわかりました!!

お礼日時:2011/12/23 17:31

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