14歳の自分に衝撃の事実を告げてください

負の有効質量

有効質量について勉強していて
根本的に分かってない部分も多いのですが、半導体の価電子帯を勉強してました。
そこでE-k曲線が上に凸をむくので頂点付近は有効質量は負になる、そこは納得しました。
-x方向に電界Eをかけた場合電子が+x方向に動く。しかし有効質量が負なので電界と電子の動く向きが同じ、
つまりは正の有効質量と正の電荷である正孔が動いていると見える(省略あり)。とのことですが
ここでよくわからない点があります。
教科書等の説明で-k方向に電界Eかけたらなぜ電子は+kに動くのですか?電子の有効質量が負というなら電子自体が実際とは逆に動くように思うのですが。もしくは有効質量が負というのは熱励起してホールとなった部分だけなんでしょうか?
電界を-k方向にかけて逆に電子(マイナス)が+kに動くので抜け穴(正孔)が反対に動く。でもそれだと’電子’は負の有効質量ではないということになるんですが。
それとk空間で-kに電界かけてもxyzだとどうなるのかがk空間の勉強不足なのでわかりません。
教科書や
www.ocw.titech.ac.jp/index.php?module=General&action=DownLoad&file=200927128-28-0-49.pdf&type=cal&JWC=200927128
を参考にしました。

A 回答 (3件)

まず、"運動量(k)の方向に物体が動く"ことは無意味です。

"電界をかけたらkの方に動く"というのは、多分"電界をかけたらkが変わる"ことを書き間違えているのでしょう。電子(物体)が動くのは、あくまで実空間(x, y, z方向)です。

上向きと下向きの双曲線のバンド図(E-k図)が示している最も単純な意味は、∆kの変化によって、電子と正孔のエネルギー(E=mv^2/2)の変化量(∆E)が逆であることです(k=0からだと電子のエネルギーか増えるのに対し、正孔のエネルギーは下がる)。正孔はそういう特性を有する"粒子"なのです。

そうすれば、電界(EF)中を移動すれば、電子なり正孔のエネルギー(m v^2/2)は(q EF ∆x)だけ変化します。∆xが同じだとしたら、電子と正孔ではqの負号が逆でなければなりません。
すなわち、力学的なエネルギー(m v^2/2)と電気エネルギー(q EF x)を整合さすためには、正孔の電荷(-q)は電子と逆負号でなければなりません。
ここまでが、バンド理論からの要請だと思います。すなわち、"正の電荷を持ち、(奇妙にも)負の質量を持った粒子"が要請されている訳です。

次に、これをどう解釈するかです。
電子の占め得る空席があって、電界が掛かった時にこれを順に電子が埋めて行くと、あたかも"正電荷"が電子と反対方向に動いているように見えると、よく説明されています。
それなら、電子だけを考えているのだから、(あなたのいうように)負の有効質量を考える必要はありません。
しかし話は逆でして、これは先の"正の電荷を持ち、奇妙にも負の質量を持った粒子"を説明する手段です。説明には良く分かった物を使わねばならないので、電子が持ち出されているだけです。
ともかくも、この電子の玉突き運動は、"電界が掛かった時に正電荷が電子と逆の方向に移動する"ことを説明しているだけです。
ところが、正孔は(力学的)エネルギーも有しているので"重さ"も持ってなければならないのですが、"電子の玉突き運動"ではこの"重さ"を説明することが出来ません。

ちなみに、正孔を説明する際に、価電帯に電子が詰まっていると正味の電流が流れないことに関係づけた説明がよくなされてます。
k=0に対して対称的なE-k図が成り立つならば、価電帯を満たす全ての電子の運動量が同じ∆kだけ変わっても、+∆kと-∆kが相殺されて運動量は変わらない。電子による電流も変わらない。そこに、電子の穴が一つあったら、電子1個分の同じ電流が電子と逆方向に流れる。そのことをもって正孔による電流と考えれば良いとする説明です。
これは、電気的な運動の説明に過ぎません。
"重さ"については、説明になってないどころか、むしろ深刻な矛盾があります。価電帯の全電子が動いたとするならば、運動量の総計は変わりませんが、運動エネルギーの総計は大きく増えるからです。このため、価電帯の全電子が移動することはあり得ないし、仮想的に考えることも無意味だと思います。

結局、かつて(1930年頃)電子とほぼ同じ"質量"と全く同じ"電荷の大きさ"を持ち、力学的にも電気的にも"電子とは逆の方向に動く粒子"の存在が理論的に要請されて、それを"正孔"と名付けたのです。
そして、この粒子を現在の教科書は的確に説明しておりません。今日まで、量子力学は摩訶不思議であるというお題目に逃避したままなのだと思います。

初心に立ち返り、"力学的にも電気的にも電子とは逆の方向に動く機構"を分かり易く説明する試みがあっても良いのではないかと思います。

この回答への補足

頭が混乱して深くは分からないのですが、
価電子帯に存在するときの話だと価電子帯には電子が存在していてその電子自体は有効質量は正である。なので玉突きの説明ができるということですか。
ようはHOLEだけが2回微分の影響を受けるんでしょうか。
式だと電子で考えていて、半導体の価電子帯には電子も’正孔’も存在しているので同じ式を適応するなら同じ挙動をするのでは、と不思議に思っていました。(価電子帯の線上すべてが同じ粒子だとは限らないと思うので)
K空間も一からやらないとよういけないです。
ありがとうございます。

補足日時:2012/01/20 17:27
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前2回の私の回答は破棄して下さい。

聞きかじりの知識で、混乱をもたらしたことをお詫びします。

あなたの「教科書等の説明で-k方向に電界Eかけたらなぜ電子は+kに動くのですか?」と言う意味が分かりました。
「電子の有効質量が負ならば、力と反対方向に動くのだから電界の方向に動くはずだ」と言うことですね。参照サイトでは、確かに「有効質量が負なので電界と電子の動く向きが同じ」と書いてますね。

しかし、負の質量を持つ物体は、現実世界にあり得ないと思います。
例えば、左右方向に置いたp形半導体に、左側を0Vとして正電圧Vを右側に掛けたとします。価電帯の自由電子の「有効質量が負なので電界と電子の動く向きが同じ」ならば、自由電子は右側から左側に動きます。それでは、電流が左から右に流れることになります。右側に正電圧Vを掛けたのだから、これはあり得ません。

色々な本を見ましたが、仮に価電帯の運動量による2階微分を自由電子の有効質量と見なすとしても、正孔の有効質量ではその符号を逆転させねばならない根拠は極めて薄弱です。
最も根拠がありそうだったのはアンダーソンの半導体デバイスの基礎(上)でしたが、つまるところ、そうすればホール効果を説明出来るというものでした。ところが、彼らは負の質量の電子と、正の質量の正孔についてそれぞれの図でホール効果を示してますが、電子の図では、電子が電界と逆方向に動いています。負の質量の運動になってないので、明らかな自己矛盾です。

そもそも、質量が負であるということは、大変な影響をもたらします。質量が負なら力学と電磁気学は両立しないように私には思えます。バンド理論で説明すると質量があらわに表せないが、変形したら質量と似たような式が出てきたというので、それを質量として扱うというようなお手軽なことで、負の質量を持ち出すべきではないと思います。
負の質量を持ち出さねばならない理論は間違っていると考えるのが物理(少なくとも力学)の常識ではないでしょうか。

ちなみに、単に穴を隣りの電子が埋めていくという単純なモデルなら、p形とn形でホール電圧の極性が変わる説明出来ないことは明らかです。なんせ、電子だけで考えたら良いわけですか。
p形半導体には正電荷の電荷担体が存在するというのが、ホール効果の測定が示す揺るぎない事実です。そして、正孔を電子の穴と考えると、単純なモデルでも、価電帯の形から有効質量を求める作業を施しても、ホール効果は説明出来てないのです。
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なるほど、E-k図は電子のエネルギーと運動量の関係を示すものなので、E-k曲線が上に凸ならば、電子もというよりも、価電帯の電子こその有効質量が負ということになりますね。

気が付きませんでした。
しかしながら、"電子の玉突き説明"は一つの便法としてある訳なので、それがE-k曲線上でどう振る舞うかは考えずに直感的に受け取ればいいのだと思います。
まあ、私は、E-k曲線状の二次微分を質量に結びけるとか、電子の玉突き説明は、いわば屁理屈であると思ってます。
正孔を巡る不合理な説明については、本サイトで何回か書いてますので、最近のやり取り<http://oshiete.goo.ne.jp/qa/7227273.html>から辿って参考にして下さい。

参考URL:http://oshiete.goo.ne.jp/qa/7227273.html
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