牛、豚、鶏、どれか一つ食べられなくなるとしたら?

ずっと気になっていたのですが。

サリンジャーの「笑い男」に出てくる、笑い男の話。
あれは別個の物語として存在するものなのですか?

どこかで読んだような気がするのですが、確かではありません。
それともあれはサリンジャーの創作なのでしょうか?

ご存知のかたいらっしゃいましたら、教えてください。

A 回答 (2件)

>笑い男の話



というのは、コマンチ団の団長が話してくれた“宣教師の一人息子が中国の山賊に誘拐されて、盗賊団の団長になる”、というエピソードのことですね。

サリンジャーの研究書を何冊か見てみましたが、はっきりと出所明示がしてあるものはもとより、何かの影響を受けた、という書き方がしてあるものもありませんでした。

ただ、このエピソードの原型、植民地へ行ったヨーロッパ(アメリカ)人の子どもが両親とはぐれ、一人現地で育っていく、というものは、19世紀ごろには、多くのバリエーションをもった民間伝承としてあったようです。
そうしたものを元に書かれた有名な作品が、キプリングの『ジャングル・ブック』や『少年キム』です。

一方、サリンジャーの短編というのは、周到な計算によって練りに練られたものなので、すでにできあがっていたストーリーを作品の中に借り入れる、ということをしたとは考えにくいのです。
おそらくそうした“誰もが知っているエピソード”を一番根っこのところで借りながら、サリンジャーが創作したものと考えてよいと思います。
質問者さんが“どこかで読んだことがある”と思われたように、団長の話も子どもたちにとっては“どこかで聞いたことがある”話としてスタートし、予想もつかない展開を見せていったのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

「笑い男」の仮面の下の醜い顔など、子供のころ読んだ記憶があるのですが……。
意識下に刷り込まれた記憶の勘違いだったようです。

『ジャングル・ブック』や『少年キム』は読んだことがありません。

「ナインストーリーズ」は最も感銘を受けた短編集の1つです。

>周到な計算によって練りに練られたものなので

 同感です。それぞれの作品は完成度が高いですね。
 笑い男のエピソードもサリンジャーの創作だとすると、ますます尊敬します。

お礼日時:2003/12/23 14:37

こんにちは。



私も「笑い男」については何かモデルがあると考え、
一時期探しました。それらしき小説や伝承も見つかりましたが、最終的にはある結論に達しました。

それは、「すべてはサリンジャーの頭の中にある」
ということです。つまり、「笑い男は笑い男」であるということに他なりません。

答えになっていませんが、これが私の答えです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

>それらしき小説や伝承も見つかりましたが

 モデルに近いものがあるわけですね。
 もっともどんな話でも類似したものは見つかると思いますが。
 「笑い男」の話があまりにも完璧なので、てっきり既存の物語が存在するものと思っていました。
 

お礼日時:2003/12/23 14:42

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