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会社法の初心者で、未上場会社の総務担当をしています。
そろそろ株主総会ということで、オーナー株主(1名)に株主総会の招集を行うのですが、1名株主のため、議決権行使書も作成せず、かつ毎年株主総会にも来られないため、委任状を送っているのですが、この委任状は会社法298条1項3号の「書面」に当たるのでしょうか。当たらないとすれば、会社法301条に規定されている「参考書類」は交付しなくてよいのでしょうか。
レベルの低い質問ですが、教えて下さい。よろしくおねがします。

A 回答 (1件)

>この委任状は会社法298条1項3号の「書面」に当たるのでしょうか。



 該当しません。議決権行使書面というのは、書面による投票です。一方、委任状は書面投票ではなくて、代理人の代理権を証明する書面(会社法第310条1項)にすぎません。もし、その代理人も総会に出席しなければ、いくら委任状があっても、議決権は行使されたことにはなりません。

>当たらないとすれば、会社法301条に規定されている「参考書類」は交付しなくてよいのでしょうか。

 法的に交付する義務はありません。しかし、次の点に注意する必要があります。

第1に、取締役会設置会社においては、招集通知は、原則として書面ですることになりますが、総会の目的が、例えば役員等の選任の場合、株主総会参考書類を交付しない限り、議案の概略を招集通知書面に記載する必要があります。

第2に、私がそのオーナーの立場であれば、事前に、会社が提出する議案の内容を知らされているのならばともかく、株主総会参考書類等の何の資料もなく、単に委任状が送られたとしたら、非常に憤慨するでしょう。なぜなら、資料を読んだ上で、総会に自ら出席するまでもなく、議長(多くの場合、定款の規定により代表取締役がなる。)に議決権の行使を委任しても問題はないと判断したからこそ、会社に委任状を提出するのであって、何の資料をつけなくても、私が委任状を会社に提出することが至極当然というような事務処理をされたと感じたら、会社の経営陣に対して不信感を抱くことになるからです。

会社法

(株主総会の招集の通知)
第二百九十九条  株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。
2  次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。
一  前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合
二  株式会社が取締役会設置会社である場合
3  取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
4  前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

会社法施行規則

(招集の決定事項)
第六十三条  法第二百九十八条第一項第五号 に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
省略
七  第三号に規定する場合以外の場合において、次に掲げる事項が株主総会の目的である事項であるときは、当該事項に係る議案の概要(議案が確定していない場合にあっては、その旨)
イ 役員等の選任
ロ 役員等の報酬等
ハ 法第百九十九条第三項 又は第二百条第二項 に規定する場合における募集株式を引き受ける者の募集
ニ 法第二百三十八条第三項 各号又は第二百三十九条第二項 各号に掲げる場合における募集新株予約権を引き受ける者の募集
ホ 事業譲渡等
ヘ 定款の変更
ト 合併
チ 吸収分割
リ 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継
ヌ 新設分割
ル 株式交換
ヲ 株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得
ワ 株式移転

第七十三条  株主総会参考書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一  議案
二  提案の理由(議案が取締役の提出に係るものに限り、株主総会において一定の事項を説明しなければならない議案の場合における当該説明すべき内容を含む。)
三  議案につき法第三百八十四条 又は第三百八十九条第三項 の規定により株主総会に報告すべき調査の結果があるときは、その結果の概要
2  株主総会参考書類には、この節に定めるもののほか、株主の議決権の行使について参考となると認める事項を記載することができる。
3  同一の株主総会に関して株主に対して提供する株主総会参考書類に記載すべき事項のうち、他の書面に記載している事項又は電磁的方法により提供する事項がある場合には、これらの事項は、株主に対して提供する株主総会参考書類に記載することを要しない。この場合においては、他の書面に記載している事項又は電磁的方法により提供する事項があることを明らかにしなければならない。
4  同一の株主総会に関して株主に対して提供する招集通知又は法第四百三十七条 の規定により株主に対して提供する事業報告の内容とすべき事項のうち、株主総会参考書類に記載している事項がある場合には、当該事項は、株主に対して提供する招集通知又は法第四百三十七条 の規定により株主に対して提供する事業報告の内容とすることを要しない。
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