先日、「神の存在を証明できるか?(改)」にて質問した者です。大変参考になりました。
ところで、今回は上の質問への回答の中に「進化論」についての見解が多かったので、その点を改めて質問させていただきます。
つまり、進化論が正しいと言える根拠を挙げてそれを証明できる方がいらっしゃいましたら、ご回答願います。
ところで、上の質問の際、進化論は突然変異によって生じ得るという回答があったので、No.33で私はこう返答しました。以下にそれを抜粋します。
再度のご回答ありがとうございます。
なるほど、研究者の方なのですね。貴重なご意見に感謝します。ご指摘のスーパー男性などの事例は大変興味深いと思いました。確か、食用バナナの染色体は突然変異によって生じた三倍体となっていて種ができなくなったということを本で読んだことがあります。大抵、突然変異体は奇形であまり有用なものが生じないらしいのですが、この種なしの食用バナナの場合は(人間にとって)有用な結果を生み出した事例として挙げることができると思います。
しかし、スーパー人間にしても三倍体のバナナにしても、結局のところ種の範囲内で起きた変異に過ぎず、依然として種と種を隔てる壁を越えるというのは困難であると考えます。例えば、受精する際に、卵子のバリアを破るための「起爆剤」を精子が持っていて、それを使って精子は卵子の中に侵入できると文献で読みました。そして、その「起爆剤」というのは種によって異なっており、種の異なる精子と卵子では結びつかないようになっているとのことでした。これは一例に過ぎませんが、このように種と種を隔てる壁は極めて堅牢にできているように感じます。研究者の方であれば、もっと詳しい知識をお持ちのことでしょう。
そのような超えがたい種の壁を考慮した時、染色体の違う子を生み出すほどの突然変異が生じるという可能性があるとすれば、一体どのような理屈で生じ得るのか、その理論はどうなっているのでしょうか。多分、そのような事例は未だ報告されていないと思うので、せめてその理論が説明されてしかるべきだと考えます。ご研究なさったND5の変異は「染色体の数が違う子(つまり親とは異なる新生物)を産み出す」ほどの突然変異をもたらすことを本当に示していますか。
(以上、抜粋終わり)
具体的な私の疑問としては、「染色体の数が違う子(つまり親とは異なる新生物)を産み出すほどの突然変異」が本当に生じ得るのかということです。それを証明できる方はご回答お願いします。または、単に意見でも結構です。あるいは、逆に「種を隔てる壁を越えることはできない」ことを証明できる方はいませんか。合わせてご回答お願いします。
No.59
- 回答日時:
ご自分の論の矛盾点についてはなかなかお気づきにならないようなので、助言させていただきます。
1世代に変化する数として出された26という数字は塩基配列の数から計算されたものですから、これをそのまま型の数とするという事はもともと型が30億個ありそのうち10%が変化したと言っているに等しい。要するに塩基の数と型の数は同じであるという主張です。しかしあなたは塩基の変化と型の変化は別物であるとおっしゃっている。全く整合性がありません。
もし議論を続ける気がおありなら、あなたの言う型の定義や型と塩基の関係を明らかにしなければなりません。
el156さんは再三そのことを訊ねていらっしゃるのだと思います。
また塩基配列の差は、最も近縁な種間では1%にも満たないものであり、10%という数字は現実にそぐわない過大な仮定であると言わざるを得ません。
さらに塩基配列の変化のうち最も数が多いのは塩基の置換であり、その他の変化は塩基の置換の10分の1程度の数しかありませんから、もし型の変化に塩基の置換以外の変化が関わっているとするのであれば、1世代で見られる型の変化は1に満たなくなります。
変化するものと変化の大きさをどの程度とするかについて再考する事をお勧めします。
ちなみに世代間の塩基配列の変化については #58 の参考ページに記述があるように 10^-8 base/miosis 程度ですから、一世代で 10~30 個くらいは変化する事がわかっています。
No.58
- 回答日時:
#50> 平均して30億ある塩基対のうちの約260が1世代のうちに変化していなければならない
#51> 遺伝子の固有の「型」のうち、種が完全に変化するのに、もし10%の変化が必要なら、先回の計算を修正して1世代平均26の変化となり
#53> 人間の「型」となっている塩基対が26変化する必要がある
#57> その点で、私が話を「すり替えた」のだとのことですが、(私はそうは思っていませんが)、たとえそうだとしても、
#57> 最初からそのように言っていると考えて改めてその疑問点に答えればよいのではないでしょうか?
そういうことでしたら、型が何者なのかは別として、先の計算で仮に30億ある塩基対のうち10%の塩基対が変化したとしても、
その次に『型が26変化する』或は「型となっている塩基対が26変化する」とする根拠は何も無い、ということです。
10%の塩基対と「型」の関係が説明も定義もされていないからです。
即ち、そういう意味なら、進化論を持ち出すまでもなく、#50お礼欄後半の計算の論理は誤っています。
御参考
http://ja.wikipedia.org/wiki/多型#.E9.81.BA.E4.BC.9D.E7.9A.84.E5.A4.9A.E5.9E.8B.E3.81.AE.E7.A8.AE.E9.A1.9E
http://www.genstat.net/takei.html
ご回答ありがとうございます。
結局私が言いたいのは、「現代の科学の精度をもってすれば、本当に断続的に徐々に進化したのかどうかを(過去の世代の人間と)比較検証できるはずだ」ということです。その点はどうなのでしょうか?
もし、私の計算方法に問題があるのでしたら、こうあるべきだと思われる計算方法をお示しください。
No.57
- 回答日時:
『26もの「型」』の26という数字が何処からやって来たのか、お考えください。
私が申し上げたわけではありません。質問者の方のお礼欄を引用しているだけです。
No.50お礼欄後半の質問者の方の計算は、計算の結果進化論には疑問がある、という意図だった筈だと理解していますが、違いますか?そのお考えは今でも変わっていないでしょうか?
途中で100%を10%に、260を26に訂正した所までは良いとしても、最初の計算で塩基対の数だったはずの26を途中から何の裏付けも無く「型」の数にすり替えて質問を続けられる進め方は感心いたしません。
もし、No.50お礼欄後半の計算から始まった質疑応答を続けることを望まれるのなら、この計算を整理して再度何処に疑問があるのかを明確にした上、最初から疑問を書き直されることをお勧めします。もしお望みでないのなら、No.50お礼欄後半の計算から始まった疑問を何かの形で終わらせて下さい。その後でなら、新たな疑問にもお答えします。
ご回答ありがとうございます。
No.54でも書いたのですが、変化が目される対象は30億であり、それゆえに30億のうちの26という数字の出し方に問題はないと思います。
先回考えたアパートの例で考えてみてください。ある部屋の住人(A、T、G、C)が入れ替わるとしても、その部屋そのものが増改築、あるいは完全撤去されたとしても、変化の対象となっているのはその部屋であることに変わりはありません。ですから、住人が変化しても部屋が改装・撤去されても、変化の対象とは要するに「部屋の数」ということに帰結します。
私は最初から後者のつもりで述べていたのですが、el156さんは最初、前者だと思い、後に私が後者に言い換えたというふうに思っているのかと考えたのですが。どうでしょうか?
>途中で100%を10%に、260を26に訂正した所までは良いとしても、最初の計算で塩基対の数だったはずの26を途中から何の裏付けも無く「型」の数にすり替えて質問を続けられる進め方は感心いたしません。
その点で、私が話を「すり替えた」のだとのことですが、(私はそうは思っていませんが)、たとえそうだとしても、最初からそのように言っていると考えて改めてその疑問点に答えればよいのではないでしょうか?
「私がこの計算で言いたかったのは、現代の科学の精度をもってすれば、本当に断続的に徐々に進化したのかどうかを(過去の世代の人間と)比較検証できるはずだということです。」(No.54のコピペ)
結局のところ、この問題に関してel156さんにはこれ以上何も言うことがないというふうに受け取りました。もし、この件に関して終了を望まれるのでしたら、この前言っていたとおり、新しい質問を設けたいとも思っていますので、改めてご回答することを控えていただればよいかと思います。(2日ほど待ってみます。)
No.55
- 回答日時:
一世代で26の塩基対が変化したとすれば何が矛盾するのかを示して下さい。
ご回答ありがとうございます。
「型」についてもう少し分かりやすくするために、遺伝子を「巨大なアパート」になぞらえてみてください。
アパートの部屋数やその配置に変化はないとしても、その家の中に住んでいる住居人は随時入れ替わることでしょう。この住居人の入れ替わりが「A、T、G、Cの置き換わり」と私が言ったものです。
アパートにもいろいろなタイプがありますが、全く同じタイプのアパートが何棟も並んでいるかもしれません。でも、中に住んでいる住居人(A、T、G、C)はそれぞれの棟で違う・・・、これが種は同じだがその範囲内で差異が生じるということと似ています。
しかし、そのアパートに増改築を加え、部屋の数や配置を変えて以前のタイプとは異なるアパートに改装しようというのが、「型」の変形と私が言うものに対応しています。
それで、1世代あたり26もの「型」の変化があるのなら、100代昔と比較してみると、2600もの違いが認められることになり、その違いは明らかになるはずだ、ということです。
No.54
- 回答日時:
>>「10%の変化」は30億の塩基対の10%ですか? それとも不明な数の「型」の10%ですか?
>
>前者での方です。人間という種が完全に分化するのに、10%の変化が必要なのであれば、
>30億のうち3億が変化しなければならないことになります。
>「1世代平均26の変化」は、塩基対ですか? 「型」ですか?
>
>人間固有のつまり人間を人間たらしめている遺伝子情報が収められている箇所という意味です。
>ですから、人間の「型」となっている塩基対が26変化する必要があるということです。
飛躍がありませんでしょうか。
100% ÷1150万世代 x 30億 = 260 を改め、
10% ÷1150万世代 x 30億 = 26
という計算だったはずなので、10%を塩基対だと仰るのであれば、26も塩基対です。
それとも塩基対と「型」の数は同じですか?
もし同じだと言うのであれば、今度は
>問題はその「型」の変化です。核酸の置き換わりのことではありません。
の意味がおかしくなります。
ご回答ありがとうございます。
>10%を塩基対だと仰るのであれば、26も塩基対です。それとも塩基対と「型」の数は同じですか? もし同じだと言うのであれば、今度は>問題はその「型」の変化です。核酸の置き換わりのことではありません。の意味がおかしくなります。
核酸の置き換わりというのは、ただ単にある箇所のDNAがA、T、G、Cのいずれかに置き換わったということです。しかし、「型」の変化というのは、ある特定の要素を決定付ける遺伝子の場所そのものが変化したということです。
ですから、「型」そのものが変化したとしたら、例えば30億ある塩基対がいくつか増えたり減ったりすることも当然考えられます。しかし、現在対象となっていて変化が目される塩基対は30億ということに変わりはありません。その30億のうちのどの部分が実際に何%変化するのか(増減を含めて)ということですから、私の示した計算で十分だと思います。確かに大変大ざっぱだとは思いますが。
しかし、私がこの計算で言いたかったのは、現代の科学の精度をもってすれば、本当に断続的に徐々に進化したのかどうかを(過去の世代の人間と)比較検証できるはずだということです。ツタンカーメンの時代と現代人との比較もすでになされていますが、それによって断続的な進化の証拠が示されたのなら、すでに進化論の学者によって公表されているはずです。
No.53
- 回答日時:
私がDNAについてもっと良く知っていれば、ダーウィンならどう考えるのかをお答えできる
と思うのですが、浅学のためNo.51お礼欄の質問には上手く答えられないかもしれません。
重要だと思うポイントだけ確認させていただきます。
> 問題はその「型」の変化です。核酸の置き換わりのことではありません。
「型」というのはDNA鑑定などで使われる「型」のことでしょうか。
それとも他にDNAの「型」と呼ばれるものがあるのでしょうか。
一つの「型」はいくつの塩基対で構成されるのでしょうか。
ある「型」を構成する核酸が一つ置き換わった時、それは「型」の変化でしょうか?
> それで、もし、人類を特定する遺伝子の固有の「型」のうち、種が完全に変化するのに、
> もし10%の変化が必要なら、先回の計算を修正して1世代平均26の変化となり、
> 1%の変化が必要なら平均2.6となります。
>
> ところで、ツタンカーメン王の遺伝子が調べられたという話をご存知でしょうか。
> 現代科学は過去の人間の遺伝子を調べることができ、それを現代人と照らし合わせる
> ことも可能だということです。ツタンカーメン王(紀元前1333~1324年)から
> 3000年経ったので、1世代25年として、すでに120世代が過ぎたことになります。
> 遺伝子の「型」が1%変化するのに1世代あたり2.6でしたので、120世代過ぎて、
> すでに312の「型」が変化しているはずです。
「10%の変化」は30億の塩基対の10%ですか? それとも不明な数の「型」の10%ですか?
「1世代平均26の変化」は、塩基対ですか? 「型」ですか?
「1世代平均2.6の変化」は、塩基対ですか? 「型」ですか?
ツタンカーメン王の遺伝子の話は知りません。
ツタンカーメン王の遺伝子の型は何と何処が一致し、何処が一致しなかったのでしょうか。
ご回答ありがとうございます。
生物の体は「たんぱく質」によってできています。たとえば、髪の毛も皮膚も赤血球などもみなたんぱく質なのです。そして、たんぱく質というのは「アミノ酸」が鎖のように結合してできたものです。それで、人間の体を構成するすべてのたんぱく質は分解すると20種類のアミノ酸からできています。そのアミノ酸がどういう順序で配列されているかによって特定のたんぱく質ができるわけです。
それで、遺伝子情報というのは、要するにたんぱく質の元となる20種類のアミノ酸とその結合の順序を指定したものなのです。DNAはアデニン (A) とチミン (T)、グアニン (G) とシトシン (C)の核酸から成り、それが3つ1組で1種類のアミノ酸を特定する暗号になっているのです。例えば、GAAは、グルタミン酸を意味します。
詳しい表は、http://www.cs.kyoto-wu.ac.jp/~konami/simulation/ …にありました。ご参照ください。
その暗号をRNA(DNAではない注意!)が読み取り、その情報に基づいて必要なたんぱく質を製造するわけです。
それで、種独特の遺伝子の「型」と私が言っていたものは、各生物の染色体の数が異なっていることからも明らかです。例えば、どの生物か分からないある細胞を見つけたとしても、それを解析すれば、それがどの生物の細胞なのかを特定できます。つまりその違いを識別できるほどの独特の配列、つまり「型」があるということです。
詳しくは、http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/149231/m0u/をご参照ください。
例えば、人間の21番目の染色体を調べるとダウン症や自己免疫疾患、難聴の原因となる遺伝子情報が特定できるのだそうです。
詳しくは、http://ja.wikipedia.org/wiki/21%E7%95%AA%E6%9F%9 …にありました。(書きかけらしいですが。)
>「10%の変化」は30億の塩基対の10%ですか? それとも不明な数の「型」の10%ですか?
前者での方です。人間という種が完全に分化するのに、10%の変化が必要なのであれば、30億のうち3億が変化しなければならないことになります。
>「1世代平均26の変化」は、塩基対ですか? 「型」ですか?
人間固有のつまり人間を人間たらしめている遺伝子情報が収められている箇所という意味です。ですから、人間の「型」となっている塩基対が26変化する必要があるということです。
>ツタンカーメン王の遺伝子の型は何と何処が一致し、何処が一致しなかったのでしょうか。
詳しくは、http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/id …
http://platinumtelescope.blog69.fc2.com/blog-ent …などが参考になりました。
つまり、3000年前のつまり100代以上前の古代人と現代人とを比較研究できる実例として挙げました。その両者とも共通の遺伝子の型を有していたゆえに比較研究ができたということではないでしょうか。
ですから、突発的な突然変異によるのではなく、断続的に徐々に進化したというのであれば、その変化は常時起きているはずであり、それがごくわずかであったとしても、現代科学は100代昔の人間の遺伝子とも比較できるほどの遺伝子解析が可能なわけですから、その変化を見出すことができるはずだということでした。しかし、この点はもう少し生化学をお互いにさらに勉強した上で議論すべきなのかもしれませんね。
ところで、さらに私が進化論に対して抱いている、しかも根本的な疑問点について、別途質問しようかと思っています。よければ、そちらの方でもご回答いただければうれいしのですが。ですから、よければ次のご回答でこの件はまとめていただけると助かります。(必要なら延長しますが。)
No.52
- 回答日時:
まだやってるのね
どうでもいいけど、例が悪くないかい?
進化論だって何でもかんでも変わるなんて言っていないのだし、
とりあえず進化論の根拠の一つである、恐竜から鳥類への進化を例に取った方がよいと思うけど。
また、高等生物であるほど進化のブレークスルーが難しいのも当然で、
種を超える云々は
原生生物に近い生物で種を超えるのかを研究した後、
高等生物に当てはまるかを研究するのが妥当に思えますけど。
どうも質問者の話は、進化論の研究で培った根拠を無視して、
ご自身に都合がよい部分だけを説明できないと言ってるようにしか読めません。
ご回答ありがとうございます。
>進化論だって何でもかんでも変わるなんて言っていないのだし・・・
しかし、現存する「すべて」の種はすべて分化(進化)した結果であると進化論は言っているのでは? 事実上、「何でもかんでも」(つまりすべて)変わる(変わった)と言っていると私は解釈しているのですが・・・。
>どうも質問者の話は、進化論の研究で培った根拠を無視して、ご自身に都合がよい部分だけを説明できないと言ってるようにしか読めません。
しかし、私が指摘した疑問点を明快に説明できないのであれば、それはなぜですか? 進化論がもし真実なのであれば、そのような疑問点にしっかり答えることができるはずです。
No.51
- 回答日時:
> ということは、私たちの観察と研究では種は種の固有の「型」を保持するということではないでしょうか?
> 「限定された時間領域の中では」という条件付きでしたが。
世界には昔も今も種は創造されたと考えている方は数多くいらっしゃいますから、種の本質主義を種は一切変わることが無いという意味で使われている方も多くいらっしゃるでしょう。その場合には進化論とは相容れません。
しかし進化を無視できる程に短い現実的時間スケールで種の本質主義を使うなら、それは進化論と矛盾しない、という意味です。そういうスケールでは進化論では大きな変化は生じない筈だからです。種の本質主義自体は種が変わらないことを仮定しますが、種が変わらないことを実例を挙げて証明したり何故変わらないのか理由を説明したりしようとする訳ではありません。質問者の方も同じだと思います。
累積選択淘汰とそれによる変化は常時起きていますし、常時観察されています。私の子供は私と同じではありませんし、日本人全体としてみても、何世代か前の日本人と今の日本人には違いがあります。現代科学の能力を持ち出すまでもありません。その変化のうちどれかが将来の新種の祖先になるのかならないのか、それは現時点では誰にもわかりません。恐らく今は気にも留めていないような些細な変化が未来の新種の祖先になるのでしょう。
「種の起原」からそのまま抜き出して引用するなら、
「私(ダーウィン)は種という語を相互に近似している一連の個体に便宜の為に任意に与えられたものと見なしている…それは…変種という語と本質的に違うものではない…なお変種という語もたんなる個体的差異と比較してみると、やはり任意にただ便宜のために適用されたものである。」となります。もちろんダーウィンは、多くの観察結果を示してそう考える根拠を説明しています。
後半の計算で、種が完全な2種に分岐した時に100%=30億の塩基対が変化した、という仮定は違うのではないかと思いますが、それは別にしても、親子間で260対の塩基対が変異したというのが多すぎるのかどうか、私にはわかりません。少なくともそれが観察可能でも可能でなくても、何も問題は無いと思います。それが将来の進化に寄与するのかどうかは、この時点では誰にもわかりません。観察の結果何かの違いを見つけたとしてもそれが将来の進化の糸口になるのかどうかわかりませんから、注目すべき場所もわかりません。個体差としての違いが見られたという、ただそれだけのことです。
ご回答ありがとうございます。
>種の本質主義自体は種が変わらないことを仮定しますが、種が変わらないことを実例を挙げて証明したり何故変わらないのか理由を説明したりしようとする訳ではありません。
しかし、現に観察や研究に基づく事実は親から子に遺伝子の「型」が受け継がれることを示しています。その1世代のうちに何の変化もありません。そして、それは次の1世代にも言えることであり、その次の次の世代もまた同じ・・・と考えると、何千万年経ったとしてもその種の遺伝子の「型」は変化しません。
むしろ、観察や研究に基づく事実に反してそのような遺伝子の「型」が変化し得るということが証明されるのでない限り、上記の考えは観察や研究に基づく事実として有効であると言えます。では、遺伝子の「型」がごくわずかでも変化し得るということはどのように証明されているのでしょうか?
>累積選択淘汰とそれによる変化は常時起きていますし、常時観察されています。私の子供は私と同じではありませんし、日本人全体としてみても、何世代か前の日本人と今の日本人には違いがあります。
それは種の遺伝子の「型」の範囲内で起きている変化です。DNAを構成する核酸、つまりアデニン (A) とチミン (T)、グアニン (G) とシトシン (C)が置き換わったというだけで、依然として「型」は変わっていません。
問題はその「型」の変化です。核酸の置き換わりのことではありません。
>後半の計算で、種が完全な2種に分岐した時に100%=30億の塩基対が変化した、という仮定は違うのではないかと思いますが、・・・
確かに。後でよく考えたら、人類という種が他の種に変化するのに100%の塩基対がすべて変化する必要はないと思いました。すみませんでした。しかし、そのうちの幾割かは変化する必要はあると思います。
それで、もし、人類を特定する遺伝子の固有の「型」のうち、種が完全に変化するのに、もし10%の変化が必要なら、先回の計算を修正して1世代平均26の変化となり、1%の変化が必要なら平均2.6となります。
ところで、ツタンカーメン王の遺伝子が調べられたという話をご存知でしょうか。現代科学は過去の人間の遺伝子を調べることができ、それを現代人と照らし合わせることも可能だということです。ツタンカーメン王(紀元前1333~1324年)から3000年経ったので、1世代25年として、すでに120世代が過ぎたことになります。遺伝子の「型」が1%変化するのに1世代あたり2.6でしたので、120世代過ぎて、すでに312の「型」が変化しているはずです。
>観察の結果何かの違いを見つけたとしてもそれが将来の進化の糸口になるのかどうかわかりませんから、注目すべき場所もわかりません。個体差としての違いが見られたという、ただそれだけのことです。
たとえ注目すべき場所が分からなくても、少なくとも変化がなければ、分化も進化もあり得ません。しかし、現代科学の観察や研究は、種固有の遺伝子の「型」が変化し得ることを示していますか、それとも、変化しないことを示していますか?
No.50
- 回答日時:
質問者の方の、「型」あるいは「種の壁」といったお考えは、「種の本質主義」と呼ばれるものでしょう。
短い時間領域では大きな変移を起こすことはありませんから、種の本質主義は限定された時間領域の中では使える理屈になり得ると思います。たとえ話で恐縮ですが、厳密には相対論や量子論が正しいのだとしても、日常のスケールのものごとについて考えている限りでは、ニュートン力学でも十分正確で役に立つ、というようなものではないかと思います。しかし種の本質主義は種が不変であることを根拠無く仮定して其処から出発しますから、種の本質主義の立場から「種が不変であるのかどうか」を吟味することはできません。進化論も一つの「論」ですから仮定から出発するという意味では同じですが、進化論では種の本質主義よりも説明できることが沢山あって、逆に進化論が誤っているという決定的証拠は見つかっていない、ということです。
ダーウィンは「種の起原」の弟二章を費やして、「種」という分類が如何に恣意的で学者によって意見の分かれてしまうものなのかを、実例を挙げて説明しています。ダーウィンによれば、個体差→変種→亜種→種→…という階層は曖昧で本質的な区別はありません。これらは、「個体差」が現実の時間スケールで誰にも観測可能な変化であるのに対し、「変種」や「亜種」は変化の観測は不可能だが類似が強いかったり交配可能だったりする為に多くの人にそれらを変化した親戚関係にあるものと認められているグループであり、「種」は枝分かれの世代が古い為に差異が大きく、少なくともダーウィンの時代には変化した親戚であることを認めない人たちが多かったグループだ、という違いがあるだけです。世代を重ねることによって個体差のうちのいくつかが徐々に変種に発達し、変種のうちいくつかが徐々に亜種に発達し、亜種のうちいくつかが徐々に種に発達する、その変化は段階的ではなく連続的なものである、という仮説です。
進化論を批判される方の中に、実際に「種の起原」を少しでも読まれた方がどのくらいいらっしゃるのでしょうか。批判なさりたいなら是非読んでみられるべきだと思います。「種の起原」の語り口は、大変に慎重で、観察による実例も豊富です。染色体すら知られていなかった時代に書かれたものなのに、今読んでも色褪せることがありません。何より進化論を正しく理解されていない方が多い、と感じています。一度読んでみられれば、進化論を批判されるのだとしても、その切り口が変わるはずです。
「種」について、或は「種の本質主義」については添付URLも参考にしてみて下さい。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/種_(分類学)#cite_note-Mayden-4
ご回答ありがとうございます。
>短い時間領域では大きな変移を起こすことはありませんから、種の本質主義は限定された時間領域の中では使える理屈になり得ると思います。
ということは、私たちの観察と研究では種は種の固有の「型」を保持するということではないでしょうか? 「限定された時間領域の中では」という条件付きでしたが。しかし、当初私が指摘していた突発的な(突然変異による)進化ではなく、断続的に徐々に進化していったということであれば、恐らく「常時」そのような変化は起きていることになり、遺伝子情報が極めて精密に解明できるようになった現代科学の能力をもってすれば、そのようなごくわずかな変化でも認められるはずではないでしょうか?
塵も積もれば山となるわけですが、以前算出した2.3億年に基づいて計算すると、例えば、人間が平均20年で子を産むとして、2.3億÷20歳=1150万世代ということになります。1150万世代ということは、種が完全に変化した状態を100%とした場合、1世代につき100%÷1150万世代=0.00000869565・・・%の変化ということになります。人間の染色体には30億塩基対のDNAがあるとのことですので、30億×0.00000869565%=約260ということになり、人間の場合、平均して30億ある塩基対のうちの約260が1世代のうちに変化していなければならない計算となります。これぐらいの変化は現代の科学の精度であれば、十分観察可能な範囲ではないでしょうか?
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