
01.
光が爆発した。
いや、そう見えた。
あまりの眩しさに、目を閉じる。自分が今までいかに暗い空間にいたのか実感する。それは太陽の光だった。
目の前には岩に囲まれた窪地のような場所で、なぜか森の侵食を受けてはいなかった。
光が降り注ぎ、雑草が生い茂っている。
そして切り立った崖から、小さく細い滝がザーザーと落ちていた。
加奈は滝を見ていた
隆 道:「か、加奈!」
加 奈:「え?」
振り返る加奈。
膝から下は泥だらけだった。
隆 道:「何やってるんだよ、こんなところで!」
加 奈:「……」
加奈はいつもの怯えた表情を見せる。(作品名:「加奈~おかえり」)
この例文についてお尋ねしたいのは、なぜここでは「滝を“見ていた”」を使うのでしょうか?「見ている」ではダメなのでしょうか?
もしそれはここの視点は過去だからとしますと、なぜその前に「あまりの眩しさに、目を“閉じる”」があるのでしょうか?過去ならば「閉じた」ではないのでしょうか?
02.
その誰かの手が僕の肩をつかんだ
「戎崎、帰るぞ」
え?なんで夏目がいるんだ?
「ほら、立てよ」
立ち上がると、すべての光景が目に入ってきた。
狭いワンルームに、僕と美沙子さんと亜希子さんと夏目がいた。ひどく惨めで情けない光景だった。亜希子さんは怒り狂い、夏目は無表情で、そして美沙子さんはあははと笑っていた。亜希子さんが美沙子さんを殴った。それでも美沙子さんは笑っていた。美沙子さんの泣き声みたいな笑い声を聞きながら、僕はシャツをかぶり、ズボンをはいた。夏目に腕を掴まれ部屋を出た。背後で誰かを罵る声が聞こえた。(作品名:「半分の月がのぼる空」 03)
この例文についても、なぜ「笑っている」ではなく、「美沙子さんはあははと“笑っていた”」「それでも美沙子さんは“笑っていた”」を使うのでしょうか?
さすがに作者さんが誤用したとは考えづらいので、
正直に言うと、この問題に今すごく困惑していて、もう小説も読めないほど気になっている程で…
どうか、ご解釈をお願いします!よろしくお願いいたします!
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
日本語には過去形がないから。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8E%E5%8E%BB_ …
中世以後はこのような本来の過去形は廃れ、完了の「たり」に由来する「た」だけが残った。
(以上 引用)
ところが、明治以降、欧米語に過去形があるものだから、本来『完了を意味する「た」』を便宜的に過去形として使っている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A9%E5%8B%95% …
た が過去形なのは、この4つの用例のうちの一つとしてであり
過去
完了
存続
確認
この場合の 「加奈は滝を見ていた」は 存続 加奈は滝を見ている状態にある(のを、筆者が見ている)
という内容になります。あるいは筆者が確認した。
行為の主体から、距離を置く(観察対象に置く)という効果が、「た」にはあるかと。
美沙子さんはあははと笑っていた。
↓
観察しているけど、わからないというのが行間に示されている。
No.3
- 回答日時:
「~いた。
」と言われた瞬間、過去のその時点にタイムスリップします。そういう素直なイメージを受け容れますと、以降は、現在形となります。
で、再び、それは、過去のことであったということを確認する為にも、「~いた。」という表記が出現したとしても、やはり、先の手法に戻って、「~いる。」となります。
つまり、過去の出来事だからと言って、「~いた。」、「~いた。」の繰り返しでは、リズムが単調になって面白くありませんし、そもそも、小説を読むというのは、自由に時空を飛び回ることなのです。そこでは、想像力が大切なのですね。いわば、タイムマシンに乗って、主人公に成り代わり、過去に在る状態に自らを置くということです。
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