先ほど、下記のような例文に関して回答を終えた者です。
昔、おじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは山へ柴刈りに行きました。
おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。
こうした例文に関して、
『未知の場合は「が」で、既知の場合は「は」。既知でも従属節の場合は「が」』という解説を時折見かけますが、これは正しいでしょうか。
個人的には、この解説には普遍性が無いのではないか、つまり、誤った解説ではないだろうか、という疑念を常々持っています。
たとえば、
おじいさんは未知ですが、「おじいさんは山で柴を刈っていた」から始まる物語もあって良いでしょう。
逆に、おじいさんは既知ですが、「家でおじいさんが桃を割りました」という文が続いても自然です。
同じく、おばあさんは既知ですが、「そして、おばあさんが桃太郎を抱きあげました」という文が続いても自然です。
さらに、桃は既知ですが、「その時、桃が急に動いた」という表現もできます。
この場合、「が」を使ったからといって「桃が急に動いた」は従属節ということになるのだろうか?
などといった疑念です。
要するに、未知・既知・従属節といった要素だけで「は」と「が」の使い分けを規定するのは無理なのではないだろうか、ということなんですが、みなさんのご見解をお聞かせください。
わたしの知識不足で、上記の解説内容自体を誤解している可能性もありますが、もし、そうであれば、ご指摘いただけると助かります。
蛇足ですが、わたしの個人的な見解は以下のようになりますので、これに関しても何かご意見がございましたらご開陳いただければ有難いと思います。
「は」は主題提起の係助詞です。
「○○は」で始まるのは、「これから、○○に関して述べますが・・・」という意図の文になります。
「が」は特定用法の格助詞です。
「が」が特定するのは主体の場合もありますし、対象の場合もあります。
いずれにせよ、特定する意図のある場合に「が」を使う、という点が重要です。
「おじいさんとおばあさんがいました」という文は、
「おじいさんとおばあさんに関して述べている文ではない」ということに留意が必要です。
では、何に関して述べている文かというと、「いました」という事実に関して述べている文です。
「いた(いました)のは、誰か」ということを特定するために、「おじいさんとおばあさんが」と表現するわけです。
「おじいさんは山へ柴刈りに行きました」は、おじいさんに関して述べている文です。
「(今から)おじいさんに関して述べますが、彼(おじいさん)は山へ柴刈りに行きました」という意味の文です。
「おばあさんは川へ洗濯に行きました」も同様です。
これらの文は、「おじいさん(おばあさん)に関して、これから述べますよ」というのが本質的な意図であり、「柴刈りに行きました」「洗濯に行きました」は、その述べられた内容にすぎません。
つまり、「文の意図・文の構造」としては、あくまでおじいさん(おばあさん)に関して述べる、ということである点が重要です。
「おばあさんが洗濯をしていると、大きな桃が(1)流れてきました」という文の骨格は「大きな桃が流れてきました」です。
さらに厳密に言うと「流れてきました」です。
「(今から)大きな桃に関して述べますが・・・」という意図ではないので「桃は」とは表現しません。
「流れてきたのは何か」を特定するために「桃が」としているわけです。
従属節の「おばあさんが洗濯をしていると」の場合も同様で、「(今から)おばあさんに関して述べますが・・・」という意図ではありません。
あくまで「洗濯をしていると(桃が流れてきた)」という構造です。
「誰が洗濯をしていたのか」を特定するために「おばあさんが」と表現します。
No.4
- 回答日時:
>『未知の場合は「が」で、既知の場合は「は」。
既知でも従属節の場合は「が」』という解説を時折見かけますが、これは正しいでしょうか。正しいと思います。例として小腹が空いたとき。
「あ、カップめん が あったな。どれ探してみよう」
となります。そのあと
「カップめん は と、さあ、どこに仕舞ったかな?」
>おじいさんは未知ですが、「おじいさんは山で柴を刈っていた」から始まる物語もあって良いでしょう。
なんとなく唐突におじいさんが現れた感じです。シュールな小説のように、あるいはシナリオのト書きのように感じられます。間違いではないと思いますが、一般的ではないように思います。
>おじいさんは既知ですが、「家でおじいさんが桃を割りました」という文が続いても自然です。
あ、おじいさんが割ったのか! なぜおじいさんなのか?そこにはおばあさんもいただろうに…。という疑念が引き起こされそうです。これは約束事(既知)に反しているといえないこともないでしょう。
私は、一般的には質問者様の疑念はちょっと考えすぎかなと思います。
それ以下の文法論につきましては私には批判するほどの力はありません。
申し訳ありません。
ご回答ありがとうございます。
>正しいと思います。
:
断定していただくと話が早いですね。
わたしは、かねてより正しくないと思っていたのですが、その理由を以下に述べさせていただきますのでご感想をいただければ嬉しいです。
小腹が空いて、
「あ、カップめん は あったかな。どれ探してみよう」と言う場合も多いと思うのですが、いかがでしょうか。
また、カップめんが出てきたのち、
「小腹が空くと、まっさきにカップめん が 思い浮かぶよ」などと独語する。
「まっさきにカップめん が 思い浮かぶ」は従属節とは言えないように思うのですが、わたしが勘違いしているのですかね。
>なんとなく唐突におじいさんが現れた感じです。シュールな小説のように、あるいはシナリオのト書きのように感じられます。間違いではないと思いますが、一般的ではないように思います。
:
なるほど。
これはよくわかります。
「間違いではない」とすれば既知未知論は間違い、ということになりますし、
「一般的ではない」とすれば既知未知論の範疇に含まれる、ということになるのでしょう。
あとは、妥当性の解釈次第になってくるでしょうか。
>(「家でおじいさんが桃を割りました」に関して)
あ、おじいさんが割ったのか! なぜおじいさんなのか?そこにはおばあさんもいただろうに…。という疑念が引き起こされそうです。これは約束事(既知)に反しているといえないこともないでしょう。
:
そうした疑念を引き起こすような構文は不自然だ、ということですね。
前後の脈絡もあると思うのですが、では、次のような構文であればどうでしょうか。
『「重い桃を抱えて持ってきたので、わたしゃ疲れてしまいましたよ」
おばあさんがそう言うので、おじいさんが桃を割りました。』
「既知であるが主節である」にもかかわらず「が」を使った例になりますが、この例文に不自然さがあるか、または、主節・従属節に対するわたしの誤解があるか、といった点に関してどう思われますか。
No.3
- 回答日時:
文法的な話には参加できない素人ですが、横入り失礼します。
改めて考えてみると、私の場合、「~が」と、」~は」ではイメージが異なっています。
文章として読む場合、「おじいさんが」となっていると視点がおじいさん寄りに、「おじいさんは」となっていると視点が傍観者寄りと感じるのです。「おじいさんは山で柴を刈っていた」という文章は、「おじいさんが山で柴を刈っていた」というよりも、情景的な感じ。
ニュアンス伝わりますかね(^^;?
「おじいさんが~」だと、おじいさんがアップになったテレビを見ている感じ。
「おじいさんは~」だと、舞台に立っているおじいさんを離れて見ている感じ。
ってところですかね。
昔、おじいさんとおばあさんがいました。
<ある時点での「おじいさんとおばあさん」をクローズアップしている
おじいさんは山へ柴刈りに行きました。 <遠景
おばあさんは川へ洗濯に行きました。 <遠景
おばあさんが洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。
<クローズアップのまま、おばあさんから桃に画面切り替え
つまり、「~が」というのは特定を表すことで、そこの事実を拡大して伝えようという、話者の意図を表すものではないかと。
ご回答ありがとうございます。
当方もネット辞書を参照するのが関の山の一素人で、あとは感覚です。
>「おじいさんが~」だと、おじいさんがアップになったテレビを見ている感じ。
「おじいさんは~」だと、舞台に立っているおじいさんを離れて見ている感じ。
ってところですかね。
:
非常に面白いたとえで、「は」と「が」の本質をうまく表現されましたね。
全く妥当な感覚だと思います。
>つまり、「~が」というのは特定を表すことで、そこの事実を拡大して伝えようという、話者の意図を表すものではないかと。
:
おっしゃることはよくわかります。
拡大というよりは、#1さんもおっしゃるように強調と捉えたほうが良いかもしれませんが。
いずれにしても、特定することによって拡大、あるいは強調するという意図が「が」にはあると思いますが、これをうまく説明するのが難しいですね。
「大きな桃は流れてきた」と言ってはなぜいけないのか・・・ということなのですが。
No.2
- 回答日時:
未知の物事、というか特定されていない単語を主題にすると、不特定の単語が主題になりますよね。
不特定ながら○○については、と作文すると、文法ではなく、文意がおかしくなるかもしれないから、そういう配慮すると文が上達しますよ、という主旨で、未知既知という乱暴かつ安直な選別法でコツを紹介しただけの話では。そういう即席のコツはいろんな分野にありますよね。つまりは、既知未知自体も、コツ用の既知未知にすぎないのです。ほんとはもっと平易な言葉を当てたら目の敵にされずにすんだのでしょうが既知未知よりも崩した表現では長ったらしくて印象に残らず覚えやすいコツにはならないのです。たとえばセンター試験のコツをワンポイントで語る文と同じ次元の軽薄短小な言葉遣いです。
質問者さんは悪しき国語指導を叩いているのですよね。
でも質問者さんも回答で直接的にはと既知未知論を利用されましたよね。「既知未知」論はどこで覚えられたのですか。国語マニアの淋病みたいなもんでしょうか。不勉強な私には縁のない論法でした。今回ご主張の内容の方に同意します。
ある種の懺悔でしょうか。
ご回答ありがとうございます。
>つまりは、既知未知自体も、コツ用の既知未知にすぎないのです。
:
本当にそうならコツというよりはソコツのそしりを免れないようで。
特に、未知の「が」に関しては全く意味がわかりません。
>質問者さんは悪しき国語指導を叩いているのですよね。
:
それほど大げさなことではないと思いますが、学校でも、そのように教えているわけなんですかね。
>でも質問者さんも回答で直接的にはと既知未知論を利用されましたよね。
:
説明するために利用したわけではありません。
既知未知論において従属節がどのように関与しているのか、というご質問でしたので、それを示してあげただけです。
タバコは嫌いでも、自動販売機の場所を問われたので教えてあげた、といった感じでしょうか。
脱法ハーブの販売機を教えたのなら懺悔の必要もあるでしょうが、まあ、そこまでの悪質性は今のところ感じていません。
>「既知未知」論はどこで覚えられたのですか。国語マニアの淋病みたいなもんでしょうか。
:
「は」「が」論争には何度も参加してきましたが、その過程でですね。
例外が多すぎるので、これでは説明できないだろうということで常に反対の立場を取り続けてきたわけですが、ネットの検索でも、この既知未知論はかなりヒットするようです。
しかし、ペニシリンが必要なほどの病ではないでしょう。
No.1
- 回答日時:
が は僕のなかでは英語で言う強調構文みたいなものと思っています何故なら基本的にはとがを入れ換えても意味は通ずるからです。
筆者として何を強調したいかなど、理由によって使われ方が変わってくるだけで特に意味は無いと考えています。
ご回答ありがとうございます。
>筆者として何を強調したいかなど、理由によって使われ方が変わってくるだけで特に意味は無いと考えています。
:
その「理由」の内容を分析してみると面白いと思います。
無意識的に使い分けているために意味の違いに気づかないだけなのでしょうね。
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