
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
その先生の解釈は普通ではないけれどもあり得なくはない、あるいは可能ではあるけれども普通はそうは考えない、といえるでしょう。
どちらに重点を置くかはお任せします。
そもそも切れ字は「かな」「けり」「もがな」「し」「ぞ」「か」「よ」「せ」「や」「れ」「つ」「ぬ」「へ」「ず」「いかに」「じ」「け」「らん」の18種類とされ(後に22とも言われるようにはなりましたが)、文が切れて独立し、詠嘆の気持ちを表すのが基本で、俳諧という短い形式の中で切れ字を二つ含むのはいわば御法度とも言えます。
そういう意味では「も」を切れ字とするのは、とうてい普通の解釈ではあり得ない。
しかしながら、そういう形式主義は芸術にとって百害あって一利なし、解釈はもっと自由であるべきだと考え、「草の戸」と「雛の家」を対比させるためには、それぞれが独立していると考えた方がよいと思われたのでしょう。
つまり、「も」と「家」の後に句切れがあるというわけです。
句切れがあるのであれば、「も」は切れ字と言うことになります。
芭蕉自身も内容本位に考えて、切れ字に用いるときはすべての文字が切れ字になりうるといっているそうです。
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%88%87%E5%AD%97/
なるほど。
ここまで丁寧に解説をしてくただくと
理解が出来ます。
丁寧な解説がないと、この高校の先生の市民講座は
全く奥の細道も、口語文法も知らない人でないと
頭の中がこんがらがってしまいますね。
No.2
- 回答日時:
伝存している真蹟短冊には下のように記されています。
芭蕉当人が、中の句の「や」で行替えし、文字通りの二段切れにしていることが見て取れます。
それを、ご自分の解釈本位に切字を増やし、「オキテ破り」の三段切れにしてしまうのは行き過ぎではないでしょうか。
そもそも「も」は係助詞として、「草の戸も住みかはる代ぞ」までが一続きの文と見るのが自然でしょう。
新旧二者の対比・対照の趣旨も、意味上では「草の戸も<住みかはる代ぞ>」と「<住みかはる代ぞ>雛の家」であって、「住みかはる代ぞ」が両者を介在させる「中軸」を成し、それこそ芭蕉の「心境」であることを物語っているのですから、それで十分であって、わざわざ切字を増やす感覚は些か腑に落ちません。
========================================================
ばせ越
むす免持当る
人爾草庵を 草の戸もすみか者るよや
ゆつ梨て 雛の家
========================================================
この変体仮名を真仮名に直したものが次です。
========================================================
ばせを
むすめ持ちたる
人の草庵を 草の戸もすみかはるよや
ゆづりて 雛の家
========================================================
丁寧な解説、ありがとうございました。
よく俳諧をご存知のようで、ありがたく拝読させていただきました。
自分の記憶が間違っていなかったようで安心しました。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 文学 季語「草の花」に関する疑問です。 1 2022/06/07 21:19
- 文学 河東碧梧桐の「赤い椿」について。 俳人・河東碧梧桐の代表的な句に、 「赤い椿 白い椿と落ちにけり」と 1 2022/07/26 19:51
- 文学 松尾芭蕉の「白河の関に...」は、俳句?短歌?それとも? 松尾芭蕉が、東北の玄関口、白河の関で 「白 3 2022/08/25 21:12
- 政治 沿線住民の利益を考えれば、赤字路線は切り捨てるのは当然ではないか? 4 2022/04/12 08:59
- 日本語 「旅人と我が名呼ばれん初時雨」の「呼ばれん」の文法的解説をお願いします。 3 2023/04/24 12:54
- 文学 こんなにうまい水があふれているの俳句で形式にとらわれない「」って何がはいりますか?教えてほしいです。 2 2022/06/11 13:15
- 文学 こんなにうまい水があふれているの俳句で形式にとらわれない「」って何がはいりますか?教えてほしいです。 2 2022/06/11 14:48
- 日本語 この俳句の七の句ですが、「まだけくしの」としか読めません(>_<) 昔の字や俳句に詳しい方、読み方が 2 2022/07/24 10:45
- 農学 ウィキペディアを見ると 薬師草(ヤクシソウ)は キク科オニタビラコ属の二年草。 弟切草は オトギリソ 3 2022/11/07 13:33
- ノンジャンルトーク ティーバッグの裏を見たらこんな俳句が書いてありました。正確には川柳ですが。 なかなか良いですよね。捉 2 2022/06/04 17:15
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
(閑さや岩にしみ入蝉の声)「...
-
旧制高等学校寮歌
-
「夏草や兵達が夢のあと・・」...
-
「月日は百代の過客にして」は...
-
芭蕉の桜の句
-
「松島の月まづ心にかかりて」
-
松尾芭蕉の人生観
-
かわず(かはづ)とかえるは、...
-
俳句の五七五のパートの名前
-
こんなにうまい水があふれてい...
-
連歌(猿蓑集、巻之五)に関して
-
「大人」読み方は? お とな...
-
俳句とその俳句の鑑賞文教えて...
-
俳句てどういうときに使うもの...
-
俳句での全盲者の表現の仕方に...
-
関東の中学生です。
-
既読スルーについて皆さんはど...
-
高浜虚子の鑑賞文
-
返句は五・七・五で大丈夫ですか?
-
俳句では、「らっきょ」は「ら...
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
(閑さや岩にしみ入蝉の声)「...
-
旧制高等学校寮歌
-
「月日は百代の過客にして」は...
-
「夏草や兵達が夢のあと・・」...
-
俳句「人来たら蛙となれよ冷し...
-
松尾芭蕉の俳句について教えて...
-
鴨長明は生活費をどのように稼...
-
古池や・・・
-
おくのほそ道 :「庵」の読み方
-
(芭蕉の句)「旅に病で」と「旅...
-
この俳句教えて下さい!
-
芭蕉の桜の句
-
仙った。←なんて読みますか?
-
『奥の細道』を『おくの細道』...
-
芭蕉の句の意味を教えて下さい。
-
安土桃山時代の蓮歌会の様子
-
河東碧梧桐の「赤い椿」につい...
-
かわず(かはづ)とかえるは、...
-
蕉風の理念
-
時間と空間の、無限の空虚さを...
おすすめ情報