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No.1ベストアンサー
- 回答日時:
その先生の解釈は普通ではないけれどもあり得なくはない、あるいは可能ではあるけれども普通はそうは考えない、といえるでしょう。
どちらに重点を置くかはお任せします。
そもそも切れ字は「かな」「けり」「もがな」「し」「ぞ」「か」「よ」「せ」「や」「れ」「つ」「ぬ」「へ」「ず」「いかに」「じ」「け」「らん」の18種類とされ(後に22とも言われるようにはなりましたが)、文が切れて独立し、詠嘆の気持ちを表すのが基本で、俳諧という短い形式の中で切れ字を二つ含むのはいわば御法度とも言えます。
そういう意味では「も」を切れ字とするのは、とうてい普通の解釈ではあり得ない。
しかしながら、そういう形式主義は芸術にとって百害あって一利なし、解釈はもっと自由であるべきだと考え、「草の戸」と「雛の家」を対比させるためには、それぞれが独立していると考えた方がよいと思われたのでしょう。
つまり、「も」と「家」の後に句切れがあるというわけです。
句切れがあるのであれば、「も」は切れ字と言うことになります。
芭蕉自身も内容本位に考えて、切れ字に用いるときはすべての文字が切れ字になりうるといっているそうです。
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%88%87%E5%AD%97/
この回答へのお礼
お礼日時:2013/02/19 22:39
なるほど。
ここまで丁寧に解説をしてくただくと
理解が出来ます。
丁寧な解説がないと、この高校の先生の市民講座は
全く奥の細道も、口語文法も知らない人でないと
頭の中がこんがらがってしまいますね。
No.2
- 回答日時:
伝存している真蹟短冊には下のように記されています。
芭蕉当人が、中の句の「や」で行替えし、文字通りの二段切れにしていることが見て取れます。
それを、ご自分の解釈本位に切字を増やし、「オキテ破り」の三段切れにしてしまうのは行き過ぎではないでしょうか。
そもそも「も」は係助詞として、「草の戸も住みかはる代ぞ」までが一続きの文と見るのが自然でしょう。
新旧二者の対比・対照の趣旨も、意味上では「草の戸も<住みかはる代ぞ>」と「<住みかはる代ぞ>雛の家」であって、「住みかはる代ぞ」が両者を介在させる「中軸」を成し、それこそ芭蕉の「心境」であることを物語っているのですから、それで十分であって、わざわざ切字を増やす感覚は些か腑に落ちません。
========================================================
ばせ越
むす免持当る
人爾草庵を 草の戸もすみか者るよや
ゆつ梨て 雛の家
========================================================
この変体仮名を真仮名に直したものが次です。
========================================================
ばせを
むすめ持ちたる
人の草庵を 草の戸もすみかはるよや
ゆづりて 雛の家
========================================================
この回答へのお礼
お礼日時:2013/02/19 22:42
丁寧な解説、ありがとうございました。
よく俳諧をご存知のようで、ありがたく拝読させていただきました。
自分の記憶が間違っていなかったようで安心しました。
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