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動詞「呼ぶ」を受け身にすると「呼ば-れる」となります。「れる」は助動詞で、「呼ぶ」の未然形「呼ば-ない」に接続します。

 では、古語ではどうでしょうか?
「れる」の古語は「る」ですから、現代語の「呼ばれる」は「呼ばる」となりますね。

 一方、芭蕉の俳句では「呼ば-れん」です。私が調べた範囲では、「ん」は助動詞で、未然形に接続するとされています。

 では「ん」の前の「る」の未然形はというと、「れ」です。ということは「れ+ん」となり、「助動詞+助動詞」と助動詞が重なります。果たして、この理解は正しいでしょうか?間違いならば正しい解説をお願いします。

尚、私的この句の解釈は、「自分のことを世間の人々に旅人と呼んで貰いたいものだ」。という願いととります。芭蕉自身は自分のことを旅人でありたいと思い、旅人と自認していながら、そう願望しているのでしょう。

A 回答 (3件)

私の手元にある注釈書には、No. 1 さんや No. 2 さんの言う通りのことが、次のように書いてあります。



旅人と呼ばれてみたいものだ、初時雨に濡れながらわびしい旅を続けて。
(「芭蕉句集」、日本古典文学大系 45、岩波書店、p. 198にある注釈より)
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下記の通りです。




《助動詞・下二段活用型》《接続》
四段・ラ変・ナ変の各動詞型活用語の未然形に付く。他の動詞型活用の語には「らる」が付く。
る 助動詞・下二段活用型
❶〔受身〕…れる。…られる。
《源氏物語・夕顔》 「物に襲はるる心地して、驚き給(タマ)へれば」
《訳》
物の怪(ケ)に(夢の中で)おそわれる気持ちがして、はっと目をお覚ましになると。
形式名 活用形 下接語例
未然形 れ
連用形 れ
終止形 る
連体形 るる
已然形 るれ
命令形 れよ


《助動詞・四段活用型》《接続》
活用語の未然形に付く
❷〔意志〕…(し)よう。…(する)つもりだ。
《伊勢物語・二三》 「男はこの女をこそ得(エ)めと思ふ」
《訳》
男はこの女を(こそ妻として)手にいれようと思う。
【学研古語辞典】

〈旅人と我が名呼ばれん初(はつ)時雨(しぐれ)〉
潔い初時雨にぬれながら、道々で「もうし旅のおひとよ」と呼ばれる身に早くなりたいものだ、の意。 芭蕉の紀行文「笈(おい)の小文」の出立吟である(今栄蔵「芭蕉句集」)
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>果たして、この理解は正しいでしょうか?間違いならば正しい解説をお願いします。


完全に正しいですよ。
一句の解釈は人それぞれですので遠慮しますが、「初時雨」は初冬の季語です。寒々しいけれども甘さを捨てた潔さを求める気配がありますね。助動詞「む/ん」は願望というより意志で、心身ともに旅人となってそのように呼ばれるようになってやるぞという気合を感じます。
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この回答へのお礼

詳細なご解説ありがとうございます。

お礼日時:2023/04/24 15:30

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