当社ブランドとしての商品を売り出すにあたり、その商品の製作を他社に依頼(外注)しました。
それは測定器の一種で、当然ながら製作仕様書は当社が作成しました。
依頼先が実施する内容は、
(1)設計
(2)動作確認試験
(3)本製品の製作
(4)ドキュメント類の作成・提出
です。
最初の製作なので、(1)、(2)、(4)の項目が入っています。そういうこともあり、本契約では、製品2台で200万円となっていました。
一方、当社の販売価格は1台あたり45万円で、今期は1台販売でき、1台が在庫として残る見込みです。
なお、3台目以降は来期以降に製作依頼することになりますが、先方の見積もりによると、1台あたり35万円程度となる見込みです。つまり、当社として、1台あたり仕入値=35万円、販売値=45万円です。
そこで質問です。
本製品にかかる当期の売上高は言うまでもなく45万円ですが、売上原価は100万円、在庫として残るのは100万円、という会計処理でよいでしょうか。100万円というのは200万円を2台で割った金額です。
それとも、"繰延資産"的な考え(随時償却、若しくは規則的な償却など、会社法上の繰延資産、若しくは税法上の繰延資産)が入る余地はあるのでしょうか。
No.10ベストアンサー
- 回答日時:
>技術面でリスキーな要素はありませんでした。
そういうことであれば、設計費等も研究開発費よりは仕入原価に含めたほうが無難だと思う。
研究開発費は、製品化・商品化されるかどうかその段階では不明だから、保守的に早期に費用化させようとするものだ。当初から製品化・商品化する見込みが十分にあったのであれば、その設計費等を即時費用化するのは過度の保守主義になってしまうだろう。確かめてはいないし表現は異なっていたかもしれないが、当初見込みと研究開発費の関係については書籍等で言及されているのを見た記憶がある。調べてみてもいいかもしれない。
見積りの内訳については、その状態なら、全額が仕入原価になるかどうかは別としても、1台目の仕入等総額は165万円とするほうがいいだろう。移動平均法にするのか先入先出法にするのかは、年間取扱数や個品管理可能性なども鑑みて決めてはどうだろうか。
重ねてのアドバイスありがとうございました。
>研究開発費は、製品化・商品化されるかどうかその段階では不明だから、保守的に早期に費用化させようとするものだ。
↑
尤もで分かり易い"キーポイント"ですね。
だんだん度胸が湧いてきました。
No.9
- 回答日時:
この程度で問い合わせるのがかったるいというのは、分かるよ。
俺なら、上から問い合わせるよう厳命されない限り、適当にやっつけるところだ。税務上は俺なら、試作品の販売見込みがあったのかどうかにより扱いを分ける。試作品の販売見込みがあったのであれば、設計費も税務上は仕入原価とするのが無難だろう。ちゃんと調べたのではなく直感でそう判断しただけなので、そこは勘弁して欲しい。見込みがなかったのであれば、これも俺なら、試験研究費として税額控除だ。
そのうえで、社内文書を整備してもらい「あまりにも出来が良かったので急きょ販売することになりました」とトボけることも視野に入れつつ処理をする。少額だろうし、税務署もあまり追及してこないだろう。#6のお礼欄記載の方法で特に問題ないと考えたのも、そのためだ。
ただ、お考えのとおり、税務リスクがないわけではない。設計費も税務上は仕入原価(したがって売上原価や棚卸資産)に含めておく。そのほうが無難ではある。今までの試作品も販売してきたのであれば、無難な処理のほうがいいのかもしれない。
なお、勘定科目でも、としたのは、表示科目でも使えないことを念頭に置いていた。仕訳や総勘定元帳などで用いる勘定科目でも、決算書で用いる表示科目でも、試験研究費は使えなくなった、という意味だ。
アドバイスありがとうございます。
>試作品の販売見込みがあったのかどうかにより扱いを分ける。試作品の販売見込みがあったのであれば、設計費も税務上は仕入原価とするのが無難だろう。
↑
2台のうち、1台は、作る前から買い手が決まっていました。技術面でリスキーな要素はありませんでした。つまり、世で言う"研究"的要素は無かったんです。よって、貴殿の直感に従えば当期の売上原価=100万円、期末商品棚卸高=100万円、となります。
で、実を言うと(後出しで誠に申し訳ないんですが)、製作依頼先に支払った200万円の内訳ですが、当然、発注前に見積書をもらっております。2通に分かれており、1通目は最初ゆえ、設計やドキュメント作成などが含まれていることもあり、製品1台で165万円となっています。もう1通の見積書は、2台目ということで設計やドキュメントの費用は無く、また制作費や性能確認試験も1台目よりも少ない費用で可能とされ、1台の仕入れ値は35万円となっています(3台目以降も仕入値は35万円となるはずです)。合計で200万円なんです。で、今期、1台売れたのですが、移動平均法だと原価=100万円、期末商品棚卸高=100万円、先入先出法だと原価=165万円、期末商品棚卸高=35万円、となります。当社は、商品販売は初めてなので、先入れだの平均だの考えたこともありません。
いろいろあって、悩ましい!。
>勘定科目でも、としたのは、表示科目でも使えないことを念頭に置いていた。
↑
なるほど!。タイプミスではなかったんですね。
「試験研究費」は、今や、税務上で税額控除となる事柄のみを対象とする用語なんですね。
No.8
- 回答日時:
処理の方向性について特に問題はないと思うが、税務について懸念が残るようであれば、税務署に相談してもいいと思うぜ。
それと、試験研究費を勘定科目で用いるとの回答もあるが、勘定科目でも用いる余地はない(前述会計基準、会社計算規則3条)。質問者さんにおかれては、気を付けて欲しい。
なお、用いる余地のない科目を用いると、金融機関などの計算書類利用者から足元を見られるおそれがある。すなわち、そのような科目を用いるのは、会計を知らない・順法意識に乏しい・経理責任者や監査役等が機能していないことのいずれかであるまたは複合している証左に他ならないためだ。この点にも気を付けて欲しい。
もうひとつ念のため、非上場であっても、上場会社の子会社、上場準備会社、会計に力を入れている会社、順法意識の高い会社などであれば、駄目出しされるものだ。非上場なら何でも許されるかのような回答があるが、トンデモ回答だ。
アドバイスありがとうございます。
>勘定科目「でも」用いる余地はない
↑
「で」ではなく「でも」と仰せの意味がよく理解できませんが、いずれにしても、「研究開発費」という勘定科目を用い、決算書上でもその表記を用いることとします。
「試験研究費」という"科目"は、会社法がらみで繰延資産から外されて以降は、会計上、勘定科目としては"死語"となったわけですね。
>処理の方向性について特に問題はないと思うが、税務について懸念が残るようであれば、税務署に相談してもいいと思うぜ。
↑
本題ですが、会社法でいう繰延資産でないことは明らかだと思うし、税法上の繰延資産にも該当しそうにないと思うので、少なくとも、資産計上して均等償却すべき事柄は存在しないことは確実なような気がします。さすれば、#6お礼欄で記述した方法かな、とも思ったのですが、もう一つ、質問文に書きましたように、単純に単価100万円で仕入れたと考え、売上原価として100万円をP/Lに、在庫として100万円をB/Sに計上すべし、と指摘されないか、が残った懸念材料です。(優柔不断ですなぁ。)
あるいは、#6お礼欄のバリエーションですが、科目は単に「部外委託費」などとして他の委託費と"一緒くた"にし、税額控除は申告しない、というのが無難かも、とも考えます。
いずれにしても、小額で売上比率的に極めて些少な本件について、"お堅い"税務署に問い合わせるのがウザったくて・・・。
No.7
- 回答日時:
>>繰延資産たる「開発費」と、税法でいう「試験研究費」とは、排他的関係にあるものと私は理解しています。
私が行っている「試験研究費」は税法の試験研究費ではなく、勘定科目としてのそれにすぎません。
税法に関係なく会社の判断でこの勘定は使いますよね。
また「開発費」には製品の開発費も含むと思いますから、試験研究費が排他的関係にあzるとも思いません。「開発費」に含むものといってもよいでしょう。
また私は別に理論的に厳密に正しいかどうかで申しあげているのではなく、繰延資産として試験研究費を計上することが不可能とは思わないということだけ言いたいのです。
前にも言ったとおり貴社が上場企業であれば、監査法人はこれを認めないでしょう。
でも非上場ならばそれを言う人はいません。実際その研究費が数年かけて回収する予定であるのならばそれを資産計上してその効果の及ぶ期間で償却するのは会社の意志であるというべきで、これには税務署もクレームは出さないのだから、したければされたらよいだろうということです。
どちらにしてもその償却期間を合計すれば、費用化される金額は同じです。
唯、利益の期間配分が違ってくるだけです。もちろんより保守的でないという批判は当然出るとは思いますが。
ご回答ありがとうございます。
>私が行っている「試験研究費」は税法の試験研究費ではなく、勘定科目としてのそれにすぎません。
↑
会社法上、もしくは税法上で特段の定義がなされている項目に限定して使用している科目ではないということですね。了解です。
>試験研究費が排他的関係にあzるとも思いません。「開発費」に含むものといってもよいでしょう
↑
前項の前提であれば、仰せの通りですね。
「試験研究費」は商法時代の繰延資産のひとつの科目であったし、現在では、税法上での税額控除の対象となる項目の名称であったりして、さらには「開発費」や「研究開発費」などの用語もあり、半可通の私なんかには、ややこしくてどうしようもありません。
No.6
- 回答日時:
俺の回答はご高説でも何でもないが、それでも良けりゃあ読んでくれるかい。
会計上の研究開発費と税務上の試験研究費とは、重なり合う部分と互いに異なる部分とがある。「両者は一部が重なり合っている」だ。書籍にも色々と出ているし、ネット上にも様々なものが転がってるから、見比べてみて分かりやすいものを読んでみるといいと思うぜ。下はあくまでも一例だ。
http://www.partners-inc.co.jp/images/%8C%A4%8B%8 …
なお、「研究開発費」も、会計基準で定義付けのなされているテクニカルタームだ。
それから、原材料を提供し外部に加工してもらう流れを想像していたのだが、OEMないしその類似の商流だということな。
早速のご回答ありがとうございます。
>「研究開発費」も、会計基準で定義付けのなされているテクニカルタームだ。
↑
なるほど。「会計上の」ですね。ということは、当然、「研究開発費」と、会計上の繰延資産たる例の「開発費」とは、排他的関係にあるわけですよね。
ご紹介いただいたURL大変参考になります。
まさに両者は一部重なり合っている関係なんですね。
が、一読しただけでは頭にすんなりとは入りません。この世界の人は、なぜこういうややこしい定義を考えるんでしょうかねぇ。
>それから、原材料を提供し外部に加工してもらう流れを想像していたのだが、OEMないしその類似の商流だということな。
↑
そうです。当社は仕様書を示すのみで、設計・製作を丸ごと某社に依頼したのです。したがって「外注費」でなく「仕入」勘定を用いることになります。
本題に戻りますが、いずれにしても、#4ご回答及び同お礼欄でやりとりさせていただいた方法で処理をしたいと考えています。つまり、200万円の内訳ですが、当期1台売れたわけですので、
・売上原価=35万円
・期末商品棚卸高=35万円
・研究開発費=130万円
で、本件130万円は、「新しい製品の設計」ということで、試験研究費と研究開発費の重なり合う部分に該当するものととらえ、税額控除=130万円×8%=10万4千円(別表6(6))も併せ申告しようかと考えています。
No.4
- 回答日時:
(1)~(4)の内訳が不明だということかい?そうだとして、(3)を分離でき、(1)が残額の大部分を占めると見込まれるのであれば、残額は当期の費用とするのがいいだろう。
その製品が既存品の手直し程度でなければ、会計上は、(1)は研究開発費、(2)と(4)は仕入原価の一部となるだろう。すべて合理的に分離できるのであればそのように扱うのがいいと思うが、それが難しければ、多額だと見込まれる側に寄せればいいと思うぜ。
なお、税務上の試験研究費と会社法上の開発費とは異なる。というか、両者は重ならない。会社法上の開発費は「繰延資産の会計処理に関する当面の取り扱い」に定める開発費と同義であり、これと法人税法上の開発費とは実質的に一致する(法人税法施行令14条12項4号)。「開発費に関しこれに試験研究費も含むと考えてよい」根拠はどこにもない。
早速のご回答ありがとうございます。
>そうだとして、(3)を分離でき、(1)が残額の大部分を占めると見込まれるのであれば、・・・
↑
質問文にも記述したように、3台目以降は1台あたり35万円で仕入れる予定なので、(3)=35万円×2台と推定するつもりです。
なお、残額(65万円×2台)の大部分は(1)が占めると考えますので、仰せに従い「多額だと見込まれる側に寄せ」ることとし、(1)+(2)+(4)=130万円を研究開発費として一括当期の損金に計上しようかな、と考えます。
>「開発費に関しこれに試験研究費も含むと考えてよい」根拠はどこにもない。
↑
会社法でいう「開発費」と、税務でいう「試験研究費」(税額控除の対象となるものですよね)とは、仰せのとおり、排他的関係にあることは薄々承知しておりました。
それにしても、「開発費」という名称は、その内容を推し量りがたい名称ですねぇ。
ついでにお教えいただければ幸いなのですが、「研究開発費及びソフトウエアの会計処理に関する実務指針」などというものがありますが、ここで言っている「研究開発費」と「試験研究費」の区別がよく分からないのです。両方とも「資産計上は原則まかりならん」そうですが、両者は排他的関係にあるのか(まさか!)、それとも完全同一のことを言っているのか、或いは片方が片方を完全に包含しているのか、はたまた両者は一部が重なり合っているのか、一体どれなんでしょうか。少なくとも、「開発費」、「試験研究費」は、"テクニカルターム"ですよね。「研究開発費」もそうなんでしょうか。それとも"単なる日本語"なんでしょうかねぇ。
すみませんが、ご高説をお願いします。
No.3
- 回答日時:
「企業会計基準委員会は2006年8月11日に、「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」を公表し、株式交付費、社債発行費等(新株予約権発行費を含む)、創立費、開業費、開発費の5つを繰延資産と定めた。
」この中の開発費に関しこれに試験研究費も含むと考えてよいと思います。
普通はもっと大規模の新製品や市場開拓費用を想定しているのでしょうが、別に金額の限定もありませんので、法人がそうする限りは問題ないと思います。
一方税法では繰延資産の計上は当期の税金を増やす方向の処理ですから、当局は何も言いません。
早速のご回答ありがとうございます。
>この中の開発費に関しこれに試験研究費も含むと考えてよいと思います。
↑
仰せの「開発費」と「試験研究費」はいずれも"テクニカルターム"ですよね。であれば、繰延資産たる「開発費」と、税法でいう「試験研究費」とは、排他的関係にあるものと私は理解しています。
No.2
- 回答日時:
厳密にはその実態によるのですが、常識的に設計料とドキュメント類の作成・提出の費用は製造原価とも言えないように思います。
これらの費用は、今回制作した2個の製品のみに関するものというよりは
今後作られる将来の製品にもその効果が及ぶ費用と思われます。
ということで、これらは製造原価ではない試験研究費として扱ってもよいのではないでしょうか。
その場合、これを繰延資産として繰り延べるのも可能ですが、繰延資産の償却は任意償却ですから、全額今期の費用としても構わないということになります。
したがって、期末在庫として繰り越す製品の原価は、(2)動作確認試験
(3)本製品の製作の費用の半分ということになります。
動作確認試験も開発中の試行錯誤の段階の費用は試験研究費とすることも可能と思われます。
これらは実際の作業内容と金額を詳細に分類して計算するとよいでしょう。
ちなみに私の会社では、量産段階に入った以後の費用は製造原価、それ以前は試験研究費ということで税務当局と合意しました。
早速のご回答ありがとうございます。
実例に基づくご説明、大変参考になります。
ところで、ちょっと質問ですが、
>その場合、これを繰延資産として繰り延べるのも可能ですが、繰延資産の償却は任意償却ですから・・・
↑
確かに会社法でいう繰延資産は繰り延べることも、はたまた全額当期の費用とすることも可能ですが、仰せの「試験研究費」に相当する部分は、会社法上の繰延資産ではないのではないでしょうか。
会社法上の繰延資産は、株式交付費、社債発行費等、創立費、開業費、開発費、の5つに限定されてしまったのではないでしょうか。
ということで、「試験研究費」と認識した場合は、原則、発生時に全額費用とするもので、"繰延べ"という概念とは一切無縁のような気がするのですが・・・。
ちなみに、貴社の、
>それ以前は試験研究費ということで税務当局と合意しました。
↑
「それ以前の試験研究費」は、発生年度に全額費用とされていると理解しましたが、そのとおりでしょうか。
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