
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
2次側の負荷が増加すると、1次側の電流も増加しますが、この増加によってコアが飽和するのかと言うと、そうではありません。
トランスのコアの飽和は無負荷でも全く同じに起こります。細かいことを言うと、無負荷の方が飽和しやすいです。安いトランスは飽和ギリギリで使われますが、無負荷の方が鉄芯の発熱は大きいです。これを理解するには、励磁電流というものを理解する必要があります。無負荷の状態で電源につないだトランスは、1次巻き線だけの単なるコイルと同じ動作をします。(2次巻き線は有っても無くても同じ) このとき、1次側には1次巻き線のインダクタンスで決まる電流が流れます。これを励磁電流と言います。
さて、ここで2次側に負荷をつなぎます。すると2次巻き線に流れた電流によりコアにはより大きな磁束が生じると考えがちですが、実はそうではないのです。2次巻き線に生じた電流で増加しようとしたコア内磁束は、1次巻き線の電流の増加により打ち消されているのです。電磁誘導の説明に必ず出てくる「誘導電流は磁束の変化を打ち消す方向に発生する」ということを思い出してください。
2次巻き線の電流は1次巻き線に新たに加わった電流により打ち消されるので、コア内の磁束は変わらないのです。1次電流はコア内の磁束が変化しないように流れるのです。
結局、トランスのコアの中の磁束は励磁電流により決まるのであって、負荷電流には無関係です。むしろ、負荷電流が流れると途中の線の電圧降下により1次電圧が少し下がって、励磁電流が減る傾向です。鉄損は無負荷時が一番大きいということは現実に体験する事実です。
この回答へのお礼
お礼日時:2013/09/25 00:06
なるほど、一次側の電流が増える時は、二次側の電流も増える時で、結局打ち消しあって磁束密度は変化しないということなんですね。なんとなく理解できた気がします。ありがとうございます。
No.6
- 回答日時:
>負荷が増えた分の電流増加は関係なくなるんですね。
その通り!
例えば、参考 URL の「5.2 トランスの等価回路」 図 5.3: トランスの等価回路 をご覧ください。
結合係数 k = 1 なら、Ll1, Ll2 (1, 2 次巻線漏洩インダクタンス) = 0 。
参考URL:http://ayumi.cava.jp/audio/pctube/node24.html
No.5
- 回答日時:
蛇足。
>トランスの巻線間結合係数 k が 1 に近ければ、巻線に流れる電流 V/(2πfL) はほぼ一定、なのでは?
「結合係数 k が 1 に近ければ、」二次側の負荷はトランスのインダクタンスと並列接続になるから、です。
No.4
- 回答日時:
>ΔB=V/(4.44N*A*f) ?
トランスの動作原理を考えると簡単です。
電圧は磁束の変化速度に比例する。
電圧の積算値は磁束の変化量に比例する。
以上の関係を式に表している訳です。
積算期間は電圧値の正(負)の区間で次のようになります。
但しVは電圧実効値、Bmaxは最大磁束密度です。
V=dφ/dt=NAdB/dt
∫[0,1/(2f)] √2Vsin(2πft)dt =2NABmax
[0,1/(2f)] {√2V/(2πf)*(-cos(2πft))} =2NABmax
2*√2V/(2πf)=√2V/(πf)=2NABmax
Bmax=√2V/(2πf)/NA =V/(√2πfNA)=V/(4.44NAf)
励磁電流は磁束密度瞬時値:B, 最大磁束密度:Bmaxに対する起磁力、
励磁電流=起磁力/コイル巻数で求める事が出来ます。
なおここで最大磁束密度としたのは、電圧に対応したピーク=最大磁束密度と言う意味で使いました。
飽和磁束密度とは、通常ある程度以上励磁電流を増しても殆ど磁束密度が増加しない状態になる場合の磁束密度を言われます。
このような状態では、励磁電流、磁気損失共に過大となり、もっと低い最大磁束密度の状態で普通使われています。
No.3
- 回答日時:
>同じ電圧V, 周波数fでも、流す電流が多くなる場合は磁束密度が増えるのではないかと思ってしまうのです。
>例えば、100Vの商用トランスを考えた場合電圧V(100V)と周波数f(50 or 60Hz)は一定ですが、 二次側の負荷増加ー>トランスコイルに流れる電流増加ー>コアの磁束密度が増加 というイメージを私は持ってしまってるのですが、この考えの何が間違っているのでしょうか?
トランスの巻線間結合係数 k が 1 に近ければ、巻線に流れる電流 V/(2πfL) はほぼ一定、なのでは?
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