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こういう形はなぜ現代語に定着しなかったのですか?

それを降りれば人通り繁(しげ)い往来へ出る
――二葉亭四迷

灯は、その炎のまわりに無数の輪をかけながら、執拗(しふね)い夜に攻められて、心細い光を放っている。
――芥川龍之介

A 回答 (3件)

さまざまな語彙の消長や変遷には実に面妖なものがあります。



1.形容詞「しげし(茂し・繁し・稠し・蕃し)」
室町期には既にその口語形「しげい」が用いられていたが、そのくだけた用法は進展せず、今日では「足しげく通う」として連用形のみに名残がある程ですが、もはや活用が失われて固定され、程度の副詞と化している現状です。
確かに「繁き恋」が「繁い恋」では如何にも落ち着かず、今日的には「激しき恋」「凄い恋」あたりでしょうか。

この形容詞ク活用の「繁し」の形容動詞「繁(しげ)げ」もあまり展開せず、畳語にした形容詞シク活用での「繁繁(しげしげ)し」やその形容動詞「繁繁」も「繁繁と(見る)」程度で固定し、やはり副詞化してしまっています。

2.形容詞「しゅうねし(執念し)」
仏教語の名詞「執念」の形容詞化ですが、「執念し」は「しつこし」「ねつし」に、その口語形「執念(しゅうね)い」は「しつこい」「ねつい」「くどい」「あくどい」などに専門化して行き、あるいは本来の「執念」を生かした形容詞口語形「執念深い」へと移行して行ったものでしょう。

死語になりつつある形容詞口語形は少なくありません。「繁い」同様、どこか懐かしさがあります。
あざとい、はゆい、けなるい、さもしい、似気(にげ)無い、ひだるい、あじきない、しだらない…。
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この回答へのお礼

来歴の説明ありがとうございます。
もともと活発にいきかったものではないようですね。

>どこか懐かしさがあります

何か、近代以前の、日本人の息づかいを漂わせている感じがしますね。

お礼日時:2013/11/04 21:19

[No.1]の誤謬訂正


「執拗に」「繁く」の形容詞は健在ですね。
           ↓
「執拗に」「繁く」の 副詞 は健在ですね。
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「執拗い」「繁い」の形容詞は、私にとっては初耳だけど、


「執拗に」「繁く」の形容詞は健在ですね。
執拗に附き纏う(しつようにつきまとう)
足繁く通う(あししげくかよう)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。たしかにあまりみませんね。

お礼日時:2013/11/04 21:18

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