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No.2
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「蒸気圧」は文字通り「蒸気の圧力」です。
「平衡蒸気圧」はあまり使いません。液体(固体)とその蒸気とが平衡にある時の圧力であれば「飽和蒸気圧」を使うほうが普通です。
蒸気圧は飽和蒸気圧よりも高い場合、低い場合があります。
蒸気圧が飽和蒸気圧よりも高い場合は一部が液体に変化します。
この変化が起こらなければ、過飽和の状態であるといいます。これは平衡が実現していない場合です。
空間が広い場合は液体が存在しているにもかかわらず蒸発が間に合わなくて飽和に達していない場合があります。この場合も平衡は実現していません。この場合、「蒸気圧<飽和蒸気圧」です。液体が存在していない時も「蒸気圧<飽和蒸気圧」です。
空気中の水蒸気の場合、蒸気圧と飽和蒸気圧の比で湿度を表します。
湿度100%というのはその時の大気中の水蒸気の圧力が飽和蒸気圧に等しいという意味です。ふつうは海の近くにいててもこういうことはありませんね。蒸発によって生じた蒸気がどんどん広い空間に拡散してしまうからです。でも上空に行って雲になり、雨に変わるというときには湿度100%が実現していると考えていいでしょう。
化学の教科書で飽和蒸気圧の値を示してある表やグラフが「蒸気圧」、または「蒸気圧曲線」と書かれているのは感心しません。たいていの物理化学の理論が「気体と液体の共存している」、「気体と液体との間で平衡が実現している」という場面を前提としていることが「飽和蒸気圧」と書かずに単に「蒸気圧」と書いていることの理由です。フラスコの中のような狭い空間を考えているという事情もあるようです。でもこれはそういう風に省略してもわかるという、ある意味では業界用語のような使い方です。
高校の化学は実験化学の方面に進む人たちだけが勉強しているわけではありませんので業界用語を持ち込まれては困るのです。
「化学便覧」という学会で編集しているデータブックがあります。この中でも「蒸気圧」となっています。教科書の用語はそれに準じている場合が多いです。
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