No.4ベストアンサー
- 回答日時:
反物質は、単に物質と接触すると対消滅してしまうというだけで、物質と接触する事さえなければ元々安定な存在です。
ですから御質問は「反物質が安定的に存在できたら」という事ではなく、「大量の反物質を安全に扱う事が出来たとしたら」という事であると解釈して回答します。
まず考えられるのは、兵器に応用する事ですね。
1gの反物質と1gの物質が対消滅する際に発生するエネルギーは、TNT爆薬に換算して約42.96キロトンにもなり、これは長崎型原爆の約2倍です。
しかも、長崎型原爆に使用されているプルトニウムを核爆発させるためには、複雑な仕掛けが必要になりますが、反物質を爆発させるには、単に普通の物質に触れさせるだけで良いのですから、もしも、簡単な構造で反物質を物質に触れさせない様にする仕組みを作る事が出来れば、銃弾の内部に収まる様なサイズで、小型の原子爆弾級の威力を持つ弾頭を作る事も可能となります。
例えば、反物質で強力な磁石を作る事が出来れば、通常の物質で作った磁石と組み合わせる事で、磁石の反発力を使って、真空容器内の空間に反物質を浮かべておく事が出来ますから、爆発させる際には、爆薬を使って真空容器を破損させるだけで起爆させる事が出来ます。
もう1つ考えられる応用先は宇宙船の動力源です。
宇宙船の速度は、推進剤の噴射速度が速いほど速くなり、又、「噴射開始前の宇宙船の質量に対する」「噴射終了後の宇宙船の質量」の割合が小さいほど速くなります。
ですから、推進剤としての液体水素と、エネルギー源としての少量の反物質を宇宙船に搭載し、磁場で形成した反応容器の中にプラズマ化させた水素を入れ、その中に微量の反物質を投入する事で、水素のプラズマを非常に高い温度にまで加熱させてから、やはり磁場で形成されているノズルから噴射させる様にしますと、少ない推進剤で高速を得る事が出来ます。
又、それとは別の方法として、物質と反物質を対消滅させる事によって生じるエネルギーを使って強力な発光装置を作動させ、その光を凹面鏡を使って宇宙船の後方に放射させますと、光が持つ運動量の反作用で宇宙船は前方に推進されます。
宇宙船の推進効率は、宇宙船の速度と推進剤の噴出速度の差が小さい方が効率が高くなるので、噴射速度が光速に等しい光を推進剤として使用すると、光の速度に近い速度を出すのに都合が良い宇宙船となる訳です。
但し、核融合炉などでエネルギーを作ったのでは、核融合炉で燃やした後の核燃料の分だけ宇宙船が重くなりますので、宇宙船の効率が悪くなります。
さりとて、使用済みの核燃料を宇宙船の外に廃棄した場合には、廃棄した使用済みの燃料の(宇宙船に対する)速度は低速なのですから、噴射する推進剤の速度が遅い場合と同じ事になってしまうため、やはり効率が低下します。
そのため、噴射速度を光速にするためには、質量が100%エネルギーに転換される様な燃料が必要になります。
その条件を満たしているのが反物質という訳です。
これがいわゆる光子ロケットの原理です。
【参考URL】
光子ロケット とは - コトバンク
http://kotobank.jp/word/%E5%85%89%E5%AD%90%E3%83 …
No.5
- 回答日時:
>なぜ凸面鏡ではなく凹面鏡なんでしょうか?
一般的に、光源から放射された光は放射状に広がって行きます。
しかし、凹面鏡の焦点の位置と光源の位置を一致させますと、凹面鏡に反射した光はほぼ平行に進む光線となります。(光源の直径を0にする事が出来れば完全な平行光線にする事が出来るのですが、サイズが0の光源などというものは製作不能です)
光子ロケットは光を放射した反作用で推進しますので、全ての光が真後ろに向かって放射される様にした方が効率が良い訳です。
前回の回答では書き忘れておりましたが、光源から直接後方に向かって放射された光がありますと、その光は放射状に拡散してしまい、平行光線とはなりませんので効率が悪くなります。
そのため、光源から放射された光の全てが凹面鏡に当たる様にするために、光源のすぐ後ろの所にも小さな凹面鏡を配置する事で、光源から後方に向かって放射された光を、光源のある方向に向かって送り返す様にするなどの工夫が必要となります。
これに対して、放射状に広がって行く光を凸面鏡で反射させた場合には、凸面鏡と光源をどの様な位置関係にした場合でも反射光が平行光線となる事はありませんので、凸面鏡を使う理由がありません。
No.3
- 回答日時:
No.2っす。
対消滅は原発どころではないですよ。
核融合を用いた水素爆弾でも質量がエネルギーに変換する割合は1%程度です。
原発などの核分裂ではこれよりもっと低い値です。
広島の原爆でもたった0.7gの質量がエネルギーとして変換されたと言われますから、1gとしてもそのエネルギー量は半端ではありません。
対消滅は反物質と正物質をぶつけて全ての質量をほぼ100%エネルギーに変換します。
ただし、反物質を正物質から作り出すとすれば、同等のエネルギーが必要になるので収支はゼロとなります。
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