ある資産家のおばあさんが亡くなりました。
私は、そのおばあさんとは血縁関係もなく養子でもないのですが、とても仲が良くて、普段からこまごましたお手伝いをしたりしていました。
おばあさんには身寄りがないのですが、息子さんが一人いらっしゃるようで、時折電話がかかってきては、お金を無心していて、私はときどきおばあさんに頼まれて、銀行で息子さん宛の送金をしていました。金額は1回あたり50万円から100万円くらいだったと思います。
おばあさんは、生前、「息子は頼りにならない。どこに住んでいるのかもわからないし、たまに電話してきては、カネの無心ばかりする。私が死んだら、私の全財産をあんたに差し上げるから、私の葬式やら家の処分やら一切の後始末をあんたに頼みたい」と言っておりました。
私は、おばあさんの財産のことなど気にも留めていなかったのですが、おばあさんが亡くなる直前に、おばあさんの全財産を私に遺贈する旨の書付を示されて、「約束しただろ。あとは任せたよ」と言ったきり息を引き取りました。
一応、私は、自分の費用でおばあさんの簡単な葬式を出し、ご主人のお墓に葬って差し上げました。
ちなみに、おばあさんの財産は、総額で10億円程度あるようです。
私は、この財産を全額遺贈されたと考えてよいのでしょうか。
また、その場合に、どのような法律上の手続をとるべきなのでしょうか。
民事訴訟の観点も踏まえてお知恵をお貸しください。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
時効の10年またなくったっていい。
故人の戸籍から相続人本籍を調べれば、附表で相続人の住民登録している住所は、すぐわかる。それでもって家裁での遺言検認時には呼ばれることになってる。来るか来ないかはその人次第。
仮にその場所にいなければ、家裁に不在者財産管理人を選任してもらい、その管理人が家裁の許可を得て相続人の行為をすることになる。
なるほど!
理解しました。つまりは訴訟手続上の問題に拡散せず、民法の規定で収斂される話だったんですね(よく見てみたら、内田貴先生の「民法IV」にもヒントめいたことが書かれてました…)
大変勉強になりました。ありがとうございます。
No.6
- 回答日時:
家裁での検認を受け、遺言が有効との前提で回答をします。
遺贈には2種類あり、贈るものはこれとあれと特定してする「特定遺贈」と、遺産「全部」とか「2分の1」といった割合で示す「包括遺贈」とがあります。遺言の書きっぷりが定かではありませんが、おそらく後者の包括遺贈でしょう。
遺言執行者が遺言に指定していれば彼との手続きとなります。指定がないと他の相続人との手続きとなります。
不動産登記も、遺言執行者または他の相続人と一緒に手続き、銀行預金も執行人がいても他の相続人全員のハンコ(実印)を要求されるでしょう。
相続人の協力が得られなければ、勝訴判決をかちとってでないと、預金も不動産も自分のものにできないでしょう。すんなりいくといいですね。
No.5
- 回答日時:
>おばあさんの全財産を私に遺贈する旨の書付を示されて…
それが自筆証書遺言としての要件を満たしているかどうかが、最大のポイントです。
自筆証書遺言と認められるには、
1. 完全に自書自筆であること。タイプやワープロ書きは不可。
2. 署名と捺印があること。実印でなくても可。
3. 作成した日付が入っていること。
の全部を満たす必要があります。
どれか一つでも欠けているなら、ただの紙切れですのであきらめてください。
全部問題なさそうなら、家庭裁判所に持ち込めば、公式に認められます。
>一応、私は、自分の費用でおばあさんの簡単な葬式を出し…
それは分かりましたけど、息子さんには連絡したのですか。
息子さんは母の旅立ちを知っているのですか。
>私は、この財産を全額遺贈されたと考えてよいのでしょうか…
その書き付けが自筆証書遺言と認められたとして、息子が「遺留分減殺請求」を起こさなければ、全額あなたのものとなります。
遺留分減殺請求を起こされたら、法定相続分の 1/2 は渡さなければいけません。
本来の法定相続分は息子が全額ですから、結局、全遺産の半分を渡すと言うことです。
遺留分減殺請求を起こせるのは、息子が母の旅立ちを知ってから 1年以内です。
あなたが息子に連絡済みであるなら、1年待って何も言ってみなかったら全額あなたのものと考えて良いです。
それで万端整って 10億円が手に入ったとしたら、
(10億 - 6千万) × 50& - 4,700万 = 4億 2,300万円
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4155.htm
の相続税を納めないといけませんので、覚悟しておいてください。
遺産が現金や預金だけならまだ良いですけど、土地建物がほとんどなら相続税の支払いにも難儀しますよ。
税金について詳しくは、国税庁の『タックスアンサー』をどうぞ。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/index2.htm
この回答への補足
ありがとうございました。
ご回答、大変参考になりましたが、可能であれば下記の点について補足をお願いできないでしょうか。
ご指摘のとおり、遺贈に対する遺留分減殺請求(民法1031条)は、1年間の消滅時効にかかります(同1042条)が、息子さんは現在行方が分からないので、「私」は、事実上は10年の除斥期間の経過を覚悟しなければならない地位にあります。
一方で、おばあさんとの約束もあり、「私」は、残された財産管理をしなければならないと考えています。しかし、管理に要する費用も支出しなければならず、受贈したと主張する私に対する税金もばかにはなりません。そこで、「私」は、財産の帰属を確実なものにしたいと考えることにして、その原資をおばあさんの遺産から充当しようと考えました。
これを前提として、受遺者である私は、現在行方不明の「息子さん」を相手に、「私」が「おばあさん」の全財産の所有権を取得したことについての確認請求を立てることにしたとします。
この場合に、息子さんの所在(日本国内には所在していると思われるが)が不明であるため、訴状は、結局公示送達(民事訴訟法110条1項)によることになるはずですが、この場合の処理について、お知恵をお借りできないでしょうか。
(1)そもそも、このような訴えに確認の利益が認められるのか?
(2)認められるとして、確認の相手方(息子さんを被告とすること)は、適切か?
(3)口頭弁論期日に「息子さん」が出頭しない場合でも、民事訴訟法159条3項により擬制自白が認められないのであれば、本件の訴えはどのように処理されるのか?
以上、よろしくお願いいたします。
補足しておいて申し訳ありません。
No.6、7さんの回答で、問題の構造が理解できてしまいました。どうやら、論点を取り違えていたようです。
詳細なご回答を頂けたNo.5様に大変感謝いたします。
ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
やることは
(1)その「書付」を家庭裁判所に持ち込んで、遺言書として検認してもらう必要があります。家庭裁判所で「遺言」と看做されなければ検認は受けられませんが、後日の混乱を避けるためにも、一度は家庭裁判所に持ち込んでください。
(2)親族でもない他人の貴方が、おばあさんの遺産が約10億円と推定できるのに多少の???を感じますが、手元の「書付」が遺言書であることを前提にしても、弁護士に相談するより先に早めにまずは家庭裁判所へ行かれることをお勧めします。
No.1
- 回答日時:
とりあえず、信用出来る弁護士さんを見付けて相談しましょう。
生前に受け取ったとされたとされるか、遺産として受け取ったとされるかで、扱いが変わってきます。
息子さんは当然遺留分を請求してくるでしょうし、税金も異なってくるので、なるべく早く専門家を見付けて意見を聞いておいてください。
書き付け自体が遺言と同様の効力を持つかの確認も必要ですしね。
どちらにしろ、公的にあなたが権利者だと認めてもらわなければ財産の処分は出来ません。
あと、息子さんへの過去の送金額等によっては、記録さえあれば、贈与税が息子さんに課されたり、生前贈与とみなされて遺留分の減額があるかもしれませんよ。
自分が出したお金の記録は、きちんと取っておいてくださいね。
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