

No.4ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
芥川の作品について一言で言うなら「利己主義(エゴイズム)」です。
「人間にとって一番大切なのは自分」という大前提があって、話が進んでいきます。
羅生門の場合、雇い主の都合で職と宿を失った男がこの先どうしようか途方に暮れており、悪事を働いて生き長らえる事に対して決心がつかずにいる所に死人の髪を抜く老婆に出会う事で「悪事を働いているのは自分だけではない」と自分の欲望(生きるためには手段をえらばない事)を正当化する大義名分を得ます。
つまり暮れ時から夜へという光の変化がそのまま下人の心の変化を表しているのです。
これが真昼間だったらと映像でイメージすると下人の最後の行動はどこか後ろめたい印象になりますし、なんとなく続きがあるような雰囲気ですよね。
時代は平安ですから当然街灯などないし、現在ではイメージしにくいですが明かりのない夜というのは本当に真っ暗で自分の手も見えないのです(田舎に住んでいるので経験があるから断言できます)
黒洞々たる夜というのはそういった、本当の暗さを指しています。
作品舞台の時代では荒廃しきった世の中で道端に死体さえも当たり前のように転がり、屋敷もかなり痛んでいる。さらにそれすらも見えない暗さの中に悪事を働いて飛び込んでいく下人が、その行方を誰にも見届けられないというエンディングなんですね。
洞とはもともと空っぽの意味があります。それを洞々と重ねる事で黒い空っぽの中へ下人が飲み込まれていったかのような表現を使って「誰も知らない」という結びを効果的にしているわけです。
もっとも夜の自然な暗さとか洞という古語に馴染みのない現代人が読んでも芥川の意図したシーンをイメージする方が難しいんですけどね。
後にきびは他の方のご説明と同じで下人の年齢をイメージしやすくするためと話に動きをつけるための小道具になっていると思います。
No.6
- 回答日時:
わたしも遅すぎましたか。
「黒洞々たる夜」=ダークというのとはちょっと違う見方もできるかもしれません。
日の光りを分析可能な世界と捉えるならば、「黒洞々たる夜」は境界線のない世界。
まさに日本的なあの世とこの世を行ったりきたりできたり、いいひとが悪いひとに、
悪い人だと思っていた人がいい人に、と境界線を軽々と行き来できる世界と捉える
ことはできないでしょうか。
おそらくその自由さは芥川自身の無意識の憧憬ではなかったでしょうか。
にきびを強引に当てはめるなら、膿と取るか若さの印と取るかの二重性を同時に
あらわしていると考えることもできますね。
くりかえし出てきながら、その両方を揺れていませんか。
おっとお後がよろしいようで。
確かに書きたいことはもっとあるけれど。
No.5
- 回答日時:
下人のにきびですが、他の方の回答に有る「若さ」だけでなく
「ナルシスト」的な面を表していると言う説もあります。
見た目は全く気にしない男であれば、顔にできたにきびくらい
気にしませんよね。
しかし下人は非常に気にしてなんども触っています。
このことから、ナルシスト的な性格が見える、っていうことのようです。
「自分が可愛い」という考えは、他の行動にも表れてますよね。
お婆さんの服を剥ぎ取ってしまうあたりとか。
ところで、すでに6月4日になってしまっているので
実は回答はいらないのかな?(汗
もっと書きたいことはあるんですけど
すでに不要だったら悲しいので、ここらへんでやめておきます(笑)
No.2
- 回答日時:
「黒洞々たる夜について」
文字どおり真っ暗な夜と解してもいいですが、「下人が落ち込んだ人間の暗黒面」と解釈してもいいのではないでしょうか。
「にきびの効果」
下人が若いことも表しますが、迷っている場面ではにきびを触って気にし、決断と同時に手を離していますよ!
No.1
- 回答日時:
僕は授業で、「にきび」は若い人間の象徴で、若い人間でさえも追剥をしなければいけないほど社会が腐敗しているという風に習いました。
また、全体の感想として最後の「男の行方は誰も知らない」というのがこの作品で最大のテーマでそこが考える中心で、男の若さなどを中心にといわれました。
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