ベルサイユ宮殿は革命前後になぜ破壊されなかったのでしょうか?
私が当時の民衆であれば、自分たちの血税によって作り上げられた宮殿など
憎くて仕方がないと想像します。
後世に自国の財産となることよりも、こんな国家を二度作ってはならないと考え、
貴族の優雅さの象徴ともいえるベルサイユ宮殿は革命時に破壊されることが自然
ではないかと思いました。
革命時だけでなく、王家の一族が処刑された後も、どのようにして保管されたのでしょうか。
お詳しい方がいらっしゃいましたら、お教えください。
※こんなことを書いておりますが、ベルサイユ宮殿は本当に美しく、よくぞこの歴史的建造物を
遺しておいてくれたと、現代に生きるものとしては感謝しています。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
1、初期革命派リーダーに商工業者出身のインテリ層が多かったため不必要な破壊や略奪は抑えられていた。
2、革命初期段階では、王や貴族の処刑や追放まで考えられていなかった。あくまでも王政の中での改革を要求していた。
3、ベルサイユ宮殿は当時、庶民に開放されていたので、「王権の象徴」というよりも「公共性のある建物・公園」という意識のほうが強かった。
以上の主因により、破壊・略奪されなかったのです。
ルイ16世一家が処刑されたころは、貴族や軍人たちの勢力が復活し始めていました。
「公共性のある建物」を破壊させることは当然許さなかったし、庶民もそんな気はなく、早く外国勢力を打ち払い国の体制が確立することを願っていましたので同宮殿の破壊なんて全く眼中になかったのです。
あと、同宮殿がパリ郊外にあった地理的要因もあるでしょう。
そもそも、異民族、異教徒、異国、蛮族が宮殿を襲う場合なら普通にありえますが、被支配階層が支配階級を引きずりおろす時、その宮殿まで破壊するというのは、実はそんなに多くはありません。
中国の王朝が倒れた時ぐらいでしょうか。
ルイ16世一家の処刑後も「人民の所有物」としてベルサイユは残されました。
普通に博物館か迎賓館扱いとして。
ナポレオン追放時に外国軍が来ますが、各国はフランスの王政復古を目指していましたのでベルサイユは当然破壊されません。
普仏戦争の敗北後も、ドイツ皇帝は自らの権威向上のためベルサイユを利用しました。当然破壊しません。
第二次大戦でも、政治・軍事・経済面でなんら価値の無いベルサイユの破壊は行われませんでした。
そして、重要な観光資源としてのみ、現在に残っているのです。
お礼が遅くなりまして申し訳ございません。
説得力のある、丁寧なご回答を頂きありがとうございます。
1~3のポイント、それぞれの観点から納得でき、
当初抱いていた疑問は完全に払拭されました。
No.4
- 回答日時:
>ベルサイユ宮殿は革命前後になぜ破壊されなかったのでしょうか?
破壊する必要がなかったからじゃない?
あなたの質問文に「憎い」という表現があるけど、憎いことと破壊することは、落ち着いて考えれば無関係。「貴族が憎くて仕方がないから、ベルサイユ宮殿を破壊しよう」と関連付けなかったから、破壊する必要が生じなかったのでは。
回答ありがとうございます。
私は憎しみと破壊が無関係だとは思いません。
仰るように、直接人とその所有物を結びつけて考えない人もいるでしょうが、
現代においても、放火や器物破損など憎しみを根源とする破壊は所々で見受けられます。
ベルサイユ宮殿が自分たちに全く関係がないものであれば関連付けることもないかと思いますが、ベルサイユ宮殿は民衆から搾取した税金によって建てられています。
パンひとつ満足に食べられない女がデモ行進を行い、農民が暴動を起こした時代に、富の塊のような宮殿はどのようにして破壊を逃れられたのか、それなりの理由があると思うのです。
No.3
- 回答日時:
暴動ではなくて革命だったから。
革命は暴徒が現体制に暴動を起こすのではありません。
現体制とは別の組織が武力を用いて国家を支配するようになることです。
武力衝突の現場となった結果として破壊されることはあっても破壊を目的としたり略奪を認めれば新政権が治安維持、国家体制が出来ていないことを示し旧勢力、第三勢力による政権転覆につながるのでこのような行為は行わないし行わせません。
これはフランスのみならずロシアでも清でもどこでも同じですね。
ベルサイユが博物館になったのは結果であって理由ではありません。
ご回答ありがとうございます。
確かに、革命それも優れたリーダーのもとに行われていれば、
破壊を目的とするような愚かな行為は抑制され、支配するように事が動いていくものと思います。
現代においても、故カダフィ大佐の豪邸は内装こそ荒らされていますが、建物自体は破壊されず活動家に占拠され、彼らはこれは人々のものであると主張したそうです。
納得できました。
No.2
- 回答日時:
革命後の支配者が、ここいいとこだからここに住もうとかんがえれば、破壊の対象になりません。
ベルサイユはいきましたが、ナポレオンがたしか、住んだとかの部屋があったきがするのだが、きのせいだろうか?
ちなみにいまの皇居は、元は江戸城ですし、戦後GHQがおかれた日本生命も戦後統治のために、アメリカは破壊しなかったそうです。こんなものは壊してしまえ、というのがおきやすいのは、むしろ宗教的な施設だったりします。しかしそれさえおおくのキリスト教の教会が発掘してみると、もともと異教の神殿跡だったりするとか・・・
フランス革命にかんしていえば、革命後の支配者は全くの庶民というわけでもありません。それなりの階層のひとびとーーーブルジョワジーなどーーーが政権の中枢にいすわったかんじではないかとおもいます。
もし庶民の考え方が血税をつかってつくられた建物が憎くて仕方ないなら、日本だって、国会議事堂とか、にくいみたいなはなしになるでしょうが、実際見に行った人は、きれいなたてものでかわいいな、とおもい壊そうとおもわないとおもいます。かんがえるとしたら占拠しようということでしょう。ひとのこころというのはそういうものです。
ご回答ありがとうございます。
壊されやすいのが宗教施設であること、言われてみれば納得ができます。
異なる思想を集める場所とあれば、邪魔で仕方がないでしょうね。
国会議事堂の例は、ベルサイユ宮殿のように贅沢をする場ではないこと、
現代において国会議事堂を破壊しようものなら即刻逮捕されることから、
本題とは少し外れるかと思います。
しかしながら、革命後ナポレオンが支配したことを踏まえると、
破壊すれば罪となるという点で、破壊されずに済んだ要因のひとつが見えました。
No.1
- 回答日時:
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