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この前テレビで「~するべきか」「~しないべきか」というのがありました。
物凄い違和感があったのですが、これはご用でしょうか?
それとも正式な言い回しとしてこういう風に言うこともあるのですか?

A 回答 (13件中1~10件)

誤用といえば、単純に「~したほうがいい」「~しないほうがいい」とでもいえば済むところを、そんな日常の言い方とつい混同して、やや難しそうな言い回しを試してみた結果なのでしょう。


これは「べし」という漢語的表現が現代ではもはや見失われ、せいぜい気取ったつもりの誤用が大手を振ってまかり通りつつあるという、死語になりかかった表現によくある末期的現象の一つです。

1.漢語の認定の助動詞「べし」の多段性
1)可為…すベシ(して好い、して構わない)(候文では「たるベシ」)
2)当為…マサニすベシ(するのが当たり前だ)
3)須為…スベカラクすベシ(是非する必要がある)
本来このような使い分けがあったのですが、その知識がない人は何でも「すべし」だと思い込んでしまっているのでしょう。

2.漢語&古語「べし」の現代語用法の条件
1)現代語においても「べし」がつくべき用言は古語であること。
「為(す)」+「べし」であって、「為(す)る」+「べし」とはなりません。
2)連体形「べき」の現代語用法
「~すべき…だ(べき…である)」の形で、本来は「2)当為…マサニすベシ」なのだが、単に「「為(す)る」用法ではなく、上位に関する動詞に付いて「悲しむべきか」「恐るべき子供たち」などと用いて、事実上は「1)可為…すベシ」の意味合いを成している。
3)連用形「べく」の現代語用法
「なるべくしてなった」などの「2)当為…マサニすベシ」は限られており、主に「会議に出席すべく上京した」など、「その行為の目的を表わす」用法で使われます。もちろんこれを現代語チャンポンで「出席するべく」とは致しません。

3.候文での常套句
次の読み方や意味の分からない「現代っ子」の番組製作者は難解な「べし」は忌避すべし。
可為(たるべし)
可成(なるべく)
可笑(わらうべし)
可然(しかるべし)
可有之(これあるべし)
可被下(くださるべし)
可被為下(ならせらるべし)

そもそも、このように可(べし)は本来上に来る文字ですが、その打消し「ない」での否定はどの位置にくるものでしょう。
「落語-たけのこ」
http://www.asahi-net.or.jp/~uk5t-shr/takenoko.html
「べくない」
http://kamigatarakugo-and-art.at.webry.info/2009 …
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>単純に「~したほうがいい」「~しないほうがいい」とでもいえば済むところ
なるほど、確かにその通りですね。

お礼日時:2014/08/28 11:29

「べき」は「べし」の連体形ですが、これを辞書で確認してみると、


【上代以降広く用いられている語であるが,現代語でも,やや文語的な言い方として,一部の用法がなお行われている。】という注釈があります。
http://www.excite.co.jp/dictionary/japanese/?sea …
要するに「古風」な言い方なわけで、本来、「するべき」ではなく「すべき」とすべきなのでしょう。
「~するべきか」が常用されているとはいえ、これはあくまでイレギュラーの表現であり、「する」の否定形を使った「~しないべきか」に違和感が生じるのは当然のことかもしれません。

「する」の文語である「す」の活用は、
未然形: せ
連用形: し
終止形: す
連体形: する
已然形: すれ
命令形: せよ
です。
よって、「す」の否定形は、未然形に接続する否定の助動詞「ず」の連体形を使い「せぬ」とするのが妥当ではないか、と思います。
「~するべきか、~せぬべきか」となり、やや時代がかった印象にもなりますが、そもそも「べき(べし)」自体が、そういった性格であることを思えば、やむを得ないでしょう。

要するに、「~するべきか」だけをイレギュラーとして認めはしたものの、その否定形である「~しないべきか」は、まだ市民権を得るまでに使い込まれていない、ということではないでしょうか。
心情的には、一方(否定形)だけ認めないのは可哀想という気もしますが、違和感というものは理屈じゃないので致し方ないかも。
      
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 数年前にSNSのmixiで話題になりました。

よくわからなかった記憶があります。読めますかね。
【べき の否定形】
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=59350474&comm_id=1 …

「~ないべき」は誤用だと思いますが、そのことを説明するのはむずかしいかもしれません。個人的には「使われない形」と考えています。
 むずかしい話は別として、問題はどう言いかえるかです。「べき」の否定形は「べからず」でしょうが、この場合は使えそうにありません。

「~するべきか、~しないべきか」
→1)~するべきか、~するべきではないか
→2)~するべきか、~するべきじゃないか
→3)~するべきか否か

 あたりでいかがでしょうか。個人的に2)は△です。
 詳しくは下記をご参照ください。
【「べき」「~しないべき」「べし」】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-1770. …
 以下は一部の抜粋(重言)。

1)「~ないべき」に異和感がある理由
 なんの根拠もないが、「~ないべき」は「ないです」と同じにおいがする。ってことで、例のヤツを引っ張り出す。
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-277.h …
 やはり活用も接続も違う。印象だけか(泣)。何より、日本語教師の世界では「ないです」が許容されているんだから、「~ないべき」を拒む理由もないはず。
 じゃあなんで、なんの根拠もないのに「~ないべき」に異和感がある人がこんなに多いのだろう。
「かくあるべきだ」みたいな使い方もあるな。なんで「~ないべき」はダメなんだろう。

2)命令形は「~べし」か
 これに関しては、昔『お言葉ですが…』(高島俊男)で目にした。古い読書感想文のデータを引っ張り出す。
================================
〈「べし」はどこへ行った〉(P.266~)からにはまいってしまった。「べきだ」「べきである」の場合は別だが、「やめるべき」で止まるなら「やめるべし」にするべし、というのはおっしゃるとおりだと思う。例の原稿の中に、微妙な例がいっぱいある。でもねえ。「べし」は語感が古いんだよなあ。困った。「べきだ(べきである)」の体言止めと解釈するのは無理かな。
================================
 
 いまでも同じ感覚。本来は当然「~べし」。疑う人は『あしたのジョー』を読むべし。個人的に見出しなどで使う場合は、体言止めと考えて「べき」を使う。「誤用」と責められたら謝る(笑)。
 このデータを探していて、『お言葉ですが2)「週刊文春の怪」』の記述を見つけてしまった。p.44~で「全然+肯定形」を全面的に認めている。見なかったことにしよう。
 
3)「~べきではない」と「~ないべき」の違い(~べきじゃない」には抵抗があるので、「~べきではない」にする)
 どう違うのかを誰も書いてくれない。
 たぶん「12」のコメントが説明してくれているが、この書き方では当方には理解できない。コミュの参加者は理解できているのかな。読解力高いなぁ。
 思いっきり強引に、下記のように書きかえる。

「~べきではない」
  →~するほうがいいってことではない
  →~しなければならないってことではない
「~ないべき」
  →~しないほうがいい
  →~しないければならない(意味不明。これだとやはり「~べかざる」と同じで「してはならない」の意味になりそう)

4)「~べき」の否定形は
「~べき」の否定形はフツーに考えると「~べからず」だけど、↑の辞書の[5]のあるとおり、「~べからず」は禁止の意味になる。「しない」ことを義務とするなら禁止だからね。
 それも「~べき」の否定だと思うが、「~べき」を「義務」と考えると、「義務じゃない」感じを出したくなる。それだと、やはり「~べきではない」が素直だろう。さらに言うと、「~べきではない」だって禁止のニュアンスが感じられる。それを避けるなら、やはり「~(必ず)しなければならないってことではない」とでもするしかない?

5)ハムレット曰く……
「~べきかホニャララか」という言い回しで真っ先に思い浮かぶのは、ハムレットの名台詞なんだけど、誰も出してくれないなぁ。
  To be, or not to be: that is the question.
 この前半をどう訳すか。「生きるべきか死ぬべきか」って訳が多いらしいが、意訳だろう。
 直訳するなら「生きるべきか生きざるべきか」だろう。個人的な語感では「生きるべきか生かざるべきか」なんだけど、やはり間違いなんだろうな(泣)。ウン? 文語調なんだから「生かざる」でもいいのか?
 これを「生きるべきか生きないべきか」って書いたら沙翁が怒るよ。
 で、「生きざるべき」と「生きるべきではない」(≒死ぬべき)は相当違うよね。そういうことだよ(何が?)。

6)「べき」の書きかえは?
 個人的に、「べき」のように古い語感のある言葉はできるだけ避けることにしている。
  起点のヨリ→カラ
  スラ→サエ

 できれば「ベキ」も避けたいけど、どうにも避けにくい。
「なるベクしてなった」あたりも書きかえにくい。「必然的」とかを使うのかな?

この回答への補足

回答ありがとうございます。
やはり連続させる形にしないと後に「べき」を続けることができず、違和感が生じるということのようですね。
語感の問題としてはそうですが、「べき」は物事を推奨する意味合いの言葉なので意味だけで見れば「ないべき」が使えてもおかしくはない気もしますね。

補足日時:2014/08/28 11:43
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#10です。



変換ミスの訂正です。

>上位に関する動詞に付いて
 :
情意に関する動詞に付いて
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    生きるべきか、生きないべきか、ここが思案のお(カチンと拍子木)しどころぞ(ギャハハ)


    「僕は古文が零点でした」というお笑い番組だったのですね。
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>「~するべきか」「~しないべきか」


「~するべきか」 の 対語といては 「~しない でいる べきか」 のところを 誤って 「~しないべきか」 としたものと思います。

我々も、使い慣れない気取った言葉を使うとき、 変な言葉を作ってしまう場合があります。 でも、みんながそれを使い出したら いつの間にか 日本語として動き出す場合もありますね。 おかしい感じのことばは極力使わないように気を付けたいですね。 「~しないべきか」 も手強そうです。

この回答への補足

回答ありがとうございます。

>「~するべきか」 の 対語といては 「~しない でいる べきか」 のところを 誤って 「~しないべきか」 としたものと思います。

「~するべきか」は単に今後どうするかについて述べているのに対して、「~しない でいる べきか」だと現在の状態を継続するか否かを問うニュアンスが含まれ、少し意味がずれていると思います。

補足日時:2014/08/28 11:27
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 訂正の訂正です。

無用な訂正をしました。「す」という動詞の未然形でした。(済みません m(_ _)m)
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さすがです。

ついつい、それでも意味が通ってしまうので、認めてしまいそうになります。

「べき」 は 「べし」 という助動詞の連体形。辞書を見ると、終止形 (ただしラ変の場合は連体形) につく、とあります。「しない」 の 「ない」 という否定辞は動詞ではないので、不適格です。それを無視して 「し」 だけに着目しても、これは 「する」 の連用形であって、終止形でも連体形ではありません。

「べし」 の前に来るはずの形から外れているので、日本語として正しい用法ではない、ということになります。

しかし、普通はそこまで面倒なことは考えません。思わず 「~しないべきか」 と表現してしまう人の気持ちも分かる気がしてしまいます。 (笑)

この回答への補足

回答ありがとうございます。
こうして言語は崩れ変質していくんでしょうね。

ただ「しないべき」と同様に「せざるべき」となっていてもそれはそれで違和感があります。
普通はこういう時どういう風に言うのでしょう。

補足日時:2014/08/27 22:58
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 訂正の訂正です。

無用な訂正をしました。「す」という動詞の未然形でした。
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 No.3です。

《訂正》「する」ではなく「す」というサ変動詞の連体形でした。
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