こんにちは。
集合論の本を読んでいるのですが、ベルンシュタインの定理でつまづいています…。
当然その証明がよくわからないのですが、なにより一番わからないのが、なぜこの証明が必要なのか?この定理の問題意識(問題提起)は何であったか?という点です。
と言いますのも、mとnをそれぞれ集合の濃度とすると、
m≦nかつn≦m
であれば自明のようにm=nなのではないかと思うからです。
今読んでいるのと別の本を読んでみると、「これは証明を必要とすることなのである」と書いてありますが、なぜなのかがわかりません。
どなたかこの定理が証明を必要とすることを直観的に把握できるように説明していただけないでしょうか?
そして二つ目にわからないのが証明の内容にかかわる部分です。
全体を把握していないので中途半端な質問になりますが、お願いします。
集合M,Nを用意して、
MからNの中への一対一写像(単射のことですよね?)をφ、NからMへの単射をψとします。
そしてψ∘φをΦとすると、ΦはMからMへの単射となります。
このときΦ(M)=M2とすると、「M2はMの部分集合である。またΦはMからM2の上の一対一写像(全単射のこと?)だから、MとM2は対当となる」とあります。
わからないのは2点で、「Φ(M)=M2」からなぜM2がMの部分集合と言えるのか?むしろ包含関係は逆ではないのか(Φは単射だから)という点と、ΦがMからM2への全単射であるといえるのはなぜなのかという点です。
質問は以上です。下二つに関しては、私のとんだ思い違いかもしれません。ですのでどうか最初の一つだけでも、教えていただけると幸いです。
お願いします!
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
最初の点
それは、「濃度」とか「≦」とかがどう定義されているかによって、回答が変わってくる。というわけで、ここでの「濃度」とか「≦」の定義を補足か何かに書いてください。
次
証明方針はそもかく、まず一般にfが集合Aから集合Bへの写像なら、f(A)はBの部分集合でしょう?これが分からなければ、第一に写像とかf(A)とかの定義を確認してください。で、ΦはともかくMからMへの写像で、Φ(M)=M2なのでしょう?
その次
Φ(M)=M2なのだから、ΦはMからM2への全射でしょう?これが分からないとなると、やはりΦ(M)の定義を確認してください、ということになる。それと、Φは単射だったのでしょう?
この回答への補足
ありがとうございます!
濃度概念を一つしか知らないので的外れな補足になってしまうかもれしれませんが、この質問では濃度を集合に含まれる元の数として使っています。
集合Mの濃度|M|=m、集合Nの濃度|N|=nとおいたとき、
m≧nは、「mはnより少なくない」、n≧mは「nはmより少なくない」
と定義されています。
例えばM={1,2,3}N={a,b}なら、m>nですがm≠nです。
これを無限集合も含めて一般化されたときに、m≧nかつn≧mであればm=nであること証明しているのがベルンシュタインの定理のようなのですが、これが自明なことではなくなぜ証明を必要とするのかが分からないのです。
ふつうある自然数a,bについてa≧bかつb≧aならばa=bですよね?
なぜ濃度になるとこれほど単純にはいかなくなるのかが分からないのです。
ふたつめについてですが、なるほどです!
(1)ΦはMからMの写像であるため、Φ(M)はMの部分集合。Mの部分集合であるところのΦ(M)と等しいM2は当然Mの部分集合。(2)M2はMのΦによる像のみによって構成されているから、ΦはMからM2への全射。Mの元mとΦ(m)とは一対一対応だから(ΦがMからMへの単射であることによる)、ΦはMからM2への単射でもある。だからMとM2は対当。
こういう理解でよろしいでしょうか?
しかしもう一つ疑問が出てきたのですが良いですか?
もし上の理解が正しいとすれば、同じ写像Φが終域の変化によって単射にも全射にもなりうるということでしょうか?
しかし、定義域はともかく終域が変化してしまっては、もはやそれは同じ写像と言えるのでしょうか?
関数の定義域が変われば関数そのものが変わるという議論が昔あったようですが今の話とは関係がありませんか?
質問を重ねて申し訳ありません。
どうかよろしくお願いします!
すみません見落としがありましたので再度補足します。
「≦」の定義ですが、
MからNへの中への一対一写像が存在するとき、m≦nと表し、mはnより大きくないという.
とありました!
なぜ一対一写像かというと、そうでなければ濃度の比較が不可能になるからなんでしょうかね…?TT
No.6
- 回答日時:
No5 には語弊や脱字がありましたね。
書きなおしです:追加ですが、無限集合Aについて、濃度|A|は「実数」を現すのではないことがポイントです。
(実、がぬけていました)
もし濃度が必ず実数なら、もちろん、|A|≦|B|かつ|B|≦|A|なら|A|=|B|ですが、、、。
この実数の性質が拡張できるかを、確かめる必要があります。
なお、濃度で示されるのは、集合同士が順序付けられた位置や大きさの程度、くらいに理解しておけばよいと思います(本格的な基礎論はほとんどの数学分野で必要ないです)。
No.5
- 回答日時:
追加ですが、無限集合Aについて、濃度|A|は「数」を現すのではないことがポイントです。
もし濃度が必ず実数なら、もちろん、|A|≦|B|かつ|B|≦|A|なら|A|=|B|ですが、、、。
濃度で示されるのは、集合同士の「関係」についてだけです。無限集合A、Bについて、|A|≦|B|というのは、集合Aと集合Bの関係であって、二つの実数の比較ではありません。
No.4
- 回答日時:
二つの集合の濃度が等しいってどういうことだろう? この視点が基本だと思うんです。
有限集合の時のように、ひとつひとつ対応させてきっちり同時に終わったら個数としては同じ、という直観を、無限集合まで拡大して、ふたつの集合で全単射があったら、おなじ濃度にしようとの、基本的な発想があります。
これが濃度が等しい意味の=、集合A、Bについての|A|=|B|。
それでは有限集合同士の個数の大小関係(順序関係)をどうやって定義すればいいんだろう? では質問者さんの引用されたように、集合AからBまでの単射があったら|A|≦|B|としてみようとの話しになります。
ではこうして定義した大小関係って、最初に考えた「濃度が等しい」の定義と、つじつまがあうんだろうか? 自然数でいうm≦nかつn≦mならm=nのようなつじつまが成立するんだろうか? これが成立してほしい、ならばこの直観的に成立してほしいものを、論理をとばさずに、定義から証明して確認しなければならないことになります。
ベルンシュタインの定理:AからBへの単射が存在し、BからAへの単射が存在するならば、AからBへの全単射が存在する
さらに、この定理|A|≦|B|かつ|B|≦|A|なら|A|=|B| からでてくるもののひとつは、
|A|≦|B|かつ「|A|=|B|が不成立」なら|B|≦|A|が成立しない
です。つまり、AからBへの単射があって、AからBへの全単射がないなら、BからAへの単射もないことになり、≦の単射による大小関係の定義の正しさを確認することにもなります。
No.2
- 回答日時:
先ず最初の点
まず、集合の濃度を「集合に含まれる元の数」と書いちゃうと、その「元の数」というのはどうしたら分るのか、つまり「その定義は何か」という話になります。例えば、「実数であって、かつ2x^2-3x+9のようなxのある二次多項式の根になっているもの」という集合を考えたとき、これの「元の数」というのはどのように分かりますか?もうちょっと簡単に「無理数全体」いう集合を考えたとき、それの「元の数」はどうしたら分かるでしょうか。つまり、「元の数」の定義は何ですか?無限集合も含めて考えている事を考慮してください。
その上で、改めてそういった無限集合も含めたとき、一般に集合Aと集合Bとの「元の数が等しい」とは何のことか、その定義を書いてもらえますか?因みに今さっきの「実数であって、かつ2x^2-3x+9のようなxのある二次多項式の根になっているもの」というのと、「無理数全体」というのの集合の「元の数は等しくない」です。
次の点
先ずその本で、fが AからBへの「写像である」ということの定義がどう書いてあるか補足にください。
何度も「定義は何か」と書いていますが、大学の数学はそういうものです。分からないことがあったら先ず定義を確認する。
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