
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
私がいまから記すことは、回答というよりは、回答を引き寄せる呼び水となってほしいとの願いです。
大野晋編「古典基礎語辞典(角川学芸出版)」の「おぼろけ 形動(ナリ)」から、語源的な説明の箇所を省略して引用します。すなわち、「おぼろけ」は~多くの場合が否定表現で用いられ、「おぼろ気ならず」また、「おぼろ気のものならず」などと使われて、並大抵でない、ありきたりでない、特別の、といった意味を構成する語として使われた。また、否定表現と共に使われている間に、二重の否定形などによって文意が混乱しがちになり、「おぼろけ」と「おぼろけならず」との、本来正反対であった意味の区別が不明瞭となって、肯定形「おぼろけ」のままで否定表現「おぼろけならず」と同じように、並々でない、ありきたりでないなどの意を表すようにもなった。したがって、この語だけでは文意を定めがたいことがある。~
ご質問にあった「どのようにして正反対の意味を持つようになったか」については、私的には「いつのまのにか自然と」としか申し上げられません。
次に「『おぼろけならず』から否定表現が消えてしまったのか」については「おぼろけ」が否定表現を持つようになったと考えるべきと思います。すなわち「おぼろけ」が出て来たなら、否定か肯定か意味を定めるのは、前後の文脈の流れから判断するとよいと、古典基礎語辞典では述べていると思います。
「現代ではこのような単語があるでしょうか」、類似した現象なのか自信はないのですが申します。「全然」という語は、私たちの年代とも数少し下の年代では否定表現を伴って用いていましたが、現在の30歳代以下の人たちは肯定表現または、強調の副詞的意味として用いていて、私は面食らう場面が多々ありました。
この回答へのお礼
お礼日時:2015/01/15 21:29
ありがとうございました!
とても詳しい回答で私でも納得できました
全然+肯定のように言葉の意味がいつの間にか変わったり曖昧になることもあるのですね
スッキリしました
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