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民法467条の債権譲渡についてです。

1.債務者への対抗要件
債権譲渡の対抗要件(467条1項)は
・譲渡人(=元債権者)から債務者への通知
または
・債務者の承諾
のいずれかで両方でなく片方でも満たしていれば債権譲渡がなされたということになる。
この理解は間違いないでしょうか?

2.第三者への対抗要件
債権譲渡の譲受人の第三者への対抗要件(467条2項)は
・譲受人から債権者への確定日付ある通知
を満たすこと。通知到達の先後で優劣が決まる。(同時だった場合どうするかなどは割愛)
この理解は間違いないでしょうか?

3.第三者への対抗要件の規定の必要性
このような規定は必要なのでしょうか?
通常、債権譲渡がなされる場合は債権者Aが債務者Bに、「これをCに譲渡するからよろしくね」と通知をするわけですよね?(上記1.)
もし債権者がこれを二重譲渡しようとしたらば、AがBに「これをDに譲渡するからよろしくね」と通知した時点で、Bは「え?これCに譲渡したんじゃないの?」となりませんか?
この規定はBがCへの譲渡を忘れちゃってたとか、Aが「いやいや、Cに譲渡するのはやめたんだよね」と嘘をついているケースを想定しているということなのでしょうか?

A 回答 (3件)

1.厳密に言えば半分だけ正解です。


条文を読みます。「又は」とあります。「又は」とは、どちらか一方という意味なので片方で良いということになります。
よって、
譲渡人からの債務者への通知

債務者の承諾
のいずれか片方で足ります。従って、この点は正解です。

では残りの半分はと言いますと、「債務者への対抗要件」と「債権譲渡がなされた」というのが不正解です。
正解は、
債務者その他の第三者への対抗要件

債権譲渡の対抗要件が備わる
です。

都合により順序を入れ替えて説明します。

まず、通知又は承諾は対抗要件です。債権譲渡(契約)の成立要件でも効力発生要件でもありません。債権譲渡そのものは譲渡人と譲受人との間の債権譲渡契約によって既に「なされて」います。通知又は承諾はその既に「なされた」債権譲渡を前提に対抗要件を備えるために行われる行為に過ぎません。法律を正しく理解しようというのなら効果が何であるかと要件は何であるかを常に意識しておく必要があります。通知又は承諾は債権譲渡の対抗力という効果を発生させる要件であって債権譲渡の成立又は効力発生という効果を発生させる要件ではありません。
次に通知又は承諾は、「債務者その他の第三者に対抗」と条文に書いてあるのですから、債務者だけでなく第三者一般に対する対抗要件でもあります。同条第2項は、債務者以外の第三者に対する対抗要件としては更に加えて確定日付が必要と言っているだけです。

2.これも半分正しいです。
第三者への対抗要件は譲渡人から債務者への通知又は債務者の承諾ですから通知にだけに限らず、確定日付のある債務者の承諾でも構いません。

3.必要です。必要だから存在するのです。
不動産所有権なら二重登記というものがあり得ないので(現に効力を有する)登記の有無で明確に優劣を決めることができます。ところが債権譲渡では、譲渡が二重のみならず対抗要件も二重になる可能性があります。そうすると、二重に存在する対抗要件の優劣を決める方法は絶対に必要です。その方法をどうするのが妥当かという立法論上の問題はあるにしても、方法が必要であることは間違いありません。そして民法ではその方法として確定日付のある証書による通知又は承諾を採用しただけのことです。

>Bは「え?これCに譲渡したんじゃないの?」となりませんか?
無論なり得ます。しかし、それが何だと言うのでしょう?第一譲受人と第二譲受人の優劣がそれで決められますか?決められないでしょう?もし仮に債務者の承諾が常に必要ならば二番目の通知に対して債務者が承諾しなければ良いということになります。しかし、現実の制度では通知だけで足り、承諾は必要ありません。第二譲渡の通知があればそれですでに対抗要件としては十分であり、通知に対して債務者がどう応答しようが法律効果に何の影響もありません。
つまり、
>この規定はBがCへの譲渡を忘れちゃってたとか、Aが「いやいや、Cに譲渡するのはやめたんだよね」と嘘をついているケースを想定しているということなのでしょうか?
というケースでなくても必要です。債務者の承諾が常に必要という制度でない以上は、債務者が承諾しなくても対抗要件を備えることができるのですから、債務者が二重譲渡の通知に対してどう反応しようが反応しなかろうが、対抗要件の優劣を決める制度が必要であることに変わりはありません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。非常にわかりやすかったです。
債権譲渡の要件・効果と対抗要件の要件・効果を混同していました。

お礼日時:2015/11/30 20:06

債権の譲渡人をA、譲受人をC、債務者をBとします。



1.AとCが債権譲渡契約を締結した時点で、AからCに債権は譲渡されたことになります。Bへの通知やBの承諾は、債権譲渡の効力発生要件ではありません。あくまで、CがBに対して自分が債権の譲受人であることを主張するためには、通知または承諾が必要と言うことです。両方ではなく、片方だけで良いというのはその通りです。

2.確定日付による債務者の承諾が抜けています。

3.AがDに債権を二重譲渡しようとした場合ではなくて、二重譲渡をした場合です。1で述べたとおり、通知または承諾は、債権譲渡の効力発生要件ではありません。第三者対抗要件は、CとDのどちらが譲受人として勝つかという問題ですが、Bの立場からすれば、「え?これCに譲渡したんじゃないの?」というように、二重譲渡されたことを知った場合、Bは誰に払えば良いかのかという問題になるわけです。
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1,いずれか一方で問題ありません。

債権が回収会社に譲渡される際 債務者には通知しますが その了承を得る必要はありません。
2,二重譲渡された場合の対抗要件は 基本的に確定日付のある文書です。
3,そのようなトラブルを防ぐために 対抗要件が設けられています。
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