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パレストリーナのSicut cervusをアンサンブルで練習していました。
第二部のSitivit anima mea で、途中の歌詞でfontemとあったのですが、
いくつかの楽譜を見ると多くはfortemとありました。
原典は詩篇41(42)ですからラテン語のサイトを見ても「★fortem」と
わざわざ注釈が付いています。ラテン語の印刷物を見てもfontemに
見えますがアプリで翻訳するとfortemと読めると書かれたwebsiteも
あり、混乱しています。

これについて、ご存知の方はいらっしゃいませんでしょうか。

A 回答 (1件)

どういう版の楽譜かわかりませんが、普通はfortemのはずです。

これは、古いラテン文字の解読の問題で、古くからfortemとする説とfontemとする説の両方がありました。18世紀の書物などを見ると、「fortemではなくfontem」と注釈してあるものと、逆に「fontemではなくfortem」と注釈してあるものがあります。

Ad Deum fontem (non fortem)
fortemではない
https://books.google.co.jp/books?id=UEJoAAAAcAAJ …

Et debet hic legi fortem vivum, non fontem vivum.
これはfortem vivumと読むべきで、fontem vivumではない。
https://books.google.co.jp/books?id=TChEAAAAcAAJ …

たしかに、古いラテン語の印刷をわれわれが見ても、fortemではなくfontemのように見えます。しかし、下のブログの筆者はnではなくrと解字しており、ラテン語のウルガータ聖書でもfortemとなっていることを指摘しています。
http://blogs.yahoo.co.jp/fminorop34/54035931.html

実際、オンラインのウルガータ聖書でも、fontemではなくfortemになっています(ただし、そのあとのvivumは、viventemとなっており、これがたぶん最新の解釈だと思います)。
https://www.bibelwissenschaft.de/online-bibeln/b …

fortemだと「生きた」「力強い」などの意味の形容詞になります。fontemだと「泉」「源泉」の意味の名詞になります。fontemという解釈は、おそらく、その前の節の「鹿が泉の水をもとめるように」にあたるad fontes aquarumに対応したものではないかと思いますが、ラテン語以外の聖書、ヘブライ語やギリシャ語の聖書との比較から、fortemが正しいとする解釈が一般的になったように見えます。
https://books.google.co.jp/books?id=KOphAAAAcAAJ …

無料でダウンロードできるこの曲の楽譜のPDFなどには、fontemとしてあるものがかなりあるようですが、ボランティアが楽譜制作ソフトで入力したものばかりで、そのほとんどは底本が示されていませんので、根拠がわかりません。パレストリーナが作曲の際に用いたテキストがfontemになっていた可能性も考えられなくはありませんが、自筆原稿などが見られるところがないので、そのあたりは不明です。ドイツのブライトコプフ&ヘルテル社刊の楽譜ではfortemになっています(画像)。

とりあえず、fortemにしておくのが妥当だと考えます。
「Sitivit anima meaで、f」の回答画像1
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

IMSLPにあるブライトコプフ・ウント・ヘルテルその他の楽譜、Google Booksの文献(文字はあまり良く読めていませんでしたが)とブログまでは見ていました。該ブログに掲載の活版印刷の文字を見ると、どうしてもfontemにしか見えない(ブログでも、コメント欄で他者からそのような指摘を受けて筆者が主張を変えています)ですが、活版印刷そのものが原典に比べて新しいのでその段階で間違いがあった可能性もあり、「ラテン語以外の聖書、ヘブライ語やギリシャ語の聖書との比較」というのは有力な説だと思います。
fontemで楽譜作った人は、その印刷を頼ってしまったかなあという気がします。
おまけ:羅和翻訳サイトだと、
ad deum fortem vivum:強い生ける神
ad deum fontem vivum:強い神
と出てきて、あまり違いはないのでしょう・・・

お礼日時:2016/09/02 12:09

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