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こんにちは。物理学を学んでいる者です。身の回りに答えられる人がおらず、皆さんのお知恵をお借りしたいと思います。

質問はタイトルの通りです。

実空間で適当な対称性を持つ系を考えるとき、波数空間でもその対称性は満たされるでしょうか。例えば、六方格子系のエネルギー固有値をk空間で得ると、ちゃんと六回回転対称になっていますね。これは「実空間のもつ対称性はk空間でも満たされる」というのが一般に成立するからだと考えていますが、正しいでしょうか。

ただ、六角格子系の単位胞の中の原子を異種にするなどして、対称性を3回回転対称にまで落とした場合、エネルギー固有値はk空間で6回回転対称のままですよね?確かにこの場合も、「実空間のもつ対称性はk空間でも満たされる」わけですが、今度は「k空間のもつ対称性が実空間でも満たされる」わけではないということですね。

とても不思議な気がするのですが、「実空間のもつ対称性とk空間のもつ対称性は一致しない」という理解で正しいでしょうか。

A 回答 (2件)

>えっと、これはクラマス縮退でしたっけ?


Kramas縮退はスピン部分も含めて考えた時に出てくる話ですので、ちょっと違いますね。
E(k)=E(-k)だけではk=0での縮退が出てこない事からも分かるでしょう。
※スピン部分も含めると(E(k,s)=E(-k,-s)となるので、k=0でもスピンによる縮退が残ります)


>できれば、実空間の時間反転対称性がE(k)=E(-k)を要請する証明などが載っている文献を教えていただけないでしょうか。(英語でも問題ありません)

時間反転で波数がk→-kと変わる事の証明が載っている本はすぐに思い浮かばないのですが、
状態ψ(t,x)が時間反転によってψ^*(-t,x)に変わる事を既知としてよいのなら(^*は複素共役の意味で書いています)、
波数kのBloch波動関数の複素共役をとったものが、波数-kのBloch波動関数になっている事を確認するだけです。
大雑把にいえば、exp(ik・x)の複素共役がexp(i(-k)・x)に等しい事を確認するだけの話です。


時間反転が複素共役をとる操作を含む事の証明も必要なら、
岩波の「量子力学の数学的構造」に載っていたように記憶しています。
昔の記憶の上、今は手元にないので、記憶違いかもしれませんが・・・。

Wignerの定理から言える話ですので、
https://en.wikipedia.org/wiki/Wigner%27s_theorem
に記載されている参考文献のどれかには載っているのではないかな。
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この回答へのお礼

最後までご丁寧にありがとうございました。
勉強になりました。

お礼日時:2017/06/12 14:13

時間反転対称性を持つ系を考えると、k→-kという反転に対して対称なバンドを持たなければいけません(スピンの自由度がない場合)。


お考えの系では3回対称と時間反転対称性(波数の反転の対称性)を合わせて、6回対称になっています。

>「実空間のもつ対称性とk空間のもつ対称性は一致しない」という理解で正しいでしょうか。
どちらも、3回対称などの対称操作と時間反転対称性を持っており、対称性は一致しています。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
実空間の時間反転対称性はk空間ではE(k)=E(-k)と映るのですね。えっと、これはクラマス縮退でしたっけ?

できれば、実空間の時間反転対称性がE(k)=E(-k)を要請する証明などが載っている文献を教えていただけないでしょうか。(英語でも問題ありません)

お礼日時:2017/06/12 09:06

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