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クラウンディングアウト

経済学の教科書には

IS-LM分析上、財政政策を行うことにより、金利があがり民間投資を押しのけることをさす。

とあり、

wikipediaなどには

政府が国債を発行すると、市中金利が上がり、民間投資を押しのける。

と言う説明があります。財政政策が原因なのか、国債発行が原因なのかで、ずいぶん意味合いが違ってくると思いますが、どっちの意味も含むと言う理解でいいのでしょうか?

A 回答 (2件)

>どっちの意味も含むと言う理解でいいのでしょうか?



私はこのクラウディングアウトとはどちらの意味も含むと考えていいのだと思いますよ。
要するに単純な乗数モデルと比べているのです。単純な乗数モデルでは、政府支出の増加があると、増加分の乗数(=1/(1-消費性向)
)倍だけGDPあるいは所得が増えるとしている。しかし、これは政府支出の拡大が利子率を上昇させ、それが民間投資を減少させる(間接的)影響(要するにクラウディング効果)を無視しており、それらの効果を考えると、財政支出の増加は単純乗数が想定するほどにはGDPへの影響は大きくない。財政支出の増加は増税によってファイナンスされるのであれ、国債発行によってファイナンスされるのであれ、利子率を上昇させるから民間投資を減少させるような影響を与えることでは変わりはない。ただし。前者のほうが民間投資をに与えるマイナスの効果は小さいとはいえる。(ただし、増税は消費にマイナスの影響を与えるから、GDPに与える効果では後者のほうが大きいだろう。)これらの点は簡単なISーLMモデルを考えることで確かめられたい。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。IS-LMでは国債の発行を政府の財政政策の増分と捉えるのでしょうか?

お礼日時:2017/10/02 01:40

>IS-LMでは国債の発行を政府の財政政策の増分と捉えるのでしょうか?



IS-LM分析では国債は分析には直接あらわれません。いま、政府支出が全額国債(赤字国債)で賄われたときの乗数は1/(1-限界消費性向)=1/(1-c)ですから、IS曲線は=ΔG/(1-c)だけ右にシフトする。ただし、c=限界消費性向、ΔG=政府支出の増分。一方、ΔGが増税ΔTで賄われ、ΔG=ΔTのときは均衡予算乗数=1だから、IS曲線はΔG(=ΔT)だけ右にシフトする。ΔG/(1-c) > ΔGより、IS曲線のシフトは赤字国債の場合のほうが大きく、したがって右上がりのLM曲線(シフトせず両者で同一)とシフトしたIS曲線との交点で示される均衡は、GDPの増加も利子率の上昇も、赤字国債の場合のほうが大きいことがわかるでしょう。利子率の上昇が赤字国債の場合のほうが大きいということは民間投資の減少(クラウディングアウト効果)が赤字国債のほうが大きいことを示しています。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとう御座います。

お礼日時:2017/10/02 12:41

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