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No.4ベストアンサー
- 回答日時:
補足欄拝見しました。
フーコーはね、権力というのは、一部の人間が握っているものではない、と考えた。
たとえば国家や、資本が、支配するための強制装置として、行使するものではない。
権力というのは、網の目のように遍在している。
たとえば、普遍的であるように感じられてきた「真理」や「科学」といった「近代の知」さえも権力の網の目を構成している、と考える。
さらにフーコーの発想の新しさは、人間がふたりいると、つねにそこには権力関係が成立しているとするんです。
ただし、その関係を固定したものとはとらえない。行為関係のなかに内在しているとする。
権力は主体の外部に存在して主体に押しつけられたもの、ではないんです。
そうとらえたところにフーコーの発想の新しさがあり、ユニークさがあるんです。
近代の社会というのは、主体を「権力的な主体」として形成させてゆくものである、とフーコーはとらえます。
たとえば規則というのは、規則には従わなければならない、ということを身体のレヴェルで覚えさせることにほかならない。そうすることによって、近代社会は「権力関係を承認していく主体」へと作り上げていく。
つまり、主体であるということは「権力関係の場」に入っていく、ということなんです。
わたしたちはフーコーを知ることによって、えらいことに気がつかされてしまった。
たとえば、マルクス主義華やかなりしころは、国家権力が悪くって、人民は抑圧されてて、っていう単純な二項対立で世界を眺めることができた(んじゃないか、と想像してるだけですが)。
国家権力を倒して、人民による政府をうち立てることさえできたら、すべてはうまくいく、みたいなユートピアをどこかで持つことができた。
ところがフーコーはそうじゃない、っていうんです。
ひとがひとに話す。
それだけで、すでに権力的な関係の場は成立する。
すべての文章、すべての表現に、力と欲望の政治学がはたらいている。
>権力作用を拒絶してボランティア活動をすると
権力作用を拒絶することなんて、できないんです。
国家権力の及ばない場での活動はできるかもしれないけれど、そこはそこで権力の場が成立する。
けれども、少なくともそこに権力関係がある、と認識することは、重要だと思います。
自分が言っていること、書いていることの裏には、無意識のうちに他者を支配しよう、支配に従わないものは排除しよう、とする欲望があるのではないか、と問い返すことは、すごく重要だと思います。
ハーバーマスはそこに「対話」ということを持ってくるんです。
わたしたちが、互いに相手を主体として認めあうような「対話的関係」を基盤として成り立っていることを認識するならば、合意を見出すことができる。
現実をリアルに見極めろ、というフーコーと、見極めたあとにそれでも理想を築こうとするハーバーマスって感じですよね。
うはー。すごい回答です。ありがとうございます。
参考になりました!!
いま『<ぼく>と…』を読んでいるところです。
かなり分かりやすい本ですね!
ここから先は自分で頑張ってみます。
また分からなくなったら質問を立てます!
その時もどうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました!!m(_ _)m
No.3
- 回答日時:
ひゃー、ごめんなさい。
失礼なこと言っちゃいました。“おバカ”なんかじゃないじゃないですか(汗)。
目のつけどころ、ずいぶん鋭いじゃないですか。
中山元の『〈ぼく〉と…』の第五章「他者と相互承認」以降の章は参考になるはずです。
#1の方があげていらっしゃる中岡さんの本、いい本だと思います。
あとはソキウスで『リフレクション――社会学的な感受性へ』という本が読めるんです。
http://archive.honya.co.jp/contents/knomura/ref/ …
これは第五章でG.H.ミードのコミュニケーション論からハーバーマスの公共性概念まで押さえてあるんですが、読みやすいので、最初からの通読をお勧めします。
特に第四章、権力のところはフーコーの「権力」のとらえ方を見ていくとき重要。
第六章は質問者さんがお持ちの問題意識とも関連してくるのではないかしら。
このサイトのブックガイドから、ハーバーマスの参考文献もたどっていけます。
『公共性の構造転換』はわたしは読んだことがないので、二次文献としてどんなものを読んだらいいのかちょっとわかりませんが、このサイトは参考になると思います。
ここらへん、わたしもあまり詳しいわけじゃないんですが、ハーバーマスはフーコーの権力論を批判するなかから、公共性の概念を打ち出していったんだと思うんです。
だから、当然ハーバーマスの文献を読んでいくと、フーコー批判、デリダ批判が出てくるはずです。
フーコーやデリダ、正面から取り組むとそれはそれは大変なので、とりあえずハーバーマス経由で読んでいくといいんじゃないかな、と思います。
がんばってね。
参考URL:http://archive.honya.co.jp/contents/knomura/ref/ …
この回答への補足
ボランティア活動って文字通り自発的な活動だと思っていたんですが、実は、ボランティア活動にもフーコー的な権力作用が作用していることを最近実感しました。
権力作用の及ぶ範囲内でしかボランティア活動ってできないのかなぁ。権力作用の拒絶してボランティア活動をするとイラクの日本人人質事件のようになってしまいまう。。
No.2
- 回答日時:
>お馬鹿な大学生です(;_;)
そうなんですか?
うーん……。
コマッタナー。
これ、“むずかしいのはわかりません”ってことだと理解します。
それにしてもおもしろいラインナップですね。
なんでこの三人なんでしょう。解釈学つながりかな?
意図があるんだったら、補足ください。
三人とも扱っている領域がすごく広いので(しかもフーコーとハーバーマスは広さの質が全然ちがうし)どこかにポイントを置きたいんだったら、ぜったいその方がアプローチしやすいはずです。
よくわからないので一般的なところを書きます。
まず中山元『〈ぼく〉と世界をつなぐ哲学』(ちくま新書)
これは現代にウェイトを置いた哲学史の本です。
思想家がいっぱい出てきます。
もちろん、フーコーもデリダもハーバーマスも出てきます。
とりあえずそうした人がどんなことを言っているか、というより、アイデンティティや記憶や言葉や他者というごく身近な問題に対して、現代の思想というのはどういうふうに問題を立ててアプローチしていっているのか、そうしてさまざまな思想家が、どんなふうに関連しあっているか(これは哲学を見ていくときに重要)が書いてあります。いわゆる入門書っぽいのはあんまりおもしろくないのが多いんだけど、これはおもしろいと思った。相当わかりやすいです(っていうか、この本がわからなかったらカナーリ辛いかも)。
巻末に親切な参考文献のリストも載っています。
フーコーとデリダに関しては、構造主義関連の入門書はどっさりあって、どれにもかなりの分量を割いて扱ってあるはずですから、本屋で立ち読みしながら、わかりやすいと思うのを選んでみてください(無責任な書き方でごめんね。自分があんまりここらへんの本は読んでないので、自信を持ってオススメ、というのがないのです)。
ハーバーマスは何を読もうかな。
一般的にはフランクフルト学派から入っていくのが順当だと思うんですよ。
だったら三島憲一『戦後ドイツ―その知的歴史』(岩波新書)かな。
これは哲学、というより、世界史的興味で読むことができると思います。
とりあえずはこんなあたりから。
この回答への補足
親切な回答ありがとうございます。
「公共性(公共圏)」という概念について
もっと勉強したいと思いましたので、
まずハーバーマスを読もうと思いました。
『公共性の構造転換』はちょっと難しいような気がしたので、もっと簡単な本は無いかなぁと。
それと「NPO」や「ボランティア」についても勉強したいと思っており、これとフーコー・デリダ・ハーバーマスの思想を結びつけることができないかと考えております。
No.1
- 回答日時:
有名なシリーズなのでもしかしたらご存知かもしれませ
んが、講談社の「現代思想の冒険者たち」シリーズは、
その3人を含めて分かりやすく思想を追っているシリーズ
です。全30巻、別冊1巻ですが
26巻『フーコー/知と権力』
(日常のすみずみまで浸透し、我々を拘束する権力の起源)
27巻『ハーバーマス/コミュニケーション行為』
(人間相互による、強制・支配のない対話行為への信頼)
28巻『デリダ/脱構築 』
(相手の理論構築の内部に入ってその盲点をつく「脱構築」)
こんな感じの内容です。
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