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焼入れの際,硬化能の小さい鋼(焼の入りにくい)には水による焼入れが一般的とききますが,硬化能の大きい鋼(焼の入りやすい)に油や空気ではなく,水を使うのはどうなんでしょうか?割れが発生しやすいんでしょうか?お願いします.

A 回答 (6件)

こんにちは。


簡単な説明ですが・・・。
>割れが発生しやすいんでしょうか?
まず大概、マルテンサイトの生成量が大きいからになります。
※マルテンサイト・・・主にFeとCからなる鋼の硬さを決定する組織成分
鋼は、高温でオーステナイト(面心立方格子)と言う組織になっています。これを急冷するとマルテンサイト(体心立法格子)などの組織をつくり、焼きが入った状態になり硬くなります。マルテンサイトは体積が非常に大きいので、変態時に膨張割れ、寸法の狂いを生じます。

>水を使うのはどうなんでしょうか?
簡略的な説明になりますが、
○水焼入れ
マルテンサイトを沢山生成させ、高硬度を得るためです。(水温が60度付近を超えると焼きが入らなくなります・・・水蒸気が発生しやすくなり鋼を包むので冷却能が失われます)
オーステナイト⇒焼きいれ⇒マルテンサイト
○油焼入れ
マルテンサイトを作りながら、同時に粘りがあるトールスタイトと言う組織が必要な場合に使われます。
オーステナイト⇒焼きいれ⇒トールスタイト+マルテンサイト
※トールスタイト・・・粘りのある層状の組織

先の回答者の皆様とのお話の流れを察するところ、SKDを使われると言うことですが・・・
○SKD1~3(又は1●~3●等)
3、3●とか以外は、Crが大量に入っているので、空冷で十分焼きがはいります。(これ以外の激しい冷却では危険です)
○SKD4~6(又は4●~6●)
モリブデンMo,タングステンW,バナジウムVなど硬い化合物を生成するし、炭素量が少なめですが、油焼入れで十分耐摩耗性、耐熱性がでます。

率直なお話・・・鍛造プレスしないで、素材を研削で整形して焼きいれすれば、案ずるより割れにくいと思います。前者の空冷の場合は、焼入れ温度から炉の外に出し、土間においておいても焼きが入ります。後者の油冷の場合はてんぷら油かエンジンオイルを40度に熱し、それに漬けます。

問題は1100度付近、白熱直前まで昇温させるので、コークスや閉鎖的(カマクラ状)な耐火煉瓦の炉が必要です(個人的にやってみる場合)。また、内部まで十分温度を均等に熱し、温度を維持する必要があります。
私の場合、昔取ったきねづかで、工具とかを作りますが、ハイス鋼、ダイス鋼共にクロムが入っているので、温度管理をクリアーすれば焼きが入りやすく、成功率は高いと思います。(SKD系も使いました)
問題は、質問者さんの作品のクオリティーだと思います。工業学術レベル、個人使用。また、金型、工具、刃物。(その為自信なしです)
#4.5さんのおっしゃる通り専門書を参考にしたり・・・、
現場使用で割れにくい改良鋼種(KD等)が沢山出ているので、鋼材店で相談したらいかがでしょう?(高価なものですし)
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この回答へのお礼

R-TANAKA 様ありがとうございます.
たいへん詳しく書いて頂いてありがとございます.
勉強になりました.

お礼日時:2004/09/30 11:35

加熱はなにで行ってますか


SKDになると温度管理がシビアになるので専用の熱処理炉が必要と思います
油の量は温度が上がりいように多いほうがいいです
水の場合に冷えすぎる場合は入れる薬品があったようにおもいますので、熱処理の専門書を見てください

S55CやSKならば適当にバーナであぶって冷やせばいいのですが、なぜSKDが必要なのでしょうか
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この回答へのお礼

demio様ありがとうございます.
経験のない自分にとってSKDは,難しそうです.
検討したいとおもいます.
他に何かアドバイスありましたら,よろしければお願いします.
ありがとうございました.
また,疑問におもったことを記入するとおもいます.
そのときは,よかったらアドバイスの方よろしくお願いします.

お礼日時:2004/09/29 11:49

材質はなにでしょうか


S45CかS55Cならば水でも入ります
水に食塩を1割入れるといいです
SKは油の場合が多いです。
段差部やとがっていて焼きが入らない方がいい部分は針金を巻いたりしますね
火がつくのは油の量が少ないからで完全に油の中にいれてしまえば火はつきません
焼き入れして固くなって脆いのは焼き戻しが悪いからです、

この回答への補足

demios様ありがとうございます.
材料はSKDです.
水では焼入れは無理でしょうか?
油で焼入れするには,どのくらいの量が必要でしょうか?
大きさは,手に持てるくらいの大きさです.
demio様に限らず,何か知識をお持ちの方どなたでもかまいません.お願いします.

補足日時:2004/09/29 10:43
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こんにちは。

^^
水を使うと先端と後ろの温度差が激しいですね。
(ムラが出ます)

急激に温度を変化させると鉄の性能がダウンするそうです。
白焼きと言う、硬いがモロイ、(粘りが失われる)
不良品が出来易いらしいです。

油を使うと全体的に均一に、粘りのある鋼になりようです。(粘りを出し易いのです)

後、水を使うと錆びるから。^^;

この回答への補足

seyber様ありがとうございます.
確かにそうですね.頭の中にはあっても,経験がないもので気づきませんでした.参考にさせていただきます.

補足日時:2004/09/28 16:37
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この回答へのお礼

補足にお礼を書いてしまいました・・・(笑)
seyber 様,本当にありがとうございました.

お礼日時:2004/09/28 16:47

 水の最高温度は何度なのでしょうか?



 焼入れの急冷に水が用いられるのは、100℃までしか温度が上昇しない、簡単に手に入れられる冷却材ってことではないでしょうか。

 割れの原因は、鋼の内部と外部の温度差にあるのではないでしょうか?それをクリアするための急冷ですよね。
(もちろん、不純物混入の膨張率の違いによる割れの可能性もありますよ。)

この回答への補足

physics 様ありがとうございます.
自分が焼入れしたい材料は,油焼入れが一般的らしいのですが,油は水より用意するのが困難で,焼入れの際,発火するおそれを考えていて,出来れば水でできたらと考えています.その際,急な温度変化により応力集中部(段付き部)に割れが発生する確率が高くなるのではと思いご相談しました.大きさはそんなに大きくないものなので,焼入れの際,内部と外部の温度差は小さくなると考えていて,可能かと思うのですが,やはり油が良いのでしょうか?
お願いします.

補足日時:2004/09/28 16:22
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全然自信有りませんが、そういうことなんじゃないでしょうか。



熱くしていたものを冷やすことによって収縮するのだと思いますが、急激に冷やしたときの方が収縮率が大きいのだと思います。

元々収縮率の小さいものをゆっくり冷ますとほとんど収縮せずにそのまま温度が下がるだけということになって焼き入れの効果が出ず、逆に収縮率の高いものを急激に冷ますと収縮率が大きすぎてひずみが大きくなりすぎるんじゃないでしょうか。

参考URL:http://park12.wakwak.com/~moritaka/process.html
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この回答へのお礼

Quattro99様ありがとございます.

お礼日時:2004/09/28 16:36

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