シュレーディンガーの猫の思考実験において、私は検出器(ガイガーカウンター)がα粒子を観測した時点で決まると考えています。仮にそれが否定された場合、人の観測と機械の観測で違いが生じるという結論になると思います。
この実験の方法を少し変えてみます。猫の生死ではなく、箱に爆弾を入れ検出器がα粒子を検出すればその爆弾が爆発する仕組みを作ると言うものです。検出器がα粒子を検出すれば爆発し、箱の外にいる人が爆発に気づくという実験です。これならば人が観察しようとする行為を無視できます。爆発で機械的に気づくからです。
実際にこの実験を行えば50%で時間内に爆発が起こる、または起こらない結果がでると考えられます(行ってないので疑問ですが)。この結果から言えるのは機械の検出器が観測した時にα粒子が放出されたかどうか決まるということだと思います。人が観測する行為をするのではなく、機械的に気づくということでシュレーディンガーの猫の矛盾が解決されるのではと思い質問させていただきました。
どんな回答でもいいので御意見、宜しくお願いします。
No.6
- 回答日時:
シュレーディンガーの猫の思考実験は、次のとおりです。
まず、蓋のある箱を用意して、この中に猫を一匹入れます。箱の中には猫の他に、放射性物質のラジウムを一定量と、ガイガーカウンターを1台、青酸ガスの発生装置を1台入れて置きます。
もし、箱の中にあるラジウムがアルファ粒子を出すと、これをガイガーカウンターが感知して、その先についた青酸ガスの発生装置が作動し、青酸ガスを吸った猫は死にます。
しかし、ラジウムからアルファ粒子が出なければ、青酸ガスの発生装置は作動せず、猫は生き残ります。
「一定時間経過した後、猫は生きているか死んでいるか」と言う問題です。
ラジウムは、原子番号88の元素で元素記号は Raです。安定した同位体は存在せず、天然には4種類の同位体が存在します。
ラジウムはアルファ崩壊してラドンになります。アルファ粒子は、陽子2個と中性子2個(ヘリウム4の原子核)からなります。アルファ粒子は不安定なラジウム核のアルファ崩壊にともなって放出されます。
この様に、ラジウムはアルファ崩壊して、原子番号と中性子数が2減り質量数が4減るので、ラドンとなります。
実験に使用するラジウムの全ての粒子の状態を正確に把握出来れば、実験時間内に一つでもアルファ崩壊を起こすか否か計算出来ます。その場合、猫は生きているか死んでいるか結論が導けます。それが、果たして可能なのでしょうか。
量子力学では、粒子は波として表現し計算します。
ドブロイは、物質を物質波の方程式①「λ= h/mV」(λ=波長・ h=プランク定数・m=物質の質量・V=物質の速度)と表現しました。
これについての詳細は、 ドブロイの物質波 を参照下さい。
この様に、全ての物質は波長と速度で表され計算されます。これを波動関数と言います。しかし、この「ドブロイの物質波」の方程式は、次の様な困難(=不確定性原理)を抱えています。
「不確定性原理」は、②「h/2π(パイ)m<Δx×ΔV」と表現されます。
h=プランク定数=6.629069×10^-34J*s(ジュール×秒)・π(パイ)=円周率3.141592・m=物質の質量(単位:㎏)・x=波長(単位:m)・V=速度(単位:m/秒)です。
言葉にすると、「物質の位置を正確に確定しようとすると物質の速度が不確定になり、逆に物質の速度を正確に確定しようとすると物質の位置が不確定になる」です。
この「不確定性原理」により、ラジウムの波長と速度を正確には確定出来ません。その為、量子物理学では、ラジウムのアルファ崩壊の過程を正確に計算することが出来ず、アルファ崩壊が実験時間内に一つでも起こったかについて、イエス・ノーの結論は出ません。
ただ、確率的に、ラジウムのアルファ崩壊は60%起こり40%起らなかったとしか言えません。つまり、ある現象が起こったか起こらなかったかと言う相容れない2つが重なり合った状態として結論を表現するしかありません。
冒頭に戻ります。量子力学では、アルファ崩壊が起こった確率が60%・起こらなかった確率が40%なので、実験後猫は60%死んでおり40%生きていることになります。しかし、猫が死んでいるか生きているかはお互いに相容れません。生きているか死んでいるかしかないのです。
この様に、実験に使用するラジウムの全ての粒子の波長と速度を正確に記述することが出来れば、その中で所定時間内にアルファ崩壊する粒子があるか否か計算し結論が出ます。実験後、猫は生きているか死んでいるかはっきりします。
しかし、量子力学の手法では「不確定性原理」により、ラジウム全ての粒子の波長と速度を正確に記述することが出来ず、所定時間内に実験に使用するラジウムの中の粒子がアルファ崩壊を起こすか否かは確率でしか表現出来ません。従って、猫は60%死んでおり40%生きていると言う矛盾した結論となるのです。
シュレーディンガーは、量子力学の確率的表現を巨視的に見ると矛盾に陥ることを「シュレーディンガーの猫」の思考実験で表現しました。
詳細は、下記のホームページを参照下さい。
http://catbirdtt.web.fc2.com/syuredelinnganoneko …
No.5
- 回答日時:
シュレディンガーらが確立した量子力学は電子の存在確率で表したものです。
物理学を確率で表現するのを最も嫌ったのはA.アインシュタイン博士でした。シュレディンガーの猫はシュレディンガーの量子力学の功績に嫉妬した学者たちへの反論です。嫉妬した学者たちはシュレディンガーの猫を論破できませんでした。エントロピー増大原理にイチャモン付けたのはあの電磁場の大家マクスウエルでした。一度拡散したガス分子を片側通行するように悪魔が蓋の開閉をすればまた元のようにガスは集まるというものです。マクスウエルの悪魔と呼ばれていましたが、みんなでやっつけられました。No.4
- 回答日時:
シュレーディンガーの猫の話は、猫の生死(あるいは、今回では爆発でしょうか)に関心がいってしまいがちですが、本質は観測問題と言われるものです。
さらっと『検出器が観測』と書かれていますが、実際には検出器の検出する一部分が観測するのであって検出器全体が観測するというのではなく、検出する一部分も細かく見ればその一部分で何らかの相互作用をする部分が~という話になります。これを逆に考えれば、猫(あるいは爆弾)の入っている箱自体が『検出器』であり、それらの実験道具の置かれている建物が『検出器』であり、その建物のある地球自体が『検出器』である(例えば隣の銀河から宇宙人が観測していたら)、という話になってしまうということで、収束とは一体どこで起こっているのかという話になるのです。
なるほど、確かに私は検出器の仕組みは知らないのでピンポイントでどこで波速が収束したかはわかりません。ですが、検出器が爆弾のスイッチを入れるまでの検出器内のどこかで収束してると思うのです。実際にこの実験をすればやはり一定時間内に50%の確率で箱は爆発するはずです。もし爆発しなければそれはそれで大問題ですが。そこで言えるのは少なくとも実験者が箱を開けるなどして観測をしなくても、機械の検出器などによる検出器が観測(α粒子に観測に値する量の変化を与える)した時に収束が起こっていると言えると思うのです。どうでしょうか。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
『50%の確率で死ぬ猫』ではなく『半分死んでいて、半分生きている猫』もしくは『生と死を同時に行なっている猫』のことです。
「そんな猫が存在するわけがない」と言うのがシュレーディンガーの思考実験です。
質問の条件だと確かに『爆発していて爆発していない』ことの違和感は観測者が観測できますが、観測すると言うのがそもそもシュレーディンガーの猫の箱の蓋を開けている状態に等しいです。
機械が検出を行うのは粒子が放射された時ですが、『放射していて放射していない粒子』を機械がどう判定するでしょうか?
それこそがこのパラドックスなのです。
つまり、私もよく分かりません。
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