
以前、朝日新聞に、イチローが最多安打新記録を出したときに、一面に「イチロー冗舌」なる見出しが載っており、さらに本文にも「~普段は口数の少ない天才打者を冗舌にさせたのかもしれない~」…と、『冗舌』という漢字を使っていました。
asahi.comにも、やはり http://www.asahi.com/sports/bb/TKY200410020294.h … の記事にあるように『冗舌』という漢字を使ってます。
『じょうぜつ』って『饒舌』ですよね?『冗舌』は間違いではないのでしょうか?
広辞苑などで調べてもやはり『饒舌』でしたし、ネットの辞典で調べても『冗舌』という漢字ではヒットしませんでした。
それとも、今では平易な漢字表記が許されてるか何かで、『冗舌』もアリ…なのでしょうか?
だとしても、饒→冗 というのは意味も全然違うと思うし、なんだか納得がいかないのですが…
妙に気になったので質問させていただきます。
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
>饒→冗 というのは意味も全然違うと思うし、納得がいかないが・・・
*ご参考になりそうな一件があります・・・以下。
饒舌も冗舌もお隣の中国で<も>使用されている熟語です。こちらが本家さまであるのは間違いが無さそうです。そこで中国語ではどんな意味があるのか調べてみました。"饒"と"冗"と"舌"の字体は約2000年前には、ほぼ確定・成立しています。
まず、
*饒:rao2:ラオ。(中国語文字 → 発音記号 → 読み)
喋る。話す。十分食べる。一杯である。満ち足りて多い。おまけする。余分に~をする。豊富で足りる。恵まれている。益するところが多い。附け添える。許容する。寛容。巻き込む。
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*冗:rong3:ロン。
無駄。余計。有り余る。繁雑。繁忙。煩わしい。うるさい。閑散としている。
ご覧のように、"饒"がどちらかといえば褒め言葉、"冗"が貶し言葉の雰囲気があります。簡潔にいうと"饒"が+指向、"冗"が-指向。中国での文字用法はこの褒め/貶しの分別をしながら熟語作成、使用法が慣例化する例が多いです。現代中国語は故人が残した言葉の集大成ともいえます。そして、現代でも"饒舌"も"冗舌"も使用されています。"饒"も"冗"も他の熟語が有ります。(一部は日本語にもなっていると思います)。
饒舌:口数が多い。(単に多く喋る の語感)。
饒富:豊かである。
饒命:命を許す。
饒人:人を許す。
饒田:肥沃な田。
饒頭:おまけ。お添え。
饒益:あり余っている。
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冗舌:口数が多い。(多く喋られて煩わしい 語感)。
冗筆:無駄な筆づかい。
冗費:無駄な出費。
冗官:無用の役人。
冗冗:煩わしく多いさま。
冗食:いたずらに禄を食(は)む。
冗員:余計な無駄な人員。
冗長:くどくどしく長い。
冗職:無駄な官職。
こんな感覚で使用しています。中国の習慣用法が日本でも即通用するとは考えられませんが、元の意味を把握しながら用法を使い分ければより的確な言葉遣いが可能になるんではないでしょうか。特に文学文やリポート文など作成するときは語源の意味が活きてきますね。
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日本の辞書類を検索すると饒舌が圧倒的ですね。こちらが先に移入された熟語だからだと思います。のちに、すでに使われていた冗長から冗舌なる言葉が派生して饒舌と混用された、が真相ではないでしょうか(私見)。だから、冗舌は間違いだとは言い切れないと思います。
新聞見出しだけの一行「イチロー冗舌」を中国の慣例に倣って解釈すると「あの普段は無口な天才イチローがうるさいくらいにお喋りをした、きっと余程嬉しかったに違いない(だからこそニュースになる)」と取れます。饒舌だと単に「・・・イチローがお喋りをした、普段と同じだ(ニュースにもならん、面白くない)」ですね。もしも編集委員が使い分けを知った上で書いたのなら流石と言えます(笑)。
総括、
日本では、饒舌が先に使用され始め、後日になって冗舌をも使用するようになった。そして、すでに混同されて使用されている過度期である。言葉は生きている、いずれ定着する。と言ったところでしょうか(^^♪。入試問題はどちらが正解なのでしょうかね?文部省も頭が痛いので出題しないかもですね(^_-)-☆
No.6
- 回答日時:
おはようございます。
漢和辞典よると、「饒舌」の「饒」には、「おおい」「にぎわう」「ゆたか」の意味があります。
これは「口数が多い」という「饒舌」の意味を裏付けています。
また、国語辞典によれば、「饒」には「あり余るという意味がある」という説明があります。
一方、「冗談」「冗長」などで使われる「冗」には、「むだ」「あまる」「みだれる」という意味があり、「冗談」は元々「無駄口」の意味であるところから、やはり「むだ」の意味で使われ、「冗長」の「冗」は「むだ」「あまる」の両方の意味で使われていることが推測できます。しかし、現在使われている意味では「冗談」の「冗」は「みだれる」という意味合いも含んでいるのでは、という推測も成り立ちます。
なぜ、「饒舌」が「冗舌」と表現されるようになったかを考えてみますと、単なる当て字とも取れますが、「じょう」の発音を持った漢字は非常に多く、中には「冗」よりも簡単な漢字もあります。
私の推測では、「冗」が「饒」と同じように「あまる」という共通の意味を持っているので、「冗舌」としたときにあまり不自然に感じないことから、代替表記として使われるようになったものではないかと思います。
さらに「饒」は非常用漢字であるのに対して、「冗」は「小学校では習わない常用漢字」に入っています。
それも「冗」で代用した理由のひとつではないでしょうか。
ちなみに、No.5さんの回答にある1981年という年は、内閣告示によって現在の常用漢字が定められた年です。
No.5
- 回答日時:
手持ちの国語辞典(広辞苑も含めて4冊)を確認したところ、1冊だけ“「饒舌」の表記として「冗舌」とも書く”となっていました。
(三省堂『新明解国語辞典』)←これは、なるべく現代に即した語彙を載せることが編集方針らしいので、正確には「饒舌」ですが、表記としては、「冗舌」もある程度認知されているものと思われます。また、『朝日新聞の用語の手びき』の用字用語の頁に言い換えとして「饒舌」→「冗舌」と書かれています。これは、1981年発行のものなので、新聞用語としては、昔から使われていたものと思われます。
結論としては、憶測ですが、「饒」の字が新聞で使用できる常用漢字?に入っていないために、原則としては「じょう舌」と表記すべきところですが、「冗舌」でも意味的には近いという印象を持たれるので、この表記を使っているもの思われます。
No.4
- 回答日時:
たしかにおっしゃるとおりです。
新聞で「冗舌」とする理由を推測すれば、
「饒」が「常用漢字」でなく、紙面で用いることができない漢字であることが第一でしょう。特に見出しでは「じょう舌」とするわけにもルビを振るわけにもいかないという困った事情があります。
そこで「冗長」という「言葉を重ねる」意味の使い方も存在する「冗」をあて字として用いることが定着したのではないでしょうか。もちろん常用漢字です。
ちなみに、私はかな漢字変換にATOK15(一太郎付属)を使っていますが、「饒舌」「冗舌」ともに変換候補にあがっています。「冗舌」はすでにある程度市民権を得た表記法であるようです。
No.1
- 回答日時:
参考URLによると「冗舌とも書く」だそうです。
もしかしたら誤記したものが、
平易版として定着してしまったのでは?(^^;
参考URL:http://dictionary.msn.co.jp/result.aspx?j=&keywo …
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