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今、電験の勉強をしているのですが分からない問題があったので解き方と答えを教えてください。

定格出力600MW、速度調停率5%のタービン発電機と、定格出力120MW、速度調停率3%の水車発電機が60Hzの電力系統に接続され、いずれも定格負荷、定格周波数で並列運転中に、負荷の脱落によって、タービン発電機の出力が480MWになった。このとき、系統の周波数f(Hz)と水車発電機の出力P(kW)を求めよ。ただし、調速機のガバナ特性は直線とする。

どうぞよろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

「調停率」というのは、「比例制御」の「比例定数」と考えればよいのです。



「速度調停率5%のタービン発電機」では、定格出力(発電量)で定格速度 60Hz で運転し、部分出力では「少し速め」の速度で制御し、「出力ゼロ」では「+5%」(= 60 * 1.05 = 63 Hz)となるように制御します。
(実際には、「速度」を基準にして「発電機出力」の方を制御します)

数式で書けば、速度(周波数)f に対して、発電量 Ps を
 [ (600(MW) - Ps)/600(MW) ] * 0.05 = (f - 60)/60
のように制御します。この「0.05」が「速度調停率 5%」ということです。
式を整理すれば
 1 - Ps/600 = (f/60 - 1)/0.05
→ Ps/600 = 1 - (f/60 - 1)/0.05
→ Ps = 600(MW) * [ 1 - (f/60 - 1)/0.05 ]    ①
ということで、実際には「蒸気流量」あるいは「蒸気弁」の開度を
  Fs = 1 - (f/60 - 1)/0.05
で 0~1(0~100%)に調節するということです。

具体的な数値をあてはめると
f = 60 (Hz) のとき Ps = 600(MW)
f = 61 (Hz) のとき Ps = 400(MW)
f = 62 (Hz) のとき Ps = 200(MW)
f = 63 (Hz) のとき Ps = 0(MW)
となります。

これは「電力系統がどれだけの負荷を持っているのか、どれだけの電力を必要としているのか」を直接知ることができないので、それを「周波数」で間接的に知るということです。
・周波数が下がったということは、「負荷が重い」「たくさんの電力が必要だ」ということでタービンにたくさんの蒸気を供給する。
・周波数が上がったということは、「負荷が軽い」「電力はそれほど必要ない」ということでタービン蒸気を絞る。
という制御をするのです。
(本当は、系統周波数が 60Hz 未満になったら、「蒸気流量」を 100% 以上に上げたいのですが、残念ながらそれはできません。その場合には「待機していた火力発電所を稼働させる」ということになります)

その「速度(周波数)」と「発電機出力」の比例定数を「速度調停率」と呼びます。

水車発電機の場合も同じです。こちらは「速度調停率」が 3% (=0.03) なので、①式に対して
 Pw = 120(MW) * [ 1 - (f/60 - 1)/0.03 ]   ②
 Fw = 1 - (f/60 - 1)/0.03
で水車の水量を制御するということです。

具体的には
f = 60 (Hz) のとき Pw = 120(MW)、Fw = 1 (=100%)
f = 60.9 (Hz) のとき Ps = 600(MW)、Fw = 0.5 (=50%)
f = 61 (Hz) のとき Ps = 533(MW)、Fw = 0.44 (=44%)
f = 61.8 (Hz) のとき Pw = 0(MW)、Fw = 0 (=0%)
となります。

これが分かれば問題が解けます。

>負荷の脱落によって、タービン発電機の出力が480MWになった

タービン発電機の出力は 480/600 = 80% になったということなので、負荷減少分は 20% で、そのときの系統周波数は
 f = 60(Hz) + 3(Hz) * 0.2 = 60.6 (Hz)
です。

そのときの水車発電機の出力は、②式から
 Pw = 120(MW) * [ 1 - (60.6/60 - 1)/0.03 ] = 80 (MW)
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この回答へのお礼

詳しく教えてくださりありがとうございます。
このように考え解いていくのですね とても参考になりました。

お礼日時:2018/06/24 18:29

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