閲覧ありがとうございます。
昔、アメリカで有色人種に差別が法的に認められていたと思うのですが、
その理由は一体何だったのでしょうか?
学校で近代のヨーロッパで、ヨーロッパ型の社会が正しい社会の在り方であり、
それ以外は未熟な文明だとされて、
アフリカを中心に有色人種が搾取されてきたことを学びました。
彼らは労働力として、奴隷として、白人から扱いを受けてきたわけですが、
奴隷制が廃止されてからも差別が続いたのは、
結局有色人種が未文明出身の血を引いているために、
西洋人よりも劣った立場の人間だと考えられていたからなのでしょうか?
また、その差別の一例として、
参政権が与えられなかった(文盲テストをクリアできなかった)多くの有色人種は
経済的に無能だと考えられていたのでしょうか?
つまり、昔日本で普通選挙実施前に、直接国税を何円収めたかで選挙権が与えられていたように、
黒人の参政権の有無には経済的格差は絡んでいたのでしょうか?
最後に、キング牧師などのアフリカ系アメリカ人たちは
米国国内における有色人種の地位の確立や格差の撤廃を求めて、
公民権運動を起こしたわけですが、
この運動は、非文明的国家出身の先祖を持つ劣った人間とみなす白人社会や、
有色人種への差別を法的に認めていたアメリカ社会秩序への対抗、
という解釈の仕方は誤っていますか?
米国での有色人種差別について、私が今持っている解釈の仕方が
正しい(正誤を決められるものではないのかもしれませんが)のかどうか、
論理的に筋が通るのか、などを見ていただきたいです。
質問の羅列になりましたが、答えていただけるとありがたいです。
No.1
- 回答日時:
それには宗教の考え方が強く関係していると学校で習いました。
(宗教社会学)現在の紛争もまだ「宗教戦争」(考え方や価値観の違い)だと。
「人がいて、生活や社会の中に宗教がある」という感じの日本人には馴染みが薄いですが、外国では原理主義に近い程、「宗教があって、それに基づいて社会や生活がある」という価値観で生きているので、それが行きすぎると偏見や差別を生み、アングロサクソ至上主義みたいな社会構造も作り出したようです。
それは現在も色濃く残っており、宗教が悪いと言うと語弊があるとは思いますが、影響や遠因は否定できないだろうと指摘されていたのを思い出したので、参考にしてください!
No.2
- 回答日時:
中世~近代までの黒人差別に関してはまさに宗教による黒人を人間扱いする必要がないという部分から来てますし、黒は悪魔などの象徴でもありましたから。
きっかけはまさに宗教。
しかしそれらが定着し文化にまでなった経緯は経済的な理由、要するに奴隷貿易の莫大な利益でしょう。
また現代のアフリカを見てもお分かりなように黒人の気質などが発展の妨げにもなりやすく搾取される側からの脱却が600年以上もかかった訳です、その脱却も黒人による黒人のための改革が起きたとまでは言えず、現代のポピュリズムの蔓延によるところが大きいです。
アメリカに関しては欧州からそのままの流れで黒人奴隷によるプランテーションなどが盛んでありましたが、奴隷解放運動によって法的には奴隷から脱却し人権を与えられました。
ただ最近の差別には多様な理由があるかと。
例えば犯罪率の高さや貧困層に黒人が多い(貧困になる理由も黒人の資質か?差別があるからか?と賛否両論)就学率も定職率も黒人は軒並み低い。
犯罪率がとても高い黒人を嫌悪したり警戒するのも差別なのか?など様々な論争があります。
根幹は宗教です。
No.3
- 回答日時:
昔、アメリカで有色人種に差別が法的に認められていたと思うのですが、
その理由は一体何だったのでしょうか?
↑
当初、黒人は人間ではない、と信じられて
きました。
その後、人間と動物の中間に属する亜人間だ
ということになり、更にその後は
人間だが劣った人間だ、という評価になりました。
米国の差別は、この劣った人間だから、というのが
その根拠です。
ルーズベルトは、アジア人について
次のような発言をしています。
「インド系、あるいはユーラシア系とアジア人種を、さらには
ヨーロッパ人とアジア人種を交配させ、
それによって立派な文明をこの地に生み出していく。
ただ日本人は除外し、もとの島々に隔離して衰えさせる」
当時は、人種差別は当然のことだったのです。
多くの有色人種は
経済的に無能だと考えられていたのでしょうか?
つまり、昔日本で普通選挙実施前に、直接国税を何円収めたかで
選挙権が与えられていたように、
黒人の参政権の有無には経済的格差は絡んでいたのでしょうか?
↑
当時の有色人種は、奴隷ないし、それに近い存在
でしたから、当然に経済格差はあったでしょう。
ただ、差別の根拠は人種であったとされています。
この運動は、非文明的国家出身の先祖を持つ劣った人間とみなす白人社会や、
有色人種への差別を法的に認めていたアメリカ社会秩序への対抗、
という解釈の仕方は誤っていますか?
↑
合っているのではないですか。
第二次大戦で米国勝利への貢献により、黒人の社会的地位が
高まり、公民権運動に発達した訳です。
ちなみに、女性の地位向上をうたうウーマンリブも
戦争勝利への貢献が原因となっています。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
人種差別の基本
・古代では民族が違い、価値観が違えば「人間と見なさない」ものだった。今でもイスラム教徒が平気でテロができるのは「イスラム教徒じゃなければ人間としての価値がない」「イスラム教でも違う宗派なら生かしておく価値がないから」で、古代ではこれが普通だった
・奴隷は人種間の差別問題もあるが、それ以上に「市民として価値がある人」と「価値がない人」の差のほうが大きかった。だから古代から中世では借金で奴隷になる人もいたし、同じ人種同じ宗教でも奴隷に落ちぶれる可能性は高かった。
・古代から中世のヨーロッパにはローマ時代から移住した黒人も多くいて、黒人だからという人種差別は特になかった、それは同じ人種でも価値観が違えば差別される時代であったからだといえる。
・黒人差別というか有色人種に対して白人が優越感を抱くようになったのは、大航海時代、特にトリデシャス条約以降「白人が世界を支配する」という考えになり、露骨に植民地政策を遂行するようになってからだと言われている
アメリカの人種差別の特異性
アメリカの奴隷制はイギリスからの入植がはじまってすぐに開始されていますが、所有者の中には少数ですが黒人も含まれていた、と記録が残っています。ですから奴隷制時代の初期はむしろ人種差別というより、ヨーロッパと同様「奴隷の境遇になる人と市民として生活できる人の経済的・境遇的格差」のほうが大きかったといえます。
しかし、時代が下るにしたがって奴隷は黒人だけになり、一方所有者は少数の黒人を含むとはいえ白人がほとんどになっていきます。この過程において「奴隷=黒人」という定義が出来上がり、少数の黒人奴隷所有者は「黒人奴隷に味方して、逃亡を手助けしたりしない」という白人に対しての道義的義務を負うようになっていきました。そのため奴隷側は黒人所有者のほうをより恐れた、という記録もあります。
またアメリカの奴隷制は西部開拓に従って、徐々に南部や中西部にその中心を移していきます。
この時の記録では奴隷は住み慣れた北部から移動することを嫌い、暴動などを頻繁に起こすようになったようです。
北部は工業化によって奴隷そのものが減り、またヨーロッパとの通信も盛んだった北部はヨーロッパの奴隷廃止の流れを受けてだんだんに奴隷制度に批判的になります。ヨーロッパは18世紀中にはほとんどの国で奴隷制を廃止していきます。
この摩擦が南北戦争をよびます。南北戦争で北軍が勝つことによって、戦時中に出されたリンカーン大統領による奴隷制度廃止宣言は恒常的な政策となっていきます。
しかし、南部ではそう簡単に奴隷制を廃止することはできませんでした。なぜなら奴隷を解放すればそれだけ治安が悪くなること、また黒人を使ったプランテーションの経営には賃金の安い黒人を大量に必要としたからです。
そのため中西部から南部の奴隷が多く所有されていた州では、奴隷を解放したものの分離政策を実施します。黒人たちの仕事や給料を限定することで、事実上奴隷所有と同等の経済性を維持しようとしたからです。
これが結果として黒人たちを2級市民に落とし込み、かえって白人たちの憎悪と蔑みの感情を増幅させた部分があります。
>奴隷制が廃止されてからも差別が続いたのは、結局有色人種が未文明出身の血を引いているために、西洋人よりも劣った立場の人間だと考えられていたからなのでしょうか?
むしろ奴隷制の時代は人種的に劣るという考えは少数であったといえます。それはヨーロッパの奴隷制を見ても明らかで、アメリカでも少数ですが黒人の奴隷所有者も居たことから「人種で差別した」というのは初期にはいえないでしょう。
また、奴隷制は白人と黒人を分離していますので、差別というより黒人=奴隷という厳然とした区別だったといえます。
これが差別になったのはむしろ奴隷解放後で、黒人と白人を分離することで「黒人を白人よりも劣った市民」と見なすようになってからでしょう。奴隷解放令で「白人も黒人もおなじ個人」になったのに、それを分離して「お前は劣っている」と見なして差別していったのです。
そしてこの概念を現代まで固定化したのが悪名高き「ジム・クロウ法」です。この法律によって白人が一級の人種、有色人種はアジア人も含めて二級人種という概念を作り、各州の分離政策を合法化していったのです。
差別はむしろ「黒人=奴隷」という区別がなくなり「啓蒙思想的には同じ人間なのに、なぜ差別していいの?」という疑問に答える形で差別が先鋭化していったと考えるほうが妥当であると思います。
その証左のひとつが「ミンストレル・ショー」であるといえます。ミンストレル・ショーというのは初期は白人が顔を黒く塗って「黒人の間抜けさ」を面白おかしく見せるショーであり、奴隷解放後は黒人自体が主体となって上演されるようになっていったもので、現代では「黒人差別の主要なもの」と見なされています。
このミンストレル・ショーが行われるようになったのは1830年代からと言われており、最初は幕間の小さなものだったのが、のちにこれだけで公演されるようになっていったものです。
1830年代はヨーロッパで奴隷制廃止が盛んになっていたころで、アメリカでも北部は1804年までに奴隷制を全廃していますので、奴隷制度存続に危機感をもった南部の白人たちが「黒人は以下に愚かであるか」という揶揄をこめてはじめたものであると言っていいでしょう。「白人と黒人が平等になるかもしれない」という恐れがむしろ強烈な差別感情を引き起こしたと考えるほうが妥当なのです。
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