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光の吸収によって半導体の伝導率が増加することを、光伝導といいますよね。 この現象を数式から何とか導きたいのですが、何か良い方法がありましたら教えていただけないでしょうか?

A 回答 (2件)

半導体や固体物性に関する基礎的知識はお持ちのものとして説明いたします。

(逆に言えば、これらの知識がないと光伝導の理解はまず無理ということです)


伝導帯  ━━━━━●━

          ↑励起

価電子帯 ━━━━━○━


対象としている物質内での、伝導帯と価電子帯間での電子の遷移について考えてみます。

その物質内での自由電子の密度をn、正孔の密度をpとします。自由電子は正孔と結合して消滅しますが、同時に熱的な励起がありますから、最終的には消滅と熱的励起がつり合って自由電子密度や正孔密度は一定となります。その時(熱平衡時)の自由電子密度をn_0、正孔密度をp_0とします。

もし光を当てたり外部から電子を注入したりしてnやpの値をn_0やp_0から変化させると、生じた余分の自由電子・正孔はやがて互いに再結合し、熱平衡に至ろう(戻ろう)とします。
この場合自由電子の寿命をτ_n、正孔のそれをτ_pとすると、自由電子および正孔の密度の時間変化の式として
d(n-n_0)/dt = -(n-n_0)/τ_n   (1a)
d(p-p_0)/dt = -(p-p_0)/τ_p   (1b)
が得られます。平衡値からのずれが一定の時定数で減っていくことを示す式です。
さて今度はこの物質に光を当ててみましょう。光を当てたことで価電子帯の電子が励起され自由電子と正孔が生成し続けます。光を当てたことで単位時間・単位体積に発生する自由電子-正孔対の数をgとすると、(1a)(1b)式は
d(n-n_0)/dt = g -(n-n_0)/τ_n   (2a)
d(p-p_0)/dt = g -(p-p_0)/τ_p   (2b)
と書き改められます。生成する分が右辺に加わっています。

簡単のため光の強度が時間的に変化しない、すなわちgは一定であるとします。
光を当て続け十分長い時間が経過し、系が定常状態に至ったとすると時間微分の項は0と置けます。この時(2a)(2b)は
0 = g -(n-n_0)/τ_n   (3a)
0 = g -(p-p_0)/τ_p   (3b)
となります。これより直ちに
(n-n_0) = g τ_n   (4a)
(p-p_0) = g τ_p   (4b)
を得ます。自由電子や正孔の密度の(熱平衡値からの)増分は、自由電子-正孔対の生成レートに比例することを示しています。あるいは光を当てた場合は、当てない場合に比べn・pとも増えた状態で定常になっていると言ってもよいです。

これで導けたも同然ですが、念のため最後まで書いておきます。
半導体の導電率σは
σ= q(n μ_n + p μ_p)   (5)
です。qは電荷素量、μ_n・μ_pはそれぞれ自由電子・正孔の易動度(移動度)です。光を当てたことでnやpが大きくなれば、それに応じてσが大きくなりますからこれで光伝導を説明できたことになります。
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この回答へのお礼

非常に詳しい回答ありがとうございました。
自分では気がつかなかった点など、詳しく説明してくださってるので助かります。

お礼日時:2004/10/30 17:57

実際に電流をかけてみてその抵抗値から法則を割り出せるのではないでしょうか?

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