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逆行列を表現する方法として余因子とか小行列、そして行列式(det(A))を材料とする方法があると思います。最近文献を読んでいて出てきたものに、

(A^(-1))j,i = 1/det(A) x ∂det(A)/∂Ai,j

というものがありました。余因子(cofactor)が∂det(A)/∂Aijとなるというものです。2x2の[[a,b],[c,d]]で調べてみたら合ってるのですね。短くて割と覚えやすいですが、今まで見たことがありませんでした。このような表現って標準的なテキストに載っているものでしょうか。
教養の数学で線形代数と解析学は2つの柱なので線形代数に偏微分を使うというのを避けるようにしたからなのでしょうか。この表現になじみがありません。この式は恒等式と考えていいのでしょうか。

その文献には”あまりこの表現にfamiliarじゃないでしょ?”とか付け加えてもありましたが。
よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

あなたの書いた式①は恒等式です。


(A^(-1))j,i = 1/det(A) ×∂det(A)/∂Ai,j__①
しかし、この式に関しては、二つの注意事項があります。
第一は、この式はAの逆行列ではありません。これはAの逆行列の転置行列です。
転置は添え字iとjを逆にするので、正しい逆行列は、式①の両辺をそれぞれ転置した式②となります。
(A^(-1))i,j = 1/det(A) ×∂det(A)/∂Aj,i__②
第二は、この表現はあまりfamiliarじゃないのは事実だが、それなりに理由があります。
あなたの言う通り線形代数に偏微分を使うのを避けたのです。
以下、行列Aのij成分は、普通の教科書では慣習的に小文字aijを使うのが決りなので、小文字を使った式を書く。(そういう本では余因子に大文字を使うことがある。)
例えば1次式z=ax+byの係数aとbを呼ぶのに、偏微分を使って∂z/∂xと∂z/∂yいうよりも、xとyの係数と言う方が理解が容易だということです。
行列式には余因子展開cofactor expansionという公式(定理)があります。行列式はその一つの行(または列)の成分の一次式に書くことができるという定理です。これは行列式の理論ではよく知られた定理です。
第i行の成分ai1,ai2,・・・,ainを使った1次式に書くと、Aの行列式detAは式③となります。
detA= ai1Ci1+ ai2Ci2+・・・+ainCin__③
この式で、aijの係数となっているCijをaijの余因子といいます。
式③の両辺をaijで偏微分すると式④になります。
∂det(A)/∂aij = Cij__④
④の左辺は、式①の右辺にある∂det(A)/∂Ai,jと同じものです。これを偏微分で定義するよりも、通常は、余因子展開③のaijの余因子Cijと呼んだ方がわかりやすいということです。実際にAの行列成分から計算するときも、結局、下記の余因子の計算方法を使うことになり偏微分ではできないので、偏微分を使うメリットは余り大きくない。しかし、偏微分が余因子だという認識は、覚えにくい公式を覚えるのに、節目をつけて助けになる効果はある。Aの逆行列A^(-1)を求める手順は4段階が必要で、おぼえにくい。その4段階を書くと
(1)行列式|A|のi行とj列を除去した小行列式Mijを計算する。
(2) Mijに符号(-1)^(i+j)を掛けると余因子Cij=(-1)^(i+j)✕ Mijが得られ、これを成分とする余因子行列C=(Cij)が得られる。
(3)余因子行列Cを転置して、転置行列CT=(Cji)をつくる。
(4) CTをΔ=|A|=detAで割ると、Aの逆行列A^(-1)= CT / detAが得られる。
式①は(3)の工程を忘れていたことになるのかも知れない。
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この回答へのお礼

懇篤な回答ありがとうございます。この表式はあった方がいいんじゃないかと思うんです。覚えやすいからですが。世の中には大学の講義のための補助テキスト類も数多く出版されており、ポップ調の色付けになったりしています。教えることがゆるぎなく決まっているのであれば、あとは教え方の問題なのだからそのような編集方針も理解できますが、だいたいどの本も同じことが書いてあり、今回のような解説はないなあと思っています。しかし、一方、大御所のもの(佐武一郎、斎藤正彦、岩堀長慶とか)にも出ていないように思います。出てますかね。

お礼日時:2018/10/15 13:50

面白いですが、特段覚えやすく無いし、


具体的な計算は大変そう。
#結局余因子の別表現?

ひょっとすると何かの応用に使えるかも知れないので
頭の片隅にしまい込むレベルかな?
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
覚えやすいことは覚えやすいと思うんですけどね。
”逆行列の(j,i)成分は行列式を(i,j)成分で偏微分して、行列式で除したものになる。”ということですね。1行で書けるということです。計算は難しいでしょうね。言うは易く行うは難しということですが。
常にそうなるのかな?という点が未だに疑問ですが。

お礼日時:2018/10/12 09:07

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