2重スリットへ向けて電子銃から電子を個別に発射すると背景に縞模様が出現する有名な実験ですが,つぎの疑問に対しての解説が,どうしても見つかりません.
(1)電子銃の方向について
電子を発射する方向ですが,どちらかのスリットへ向けて交互に発射するのか,2重スリットの中央に向けてなのか,色々な方向にランダムに発射するのか,もしくは,発射方向という概念はないのか,という疑問です.
(2)観測問題について
実験の途中から電子がどちらのスリットを通過するのか観測し始めた瞬間に量子性が消滅する,との説明をよく見るのですが,観測を始める以前に現れていた縞模様も消えてしまうのか,観測以降の分について縞模様が現れないのか,さらに,逆に途中で観測を止めた場合は,観測を止めた以降にのみ縞模様が出現するのか,観測中止以前の分の縞模様も突然出現するのか,という疑問です.
自分で実験したいのですが,それは無理そうなので,宜しくご教授お願いします.
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
(1)
両スリットの中間に向けて発射します。
どちらかに偏ると2つのスリットが等価でなくなり実験の意味が失われます。
(2)
ここはあまり具体的事象を追究しない方がよいです。
相対論もそうですが、量子力学は「こうなっていると仮定すると現象をうまく説明できる」という理論であり、
「実際に物事はそうなっている」ということではありません。
だいたい量子とは何か、その実態からして分かっていないのです。(だからひも理論などが提唱される)
要するに量子性とは一つは「確率」です。
ここにある電子はスリットAを通過した電子かもしれないしスリットBを通過した電子かもしれない。
しかしそれはそこにある電子を見ても確定できない。
だから「両方のスリットを50%の確率で通過した」という言い方になるわけです。
しかし実際にはどちらかのスリットを必ず100%の確率で通過しています。
実際の電子が幽霊のように2つに分かれることはありません。
なので、実際にスリットを通過するところを見れば「スリットBを通過した」としか言えなくなり確率からなる量子性は失われることになります。
もっと平たく言えば「ここにある電子」を中心に見た言い方か「スリットを通過している電子」に着目した言い方かということです。
量子性が消えたからと言って干渉縞もなくなるということではありません。
繰り返しますが、あくまでも「こうなっているとすると現象をうまく説明できる」という言葉の問題にすぎません。
(なお「うまく」ということばをもう少し厳密に言うと「普遍的かつ合理的に」となります)
ご回答,ありがとうございます.
(1)と(2)の疑問共に,納得できる回答ですっきりしました.
「こうなっていると仮定すると現象をうまく説明できる」とのこと,良く分かりました.量子力学の解釈がそのような状況の中,量子コンピューターに取り組んでいる人のことを考えると頭が下がります.
万人が納得できる説明が可能となるような日が,いつかは来るのかな?難しそうな気がしますね.
ありがとうございました.
No.4
- 回答日時:
量子論は確率だとか、実際はスリットのどちらかを通っているとか、全然違いますよ。
それは、古典論の頭で量子論を考えた、100年前の討議です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%9A …
をまず見て感覚を。
素粒子の本質で言えば、すべては波ってことですね。励起したエネルギーが粒のようにふるまうのが、粒子であるが、その実態は波。
世の中に、マクロな物質を、細かく砕いたイメージの粒は存在しない、って考えると
・ 2重スリットも
・ 対生成や、対消滅も
・ 弱い力で、素粒子が別の素粒子に変化するのも
・ 素粒子の種類に、規則性や対称性があるのも
理解できると思います。粒が、どちらかを通っているのだが、都合よく考えるために、確率で処理している・・・と考える限り、永遠に新しい概念にはたどり着けません。
ご回答,ありがとうございます.
ご指摘のURLを見ましたが,イヤイヤ,理解するにはハードルが高そうです.
ですが,じっくり考えて,何とか理解したいと思っております.
ありがとうございました.
No.3
- 回答日時:
本当は自分で実験しないと、『他人が言う正しいという話』を聞くだけになってしまうんですよね。
仕方ないとはいえ・・。(2)はその通りです。遅延選択実験と呼ばれるものの挙動は面白いですよ。
電子も、左右のスリットのどちらか、あるいは両方を通って、後ろのスクリーンに~と言われますが、実際に実験すればどちらも通らずにスクリーンに到達しない電子も居たりするわけで、まぁノーカン(ノーカウント)ってことなのでしょうけどね。
(偉そうなことを書いてますが、実験したことは無いですw)
ご回答,ありがとうございます.
「遅延選択実験」ですか.初めて聞きました.知らないことだらけで,早速調べてみます.
ありがとうございました.
No.1
- 回答日時:
(1)右を狙っても左を狙っても同様の結果が出るので実験の目的からいうとどちらでも良いのです。
ただし二重スリットは近接していた方が干渉縞がくっきりと出るそうです。同様に電子銃とスリットの距離も遠いほうが干渉縞が濃く出る(密度高く出る)そうです。(2)実験は一度に一個の電子を照射し、一定時間(微小時間でも良い)を空けて、同じ照射を繰り返します。この実験開始前には干渉縞は無く、実験を継続すると(時間に比例して)くっきりと干渉縞が現れます。途中でやめても薄い干渉縞は残りますが、一回だけの照射では干渉縞は観測できません。
早速のご返事,ありがとうございます.
(1)について,「実験の目的からいうとどちらでも良い」とのこと,なるほど納得です.「電子の位置は確率論的に広がっている」という量子論の解釈からすると,おそらく,スリットの中央を狙った場合でも干渉縞はできるのでしょうね.本当に量子論って理解不能です.
(2)への回答もありがとうございます.ただ,(2)に関してはまだ,もやもや感が抜けません.観測した瞬間に量子性が消える,という点がなかなか理解できないところでして,もう少し考えてみます.
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