
今、高分子の撥水性について勉強しています。
特にシリコーンゴムの撥水性について興味があるのですが、よく、シリコーンゴムの撥水性は側鎖のメチル基によると参考書に書いていますが、具体的にどういう意味ですか?
シリコーンゴムの撥水性は極性基(メチル基?)の反転、再配向により低下すると書いてあるのですが、これも具体的にどういう意味か分かりません。教えてください。
シリコーンゴムの撥水性が高いのはメチル基の表面張力が低いからであると参考書に書いてあったので、メチル基より表面張力の低いフルオロメチル基(CF3)が付与された、トリフルオロプロピル基(CF3-CH2-CH2)を側鎖に持つフルオロシリコーンゴムの撥水性はシリコーンゴムより高くなると予想して、実際に撥水性を測定してみたら、逆に低くなってしまいました。
この原因がなぜか分かる方いますか?
別の参考書に極性基の反転あるいは再配向により表面張力があまり低くないCH2が表面に配向する場合があると書いてあったのですが、これが原因なのでしょうか?
A 回答 (1件)
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No.1
- 回答日時:
材料の濡れ性を示す「撥水性←→親水性」という概念(「疎水性(親油性)←→親水性」ではない)は,その材料の表面に水滴を乗せた時の接触角が基準になっており,その接触角は材料の表面エネルギーによって記述されます。
ですので,材質と表面エネルギーとの相関を議論するのがよろしいでしょう。表面エネルギーの起源は,多くの場合,分子間の凝集エネルギーです。例えば,高分子の分子間に水素結合がなく,炭素鎖の折れ曲がりが少なくて分極が小さく,π電子雲などもないといった場合,分子間のファンデルワールス力は非常に低くなり,その結果,表面エネルギーも低くなります。「表面が水で濡れること=水で覆って低エネルギー化を図ること」ですので,このような低エネルギー表面の材料は,撥水性を示します。
また撥水性は,材料表面のフラクタル構造によって著しく強調されることも知られています。直感的に言えば,界面に空気がかみ込む影響です。空気のかみ込む影響は,Wenzel の式という式によって記述されます。例えば,蓮の葉の撥水性はこの Wenzel のモードによる撥水性ですね。
> フルオロメチル基(CF3)が付与された、トリフルオロプロピル基(CF3-CH2-CH2)を側鎖に持つフルオロシリコーンゴムの撥水性は低くなってしまいました。
AFM 等で表面形状を見てみないと詳しいことはいえません。分子レベルで平滑な表面でないと,一般に比較は困難です。もしフルオロシリコーンゴムの表面の平滑性が悪ければ,CF3 の配向は低いということになり,それが表面エネルギー増加の原因になっているのでしょう。また,両者とも非常にラフな表面だった場合は,Wenzel のモードによる撥水性が出ているかもしれません。
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