最近、混合診療の解禁について報道されています。
その是非について賛否両論のようですが、そもそも「混合診療の解禁」がよく理解できません。
現在も、健康保険の適用できる診療と適用外のものについては、適用できるものは適用して、適用でないものは全額負担で行われていると思います。
あくまで素人の想像ですが、現状は、例えば差額ベッド代のかかる個室に入院して診療を受ける場合、診療に関しては保険がきく治療や薬は適用になり、保険のきかない治療や薬、個室の費用は全額負担になると思っています。
それで間違いないのでしょうか?
それは「混合診療」ではないのでしょうか?
「混合診療の解禁」とは具体的にどのような状況なのでしょうか?
どなたか「保険がきく」「保険がきかない」といったやさしい言葉で分かりやすく教えてください。
できましたら、何がどう問題になるのかも教えていただけたら幸いです。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
お尋ねのようです。前の方が詳しく解説頂いたので、出てくるまでもないですが、概ね再度のご質問で仰ってる通りです。
特に、外国で認可されている薬の場合、治療法がないような死に至るや大変な苦痛を伴うとか寝たきりになるような病気では、患者さんはまさにワラにもすがる思いです。
なので、外国で使えて日本で使えないのは・・・という気持ちは大変よく判ります。
当然ためしてみたいという事はあるでしょう。
しかし現行制度では、それをためす事により、今まで、保険で賄えてた部分も全部ダメになってしまうのです。
これは、未確立の治療というのは、その薬の問題だけではなくて、その薬を使うことにより必要になる治療全てが実験的な物になるので、保険のあり方、「万人に確立された治療を公平に与える」という事にならないからです。
そして、最大の問題は、本来有効な物なら早く認可して万人が保険で使えるようにするのがあるべき姿なのに、これをおざなりにして、混合して使える部分を採り入れる事でごまかそうとしてる事です。
ゾロ新(既に使われている薬の有効性に関係ない一部分をちょっとだけいじって新しい薬に仕立てた物)はさっさと認可されて、本当に新しく開発された薬はなかなか認可がおりず使えないというふざけた状況に手を付けずにこういう小手先のやり方だけでは結局患者の負担を増やすだけです。
こんにちは。
とっても分かりやすい説明をいただきまして、まことにありがとうございます。
完全に自分が現状を誤って認識していたことが分かりました。認可されていないことを試すことによって治療全体が認可されないものとみなされてしまうということ、大変よく理解できました。
保険のあり方(理想)も理解できますが、新薬や新しい治療を試すことによって負担する費用が莫大なものになってしまうことも考えさせられました。
認可されること(範囲)と、認可までの早さが問われているんですね。
大変よく分かりました。ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
ある患者さんが、今まで保険が適応される治療を受けてきましたが、効果を高めたいと考え、保険適応外の治療も受けたとします。
この時に、従来からの保険適応の治療も並行して行いたいと思っても、現在の仕組みでは、保険適応外の治療を行ったということで、保険適応範囲内の治療に関しても、保険適応ができなくなり、すべてが自己負担になってしまいます。
よって、高額の負担が患者にのしかかります。
混合治療というのは、たとえ保険適応外の治療を行ったとしても、その治療と並行して行われる保険適応が認められている治療に関しては、保険を認めようということだと思いますよ。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
どうも、現行について自分の認識が違っていたようです。きちんと理解してから改めてお礼を申し上げたいと思いますので、すみませんが、ご了承ください。
ご回答ありがとうございました。
まず、現状に驚きました。私の認識は、現状が「混合医療の解禁状態」でした。
なので、「混合診療の解禁」は無条件に歓迎されるかと思いきや、さらに懸念すべきことが… 深いですね。
患者が自由に治療を選べて経済的にも負担の少ないというかたちが理想ですよね。考えさせられました。
No.1
- 回答日時:
こんにちは。
まず今の保険診療の仕組みですが、差額ベッドや個室料といった物は関係ありません。
全て患者さんの負担になってます。
次に、保険診療についてですが、保険が効く薬や処置、診察などについては、全て保険適用になり、保険が効かない薬や処置が入ると、その診療行為全てにおいて保険が効かなくなり、全額患者負担となるというものです。
何でこんな面倒な事をするのかというと、「有効であると判っている治療であれば、誰でも低料金で受ける事が出来るようにして、お金のあるなしで治療の差別を受けないようにする」という建前です。
ですので、まだ保険認可のおりてない治療に関しては、有効性が判ってない、ある意味実験的治療なので、番人に公平に与えてしまう訳にはいかないという事です。
今、この制度の問題点として、混合診療導入の理由とされている内容は、「外国では認可されている薬が、日本では保険がおりてないので使うと治療全部が自己負担になってしまう」という事です。
これには大きな問題が隠れています。
一つは、「本当に有効な事が判っている薬ならば、保険認可をして、その薬が誰でも保険で使えるようにする」のが本来の保険診療のあり方です。
しかし、日本の保険認可は外国の薬については、非常に時間がかかり、それに比べて「ゾロ新」と呼ばれる新薬はすぐ認可されるなど、薬事行政その物のあり方が大変おかしいのです。
もう一つの問題は、保険で使えない薬と保険で使える薬を両方使った場合、保険も使えるし、ダメなやつだけを自費にする事で、現状より患者負担が減る、という一見大変便利な内容ですが、今までの医療行政のやり方を見てると、間違えなく、今まで保険で使えていた物を保険を保険から外す方向にいく事は間違えありません。
つまり、保険診療自体の取り崩しを目的にしたものです。
過去、検査項目の丸めとか言って、「要らない検査をさせない為に」という理由で、検査を項目数で保険の扱いを決めてしまって、「何項目以上はやっても保険請求できない」という仕組みにしたり、入院の給食は健康でも食事するのだから、自己負担などと言ってやりましたが、入院給食は、病気や患者さんの状態に合わせて処方される薬のような物です。
糖尿病食、腎臓病食などが有名ですが、こういう物さえ自己負担にしてきました。
こういう流れの中でのお話ですから、要するに目的は医療費を行政が負担するのをやめるのが目的と言わざるを得ません。
これが導入されれば、徐々に保険診療項目を減らし、行政は医療保険からは完全に撤退して、民間保険会社がそれをやる、アメリカ型の診療形態になるでしょう。
民間の保険に加入できない低所得者は医療から締め出される結果になります。
この回答への補足
こんにちは。
詳しいご回答ありがとうございます。
現行の保険診療ですが、お答えいただいた「保険が効く薬や処置、診察などについては、全て保険適用になり、保険が効かない薬や処置が入ると、その診療行為全てにおいて保険が効かなくなり、全額患者負担となるというもの」
というのは、つまり、Aという治療だけを受け、B、Cという保険のきく薬のみを使う場合、ABCの全てに保険が適用になるが、そこにDという保険のきかない薬(治療)を加えると、ABCDすべてが保険適用外となり、患者はABCD全て十割負担をしなければならないということでしょうか。
医療の現場はよく分かりませんが、例えば、ややこしい病気で長期治療されている方などは、国内では認可されていないけれど個人輸入してでも使いたい薬を希望されることもあると思います。そのようなとき、その薬だけが保険外となるのでなく、その薬を使用することで、今までやってきて、これからも続けるであろう保険のきいていた治療や薬も保険から外れて十割負担しなければならなくなるというのが、現在の状況と理解していいのですか。
重ねてお礼を申し上げます。
現行の理解に時間がかかってしまいました^^; 解禁にともなって考慮される問題点についても分かりやすくご説明いただきましてありがとうございます。
現在適用になっているものが外れることが予想されるとは驚きです。制度を更新することによって内容が後退するなんて考えられないことです。
制度の見直しをされている方は想像力を持たない、やっかいな病気になったことも無い、経済的にも恵まれた方々なのでしょうか…。
人口の何割を新しい制度で守るか、試算しているのかいないのか…。
より身近な問題と再認識しました。どうもありがとうございました。
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