同じ側の手足が前に出る動作を空手では基本として教えているそうですが、
これによりどんなメリットがありますか?
力をためるという回答をいただきましたが、これはどういう意味でしょうか?
半身になると逆突き前蹴りが繰り出しやすいからでしょうか。
一般人には意味がよく飲み込めていません。
どなたか教えてくださいませんか。
http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=1161869
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
Gです. runbiniさん、こんにちは! ごめんなさい、質問してください、と言いながらもっと早く来れなくて。
まず、空手を話すときに、話す相手によって、大きく二つのグループに分けないと話が全く通じない事になる可能性があります。 どちらのグループが偉い・すごいとかいう物ではなく、理解と実力の下地が全く違うからなんですね。
つまりスポーツ・競技としての空手と何でもありの護身術・武道の空手の違いです。
例えば武道として「空手に先手なし」と非常に奥の深い(深くなければならない)言葉でも、スポーツとして「先手必勝」が重要視されるのとは180度違った考えになっていますね。
さてご質問の順突きですが、やり方としては当然ながら3つあります。 つまり、
1)前足は前足のままにして前の手で突くのと
2)後ろ足を前に持ってきて後ろにあった手で突く
3)足は前方に動かさずに(止まっているかサイドに動かしたり、前足を後方に移動させることもこれに含まれています)、相手が来るタイミングを掴んで前の手で突く
やり方ですね。 1)の前足を更に出す方法にOpen-closeと言って前足を先に出し後ろ足は次に行くべき場所に移すものと、逆にclose-openと呼ばれるまず後ろ足を前足近くに持ってきて支柱とし前足を繰り出しながら前の手で突く。と言う大きく分けて二つがあります。
2)と3)は分かりますね。
ではメリットです(あくまでも逆突きと比較して)
スポーツ:
1)の場合で前の手で突くわけですから、同じ側の足も前にあるため、前の手から相手までの距離が短い、よって、「先の先」の観念の「先手」の不意打ちがやりやすくなるので得点に結びつく
2)の場合、単に体が前進する事によって作られる1)と違い、腰や肩も前進するために惰性力を高めることができる。
3) 足が動かないので体自体は大きく動かない為に相手の動きに合わせ腕だけでも反応する事ができる。
では何でもありの武道から見た利点(つまり習う理由)とはどうかというと、
1)と2)の場合どうしても飛び込む形になってしまいます。 武道では、これはその動きに物理的にも精神的にも「固着」が起きる為、一瞬の「隙」を作ってしまう事になります(openning created by physical and mental commitment)。
この「弱点」を重要視した「首里手」と言う、空手流派のまだ名前がついていなかった頃の三つのスタイルは「瞬発力」を発達させたわけです。 これが今の松濤館であり、その流祖の船越義珍(ぎちん)師が道場訓のひとつとしてあげている「空手に先手なし」の観念の大きなひとつの意味あいになるわけです。
ここに武道としての「矛盾とも言える真実」が現れている証拠のひとつでもあるわけです。 お分かりでしょうか。 つまり、瞬発力を重要視する為に「先に手を出しちゃいけないよ」と言っているわけが。 道場訓とは自分に言い聞かせながら自分を訓練させる教えでなければならないのです。
それを、表面だけの理解として、「喧嘩は売るものではない」とか「先に手を出した者が悪い」とかじゃ「もったいない」と言う事になるわけです。
だからこそ、3)の相手の動きを見ていかに敏速にそして正確に「一撃必殺」を作り出す事ができるかが可能にできる自分を作り上げる訓練道具となり、それに名前を付けて「技」と呼んでいるわけです。 使うための技ではなく、それを使って自分を向上させるための技、と言う意味になるわけです。 訓練方法とも言えるわけですね。 そして体系付けられたわけですから一種のトレーニングシステムであるわけです。
だから、このトレーニングシステムをシステムと言う言葉がなかった頃でしたから、「道」と言う単語を使ったわけです。 その作り上げられた道を歩んで、川と言う壁をわたるために作ったくれてある橋をただ渡るだけでなく、橋の構造、材質、強度、またそれなりの弱点を習いながら、今回の質問にある「順突き・追い突き」と言う橋の意味合いを知り、自分を向上させていくわけですね。 それが橋ではなく、ただの石ころかもしれません。 でも、その石がどう自分のために何を教えてくれるのだろうか、と他の人に言われなくても自分でそれを自分のために考えることができ(考える姿勢があり)、更に使えるようにするのが「教える立場の者」の責任でもあるわけです。 しかし、このような観念を教えられていなければ、次の世代の「先生」になれる土台がないということにもなるわけです。 なければ教えられない、と言う悪循環が重なるわけです。
だからこそ、弟子が聞く事が必要となり、その疑問点を聞く事で弟子の能力を判断し、それに基づいて答えを与えるのが先生だと言うことなるわけですね。 しかし、「その石は何々ができる」と答えを「あげる」のではなく、「右手で持ってごらん、そして、一度地面の落として今度は左手で持ってごらん。 もし、その石を持ち替えると言う動作をしているのがお前の命を狙っている者であったら、お前はいつ順突きを使ってその相手を殺し自分の命を守る?」という「答え」が返ってくる「教え」もなくてはならないのです。 そして、「逆に自分が石を持ち替える立場であったら、その3秒の動きの中でいつどのようにして順突きを使ってくる相手から自分を守る?」と言う考えさせる為の「答え」も当然なくてはならないわけですね。 言い意味での禅問答であるわけです。
これらを「漠然と見える、しかし意味のある」教え方をしたものの中で代表的なものが「五輪書」がそのひとつと言える物なんですね。 教えているよう出足得ていない、でもよく読めば「武道の観念」が見えてきてその文章がどのように自分のために使えるか、と言うことが分かるわけです。 だからこそ、武道を言葉で表現した「五輪書」がBook of Five Ringsの名前で世界中にビジネス聖書として読まれているわけです。 しかも、意味が分かる様に英語に訳されているので、販売されている全てのBook of Five Ringsの英文が武蔵の書いたものではなく、翻訳者の解釈が表現されてしまう為、数種のBooks of Five Ringsを持っている人が多いわけです。
思考力を持つ唯一の動物として生まれてきた人間が、その思考力をどのようにして最大限に伸ばし使えるようにしない武道などありえない、と言うことになるわけです。 遠回りのように見えるのは初心者がそう思うだけの事であり、流派と言ういろいろな道をしっかり歩む事が結局は最大限の実力をつけられるように作った物であり、実力は単なる人生の副産物である、と言う結論が出るわけです。
だから数年あれをやりその後数年これをやりでは、実力に繋がらない、と言うことになるわけです。 スポーツの空手であればこれでもいいわけです。 また年を取れば試合に参加する事もできなくなくなるわけです。 でも、白帯の時に、先生がしっかりこの訓練観念を教えておけば必然的にひとつの流派を辞めるわけにはいかなくなるわけです。 だからこそ、洗脳とも言われる起訴ができてからの黄帯に昇級する事がいかに大変だと言う事にもなるわけで、黒帯のなる前の白帯をつける「初段補」の重要性が理解でき、看板に書いてある流派や種類で何を習うのかを決めるのではなく、その道を第一歩からしっかり歩んできたからこそ、技から観念を教えられる先生を選ぶ事が必要となるわけです。
一撃で人を殺す事ができて始めて、人の命の大切さが分かると言うわけですね。 だからこそ喧嘩はしない、と言うことになり、茶帯が最後の「喧嘩許容資格」と言う事になるわけです。
自分の全てをだすことの有意義さが体で身につくわけです。 晴だけではなく、曇り、雨、雪、嵐の存在に人生の美しさを感じる事ができるようになり、自然に「自然の力」の中の自分の実力のなさを感じ、死ぬまで「自分を磨く武道」の精神が少しずつ作り上げられていくわけです。 だからこそ、武道は学業にも仕事にも使えるということであるし、毎日使える物でなくては武道といえるものではない、と言う考えが理解できるようになりましたか? 打ったり蹴ったりする事が武道の全てではないからこそ、人を傷つけるだけのための「打撃術」を14歳になるまで(例外は除いて)は教えないと言う昔なりの考えを私の道場では実行しているわけです。 ほかに教える事はたくさんありすぎますね。 <g>
忘れていました。 力をためると言う事のひとつとして、物理的に瞬発力・破壊力を発揮させる為の物、と言う事と、実力を出すまで出さない、と言う意味があります。 始めのは1)と2)ですね。 3)で後の方を訓練できるわけです。
一応ここで終えておきますが、さあっと思ったまま書いてしまったので、分かりにくい点があると思います。そうであれば、また、補足質問してください。
この回答への補足
毎日繰り返して読んでいて遅くなりました。
> だからこそ、武道は学業にも仕事にも使えるということであるし、毎日使える物でなくては武道といえるものではない、と言う考えが理解できるようになりましたか?
はい。重みのある言葉をありがとうございます。おっしゃる事が呑み込めました。
「空手に先手なし」に知り合い達もすぐ反応してくれました。うち空手をやっていた人にはGanbatteruyoさんの言葉を簡単で易しい日本語にして伝えたいと思いますが、ものすごく難しいので断念しました。
お越しくださってありがとうございます!松涛二十訓を久々に聞きました。二、空手に先手無し。ですね。回答の内容が濃いので今日はGanbatteruyoさんの回答を印刷して持ち歩き、考えてみたいと思います。わからない事があれば補足させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
No.6
- 回答日時:
Gです。
剛柔流(那覇手の流れ)の方の言葉を聞き、3段くらいになれば分かる様になる、だからそうなる様の弟子を白帯から育てている方だ、と思います。
前にも書いたように、武道は読んで分かる様になるのではなく、これが分かっている先生にいちから体全部で教えてもらう事で弟子がいつか「教えの副産物として体の一部となり」、だからこそ、次の世代を育て上げる事ができるわけですね。 しかし、読むことで違った姿勢で武道を見ることができるはずだと信じています。 それがよき指導者を見つけられることに導けば嬉しいです。
そして、「私の弟子でない限り押し付けて教える事はできない」と言う表現を私がしたわけです。
頑固教師の次の世代を夢見るうわごとを書かせてもらいました。
(TOKIOのガチンコシリーズの「導師」達の気持ちが次の指導者への夢を追いかける気持ちと行動は納得できる以上のものがあります。)
知り合いは私に「オマエには100年早いわい」と言いたかったと思います。武道に限らず、人を育てている側の方々の想いに触れることができたのがこの質問の大きな収穫でした。三度ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
Gです。
締め切っていなかったのでまた書きたくなりました。<g>「空手に先手なし」を英語に表現させると、その人の英語だけでなく、武道の理解がはっきり分かります。 なぜならこの日本語の表現が「手を先に出してはいけない」と言う理解だけでは武道の道場訓としては使えない、もったいない、と言うことになるからです。
この言葉は、他の道場訓と同じように、教わる技の全てと密着しているからです。 那覇手のがっしりした立ち方や糸東流の猫足や鷺立ちにもつながっているし、もちろん逆尽きにも使っているわけですし、一本背負い投げ、脇固め、裏投げなど、投げ技にも繋がります。 ですから、いろいろな関節技にももちろん繋がっています。
何でもありの伝統空手がなぜ使えるようにすることができるか、つまり、実際に使う技が道場訓というものが道場訓としてかかれているわけです。
残念ながら私にとっては、この理解が薄れてしまった現在の武道と言われるものの価値が非常に少なくなったのも大きな理由ともなっていると信じるわけです。
だからこそ、先手無しを英語に直すと、日本語を英語に直しただけなのか、意味のある理解をしているのかがはっきり表現されてしまうわけです。
礼に始まり礼に終わる、とそのひとつですね。 「礼」の持つ深い理解があればこれまた英語の表現に訳した時にはっきり分かるわけで、礼儀は大切だ、だけじゃ、道場訓として「もったいない」というわけですね。
武蔵の五輪書でも、水の巻(自己向上の巻とも言える巻)で「5方の構えについて」という項目がありますが、構えには五つののやり方があり、いずれの構えも構えと思わずきる事と思うべし、と記しています。 五つの構えの技があるけど構える方法だと理解して練習しただけではいけない、あくまでも人を切れるようになるためのもの。としています。 この中に「上段の構え」があります。 この上段の構えにはっきりと「先手なし」の観念を記しています。
名前のついた技とはそれをどのようにやることでできるように練習するのではなく(つまり、動きを覚える~~~~ーつまり試験のために覚えるのではなく)刀を使えるようになるための意思的・無意識的な理解でなくてはならない、と言うことを言っているわけです。
だからこそ、ビジネスマンでも五輪書がいかに使える物を教えているかを読み取れるわけです。 アメリカでベストセラーになった理由がここにあるわけです。 リーダーシップを身につける様になれる教えでもあるし、英語を使えるようになれる勉強の仕方のバイブルともなれるわけです。
相手のフィーリングを相手の「先手」によって確実に掴み取る事ができるようになるわけです。 空手でも相手が順突きで出てきた、と言う表面の理解ではなく、その動きの持つたくさんの隠し切れないフィーリングをつかみとる事で物的なまた心理的な弱点を見出す事ができるわけです。 それには順突きという「技」を先生がどのようにして空手を教える道具にしているかによって、順突きの意味が使える物となるわけです。
だからこそ、一撃必殺は黒帯になるまでに確実にできるようになり、相手が拳銃であろうとナイフであろうと武器を持っていても自分の身を守れる物が身につくわけです。
少しでも空手の言う総合武道の理解に役立たせていただけたら嬉しいです。
では、またの機会に
ポイントを差し上げる方を迷っていたらまた書いてくださってありがとうございました!実は松濤館をやっていた人はすでに英語で「in karate you don´t must strike before your opponent.」と書いてくれていたんです(英語圏の人ではない)。「空手家は打ち技で始めるな、受け技か体捌きを使う方が良い」とか普段の生活に応用せよとか「組み手を始めるとき、礼の後、闘いの自由構えをする前に下段払いと言う受け技をしないといけない」とかメールで教えてくれました。「おしいっ」というところか儀式のように教えが残っているのか私にはわかりません。剛柔流の方の人は、Ganbatteruyoさんの書いてくださったことは身体で理解しないと、読んだだけでは3段くらいでも解らない高度なことだとのことでした。五輪書は読みたいのですが種類がありすぎて困っています。彼いわく、読んでも私にはわからないよと。順突き一つとっても空手は奥深いのですね。
No.3
- 回答日時:
>力をためるという回答をいただきましたが、これはどういう意味でしょうか?
半身引いた分、腰、上半身、背筋、腕、が回せるので威力が増すのです。
後ろに引き、回せば更に威力は増します。
一歩飛ぶように突っ込み、後ろに引き、振り回し、相手を貫通するぐらい拳を送り込めば一撃必殺になるのです。
実際はこうは行かず、ばれるので速度重視で
「起こり」(引き)を見せず手数で勝負でしょうか?
No.2
- 回答日時:
素朴な質問ですよね。
簡単に言えば半身に構えるのは攻撃され難くする為。(正面向くより攻撃面積が少なくなりますよね)
と成ると左手が前手(左手が前に来る形)にきます。一番攻撃が早いのは前手です。
先手必勝!!左手で受け手から逆突きでは遅く2挙動!!左足の前蹴りも重心移動して蹴るので2挙動!右足も踏込みを入れると2挙動。「踏込みと同時に順突き=1挙動」で
相手に察知され難く基本となります。
当然!利き手ではないし腰も入り難いのですが感覚的に言えば体重を乗せながら突きを行う。
昔の空手家は巻き藁を突くにしろ左手から始めたり左手の数を多し鍛錬したそうです。
今以上に前手を重要視していたのです。
先の質問で足と腕が同時に出る「なんば歩き」が出ていましたがあれは着物を着ていると西洋的な左右対称な動きでは着崩れする(身体的捩れにより)為にあのような歩き方になったそうです。
各分野でアスリートが見直し始めている見たいですね。
空手で言えば左構えから右順突きも同じではないかと思います。
腰が入り体重も乗りやすいま間合いも盗み易い。ただ!モーションが大きくなりやすので察知され易い動きかもしれませんが膝の抜きかたなど練習すれば素早く動けますよ。
一長一短にはいきませんが…
はい、素朴~な疑問です。こんな事も知らなければ空手家とお友達になれない位の。
> 今以上に前手を重要視していたのです。
そうなんですか。利き手ではない方でボールを投げることすらしたことがないのです。空手家の話を読んでいると自分が自由に生きていない(人間として備わった能力を活用しないまま生きている)なと思ってしまいます。
No.1
- 回答日時:
空手はの基本の構えは半身ですよね。
ここでは右利きの人の場合について説明します。右利きの方であれば左足を前に出し、正面から45度程度に構えます。その左足を前に出した状態から左手で突きを出すことを順突きですよね。
メリットが有る無いの問題ではなく、左手で攻撃したかったら順突きするしかないってことで、その動きを練習しているんだと思います。
> メリットが有る無いの問題ではなく、左手で攻撃したかったら順突きするしかない
そういうことなんですね。この場合、逆突きするより順突きする方がパワーはないですが素早そうですね。空手の本を読んでいると組手の時の描写がたくさん出てきます。また、ちょっとした知り合いが空手の話をしてくれます。こんなに基本的なことでも知っていると知らないとでは飲み込みが大違いです。
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