電子にスピン磁気Momがある事は、Stern、Gerlachの実験で証明されたという。
銀を加熱して蒸発させ、銀原子Beamを取出し、それに不均一磁場をかける事によりBeamが2つに分離したという。これはAgの (5s1)電子がスピン磁気Momentを持つ(磁石である)事を実証したものという。これに関する質問です。
C1)電子が磁石であるなら、全部が磁場の方向に配向して引かれ、1本線になると思います。銀原子が熱運動を持ち、乱れがあると、その配向から少しずれた原子が出ますが、それは1本線の線幅が少し広がるだけだと思います。2本線になる為には、反対方向にもPotentialの極小があるべきと思います。
磁場の中に磁石を置いた時、磁石は1方の方向に引かれるだけで、反対方向に引かれる事はないと思います。反対方向にもひかれる原子があるのはどうしてですか?
磁場の方向を交互に変化させると、2本に分れるかもしれませんが、交互磁場とは書いておりません。
C2)均一磁場ではなく、不均一磁場をかける事の意味がよく分りません。上の質問と関係があるかもしれません。
C3)電子線に磁場をかけると、Lorentz力を受けて磁場と電子線の方向に対して垂直方向の力を受けます。しかし、電子線が2本に分裂する事は書いていないから、分裂しないと思います。
上の銀原子の場合は2つに分れ、電子線の場合は分れないのはどうしてですか?
電子線の場合も、電子は磁気Momentを持っていますか?
物理化学の本を読んでいてよく分らなかった事です。
A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
ご自分でとの事ですが、こういう事を書くべきだったと思う事があったので補足。
南北方向の磁場中に磁石を置くと、N極は北方向、S極は南方向に力を受けるので、磁気モーメントが受け取るトルクは磁場と磁気モーメントの両方に垂直になるので、磁石の持つ全角運動量はこの方向の成分が変化します。
方位磁針の場合(簡単のため水平面内でのみ回るとします)、方位磁針が有限の慣性モーメントを持つので、方位磁針自体が回れば角運動量を持ちますので、冒頭に書いた角運動量の変化とは水平面内の角速度の変化として現れます。(方位磁針の保持力が地磁気より高い状況でなければこうはならないかも)
一方銀原子の場合、銀原子は単原子分子なので回転の自由度はありません(正確には電子を励起すれば角運動量を持つ事ができますが、励起するだけのエネルギーはありません)ので、方位磁針の時のように銀原子が回転する事で角運動量をもつみたいな事にはなりません。角運動量を持てるものは電子のスピン角運動量しかないので、磁場から受けるトルクでスピンが変化します。
スピンの変化の方向=磁場と磁気モーメントに垂直な方向=磁場とスピンに垂直な方向
となり、詳しくは書きませんがラーモアの歳差運動することになります。特に角運動量が変化する方向は常に磁場に垂直な方向なので、磁場方向の成分は変化できない事になるわけです。
No.5
- 回答日時:
難しい話はしてないのでわざわざ文献を見ながら回答を書いている訳ではありませんが、ニュートン力学、電磁気学(と量子力学)に基づく話をしています。
特殊な系を想定している訳ではないので、お手持ちの教科書でも十分だと思うので具体的な文献を調べてまで文献を書く事はしません。
傾いたコマが倒れずに歳差する話は、大学1年か2年レベルの力学の教科書ならほぼ書いてあるでしょう。磁場と重力場が違うだけで現象そのものは変わってません。変わるだけで話は
単に磁場があるんだから磁気モーメントは磁場方向を向くでしょ、と思われているだけなら、「重力があるんだからコマは倒れる」と言ってるのと変わらないので力学の復習から始めるのがいいかと思います。(地球ゴマなどで検索すれば動画も見つかりますが、コマが回転していればコマは倒れません)
磁場中の磁気モーメントの挙動に限る話ならラーモアの歳差について書いているだけなので、電磁気学の教科書をお探し下さい。扱う現象が限定されてしまいますが、少なくともNMRの原理に関する教科書であれば間違いなく載ってます。
量子力学での取り扱いの話であれば、量子力学の教科書のスピン部分のシュレーディンガー方程式が登場する辺りに書いてあるでしょう。NMRの教科書にも載ってるかもしれません。
歳差運動エネルギーについてはそんな概念はないからダメと言ってるのではなく、知らないから定義を書いてと言ってるだけなんてすけどね。
文献とか言われてもどんな量の話をしてるのかがわからないので探しようがありませんし、わかった所で「この概念は存在しない」なんてわざわざ言及するような話ではありません。
文献に基づいた話をしたいのなら、お手持ちの文献で歳差運動エネルギーがどのように定義されているのかを書いてもらえればそれで済む話です。
No.4
- 回答日時:
c9)
具体的な運動の仕方は銀原子あるいは電子と違いますが、エネルギーの散逸が必要という点では方位磁針でも一緒です。
方位磁針を使った事があるのなら、N極が北を向いて止まる前に北向きの所を中心に振動しますよね。最終的にこの振動が止まるのは摩擦があるからです。一切の摩擦がないのなら振動を続けるだけで永久に止まりません。
C10)
はい、古典論で考えてるなら2点には収束しません。#2のC5でも軽く触れましたが。
「配向する」というのを上または下向きのスピンの総数が変わるという意味で使っているのなら、変わりません。
繰り返しになりますが、磁場はラーモアの歳差の駆動力になるだけで、磁気モーメントの磁場方向の成分(μz)を変える事はできません。エネルギーの散逸があればμzは変わりますが、散逸先がありません。
お考えのようにμzを変える何かがあるのだとすれば、実験を説明できる可能性はあるでしょう。しかし具体的に何があると思ってるのか具体的に書いて貰わないと「そうなる理由がないからならない」という以上の事は言えません。まぁ何があるのかと言うのが質問なのでしょうが、ここに固執するよりもμzは変化しないという事を受け入れる方向に考え方を進めた方が話が進むかなと。
C11)
電子が感じる磁場(の向き)が変化しない、エネルギーの授受がないと言った点が変わらないなら孤立電子でも変わりません。
C12)
歳差運動enrgyとはなんですか。
非相対論的なハミルトニアンだとスピンはゼーマン項にしかありませんが。というか古典論にすらそんな概念はないと思いますが。
ご回答有難うございます。
C4)~C12)の回答の説明はAuthorizeされた文献に基づいて回答しておられるのでしょうか。それとも、回答者独自の考え、新説でしょうか。文献があれば教えて下さい。
特に、磁場の中に入れても、銀原子は配向しない事、運動する物体は運動エネルギーを持つのが常識ですが、「才差運動の運動エネルギー」の概念はない、の説明等。
No.3
- 回答日時:
C7)
一切配向しないという意味ではなく、考えないといけないほど、磁気モーメントと磁場のなす角度が変わるような事は起こらない(から考える必要がない)という意味です。
磁気モーメントと磁場のなす角度でエネルギーが変わるので、角度を変えると電子(銀原子)が持つエネルギーが変わってしまいますよね。エネルギー保存則を成り立たせるには変化した分のエネルギーを何かが受け取らないといけません。逆にエネルギーを与える相手がいないのなら角度を変えられません。
角度が変わると思うのなら具体的に何がエネルギーを受け取っているのだと思いますか?
方位磁針のようなマクロな物体でも話は同じですが、近くにいる粒子が多い分比較的簡単に相手(分かりやすいのは格子振動や方位磁針の中心の支点での摩擦など)をみつけられますが、シュテルンゲルラッハの実験では銀原子の近くにはほぼ何もいないので、エネルギーを渡せないんですよ。
全くいない訳ではないので、角度が途中で変わったら結果にどんな影響が出るか(どんな実験誤差になるのか)という事を考えたいのなら話は別ですが、シュテルンゲルラッハの実験結果を理解するのが目的なら、こんな話は考える必要がありません。
C8)
南の方向にポテンシャルの極小はありません。
北の方向を向くまでには有限の時間が必要で、その時間よりもずっと短い時間で終わる話を考えているんだ、という言い方がイメージしやすいでしょうか。
No.2
- 回答日時:
C4)
#1に書いた方位磁針のような回転という言い方が不適切だったかもしれませんが、結論から言うと
> 原子が磁場の中に入ると原子はまず磁場の方向に配向します。
配向はしません。(配向するには何らかの形でエネルギーを損失する必要があります)
各磁極は配向する方向に力を受けますが角運動量を持つのでトルクを考えると、角運動量の向きを歳差する(ラーモアの歳差運動)だけです。磁気モーメントと磁場がなす角度は変わりません。
上に行く理由を磁石からの吸引と理解するのなら、下に行くのは反発というだけで十分でしょう。
C5)
ポテンシャルの極小というのが何なのかよく理解できないのですが、多分シュテルンゲルラッハの実験を理解する前に、古典論で考えた時にはどういう結果になるべきなのかという所から考えるのが良いかと思います。上に書いた歳差の話は重要ではないので磁気モーメントの向きは変わらないという前提で十分です。
磁場(の勾配)と磁気モーメントのなす角度をθとしたら、磁気モーメントが受ける力(∝磁場方向の変位量)はcosθに比例すること、θは0度から180度の値である事からスクリーン上の像は線分になるという結論になれば正解です。
C6)
電子で同様の実験がされているのかは知りませんが、同様の磁場勾配中を運動させれば電子も分裂はするはずです。
ただ電子は電荷を持つので、磁場中を動けばローレンツ力を受けてしまうのでこの影響をなくす工夫が必要になります。装置としてはかなり複雑になりそうな気はします。単に電子をスピンに応じて分裂させるのが目的なら他の原理の方が簡単でしょうしね。
No.1
- 回答日時:
質問としてお書きの順番と変えている事に注意してください。
C2)
一様磁場中に磁石を置いた場合、N極とS極が受ける力は逆向きで同じ大きさになります。磁石全体が受ける力はそれらの合力で打ち消しあってゼロになります。従って方位磁針のように磁石が回転する事はあり得ますが、磁石の重心の運動状態が変わる事はありません。
磁石の運動状態を変えるには合力をゼロでない値にさする事=N極とS極が受ける力の大きさが異なる事が必要になります。そのためには磁極の強さ(磁荷)が異なるか、磁極の位置での磁場が異なる事が必要です。前者は磁気モノポールになってしまうので、後者の不均一磁場(磁場勾配)が必要になります。
C1)
磁石の向きが逆になれば、磁場勾配から磁石が受ける力は逆向きになります。電子のスピンがアップとダウンの二択である事を受け入れられるのであれば、この二択である事が二つに分裂する事に繋がります。
というのが初歩的な説明ですね。
C3)
電荷(の流れ)が磁場から受けるローレンツ力は分裂に関与していません。
早速、御回答を頂き、有難うございます。追加の質問です。
C4)例えば、WIKIのStern Gerlachの実験、で掲載されている不均一磁場の図を見ると、上の磁極面積が小さく、下の磁極面積が大きい形になり、磁束密度は上の方が大きくなっています。
原子が磁場の中に入ると原子はまず磁場の方向に配向します。配向した状態で、原子の上側の磁気引力>下側の磁気引力、となり、原子は上側に移動すると理解してよいですか? そうすると、下側に移動した原子は、どうして下側に移動したのでしょうか?
C5)それとも、磁場中に入ると銀原子は、磁場の方向を向いた状態と磁場とは反対方向の2つの状態を取り、反対状態の原子は、下側へ強く反発される。という考えでしょうか?
その為には、反対方向にもPotentialの極小が必要です。通常の小さい磁石は、磁場中では
100%が1方向に配向するのではありませんか?それとは違うという事ですか?
電子に対する自然の原理ですか?
C6)電子の場合は電子が小さいから、磁場の強さを、(電子の上側>下側)、を実現するのが難しいので、2つに分離しないと理解してよいのですか?
それとも電子線の場合も、大きい磁場勾配をかけると、2本に分離するのでしょうか?
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ご回答有難うございます。追加質問です。
C7)> 原子が磁場の中に入ると原子はまず磁場の方向に配向します。
>配向はしません。という回答。
地球上では、方位磁針のN極は必ず100%の確率で、北を指します。南を指す磁針はありません。
ラーモアの歳差運動はあるでしょうが。
配向しないという事は、磁針は北を向かないという事ですか?
そんな話は聞いた事がありませんが。
C8)電子は1種の磁石ですから、これを磁針に用いた時(実用的ではありませんが)、電子のN極は100%が北を指すのではなく、「南を指す事も多い」、のではありませんか?
指す方向は、北と南だけで他の方向は指さない。こういう事ではありませんか?
南を指す事は、そちらにもPotentialの底があるはず、ではありませんか?
ご回答有難うございます。追加質問です。
C9)方位磁針は周りに空気分子があり、磁針が空気分子にEnergyを渡すから北を向く、という事ですね。では、真空にして周りの空気分子をなくせば、磁針は北を指さなくなるという事ですか?
磁針の回転抵抗が0の物を作れば、原理的にはそうなるという事ですね。
C10)質問の実験では、銀原子は2点に収束したという。
原子が配向せずに色んな方向を向いておれば、各原子が受ける引力の大きさはバラバラで、該磁場中では2点に収束しないと思いますが。
配向して、上を向いた原子と、下を向いた原子の2種類だけになるから、2点に収束するのではありませんか?
C11)真空磁場中に電子を置いても、原子と同様に、電子も配向しないという事ですね。
続きです。
C12)原子は配向して、その方向を軸として才差運動を始めるから、才差運動Energyになるのではありませんか?