No.8ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
まだ締め切られていませんでしたね。
もはや遠くなりにけりでもあり、明確な比較競技が行われたわけでもないため、あくまでも残された書き物からの直感しかですが・・・
ポイントは、「結局、重量と武装かなあ。」
まず、両者の比較については、条件をそろえた仕様比較や競技が行われたわけではないので、学術的な意味では比較は困難なことは質問者さんもご理解でしょう。それでも、残された性能仕様や記述からは、何となくゼロのほうが一式戦(隼)よりも性能が良かったような印象を受けています。
一応、技術仕様(もどき)と、主観的記録から推定してみましょう。
・技術仕様でもやはりゼロは少し優位かな。
質問者さんもお気づきのとおり、建前上、エンジンは同一です。中島製の星型14気筒27リットルで、陸軍名ハ25、海軍名「栄」です。
これも機体とともに順次改良されており、地域に合わせてチューニングもされているのですが・・・
で、基本的にはゼロは機体が軽い。同時期の全備重量では100~200kgくらい軽い。それなのにゼロのほうが航続距離が長かったり、空中分解事故の記録が一式戦でばかり目立ったり、ゼロがより優位な印象がありますね。防弾など犠牲はあるものの、後述の武装とともにこれは確かに設計も良かったのかも。
・ゼロは武装が充実。開戦のごく初期はともかく連合国の防弾がしっかりしてくると、7.7mmはもちろん12.7mmでも不十分。最初から20mmを搭載したゼロは「当たりさえすれば」とみてもらえる。(実際には当てるのは難しかったらしですが「当たっても墜ちない豆鉄砲」のでは話にならない)
一式戦は機体(翼)の基本構造の問題からさらなる武装強化は困難だったようで。
・活躍の記録でもゼロはひいき目に見てもらえる。
太平洋戦域ではやはり米国の記録が目を引きます。一式戦の配備された大陸の多くは英国が担当でしたが英国の記録はどうしても欧州に偏りがち。
その上、米国は頑丈さと大馬力さらには物量にものを言わせて最終的に圧倒してきたので、開戦劈頭やその後も少しの幸運(米側の油断等)をもとに米側の記録にゼロの活躍の記述が少しでもあるとかなりひいき目に見られるでしょう。
さらに、武装の問題もあって一式戦(陸軍)はどんどん他の機種(二式戦(鍾馗)、三式戦(飛燕)、四式戦(疾風)等)に入れ替わっていきましたが、航続距離も期待されていたゼロ(海軍)は後継機が導入できず(雷電や紫電改は航続距離を考えない局地戦闘機)、最後まで頑張らざるを得なかったことが、まあ、伝説化した点もあろうと。
さてさて、いかがでしょうか。
ご参考になれば幸いです。
No.7
- 回答日時:
上昇力や上昇限度は隼の方が零戦よりも優れていますし、隼が翼が大きい為に空気抵抗が大きいという訳では無いと考えます。
この辺りは模型を造って風洞実験など本格的な調査が必要になるので、議論することは難しいですね。
上昇力
零戦 5,000m 5分55秒
隼 5,000m 5分30秒
上昇限度
零戦 10,008m
隼 11,750m
それでも、米軍パイロットの評価では、鹵獲機試験で機体の空気抵抗は、隼>零戦 という感覚だったという証言があります。
エンジンこそ同じですが、翼の形状も違いますし、零戦の翼は翼端を捻り下げたりと量産性を犠牲にしている部分もあります。
(零戦は、F-16と同じような主翼の捻り下げをしている。)
また、私は冶金屋なので、講義で恩師から零戦が日本で超超ジュラルミンを本格的に採用した機体だと言っておられたのを思い出します。
陸軍の要求を、なんとか仕上げたのが隼。
海軍の無理な要求を、技術的に無理して達成したのが零戦。
かと感じます。
No.6
- 回答日時:
取りあえずファイナルアンサー。
補足にあった内容についてですが、零戦に要求された速度は500km/h以上と言うものだったそうです。補足によれば11型の速度が515km/hだったようですが、最も初期型である11型であったとしてもそのくらいはなければそもそも制式採用されていなかったはずです。
それから航続力の差が生まれる具体的な原因はひょっとしたら補足に書かれてあるようなものがあるのかもしれませんが、こちらも零戦の方はかなり長めの距離(具体的な数値は失念)を要求されていました。元々海上で運用するための飛行機ですから陸上機よりも長い航続力が要求されるのは常識からも予想できる事だと思います。
No.5
- 回答日時:
何度もすみませんがもう一つ追記。
速度ですが、前述の本では隼が515km/hとあるのに対して零戦は533km/hでした。21型はかなり初期の型ですが、その時点で零戦の方が上と言う事は「速度も概ね零戦の方が上」と言う事になると思います。
それから飛行機自体のスペックではありませんが、海軍機がコンパスで位置を計算しながら飛べたのに対して陸上機は陸地や島等を目視しながらでないと飛べなかったそうです。そう言う意味では結果的に「海軍機である零戦の方が優秀」と言う場合が出て来ても不思議ではないかもしれません。
No.2
- 回答日時:
航続力
零戦 21型 2,222km 増槽装備時 3,502km
隼 1型 1,146km 増槽装備時 2,600km
元々、艦上戦闘機として開発された零戦の方が、想定する運用から航続力が良いです。
当時の隼の開発者の回想記を読んでいて私が感じた事ですが、陸軍の格闘戦に対する要求が厳しく、その解決に開発者はとても苦労して解決しきれなかったという事を読んだ記憶があります。
その後の戦闘機に対する格闘性能は、重視されないような速度重視の戦術となっていき、陸軍の隼に対する要求は先見性が無かったように感じます。
隼は、更に格闘性を追求するあまり軽量化を進め過ぎて機体強度に問題を抱え空中分解の危険が有ったと言いますね。
それらの事を考えると、戦後のあと出しの比較で単純に零戦の方が隼よりも優れていたという結論の記事が多く残っているものと考えます。
非公式で対戦した結果では零戦に分があったそうですし、そのようなことも零戦優位の背景にあると考えます。
しかし、零戦は米軍機を相手にし昭和18年頃には南太平洋の戦いで、米軍機の速度を生かした戦術で劣勢になってしまいます。
一方、ビルマ方面に展開していた隼部隊は、昭和19年中頃になっても、英軍機が戦術を隼が得意とする格闘戦に合せて来たため、優位に戦えたという記録も残っています。
戦後の航空機ファンの個人の好き嫌いもあると思いますが、俯瞰的に眺めたら、やはり零戦が隼よりも優位なように感じます。
ですが、隼は経験が浅いパイロットでも扱いがし易いと聞きますね。
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