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ポリエチレンが酸化しないと聞きました。
しかし調べてみると、酸化ポリエチレンというワードは出てきます。

どうも高温や火炎あるいは触媒の使用など、狙って酸化させることはできるが、一般的に常用するに限っては酸化しない、あるいは酸化しにくいという事なのではないかと想像しています。

通常の環境では酸化に強い事を指して「酸化しない」と表現するのがどうかと言う問題は放っておくとして、この想像は正しいのでしょうか?

お詳しいかた、教えてください。

A 回答 (4件)

>ポリエチレンが酸化しないと聞きました。


酸化されにくいですが、条件により酸化されます。
類似プラスチックのポリプロピレン(PP)に比べると、酸化されにくいです。
PPは、メチル基のついた炭素についている水素原子が、引き抜かれやすく
その後、分解していくので脆くなります。
ポリエチレンは、PPと異なり架橋反応が優先するので、酸化されやすい太陽光の当たる屋外での利用にはPPよりも有効です。
>しかし調べてみると、酸化ポリエチレンというワードは出てきます。
酸化ポリエチレンは、高温やコロナ放電、光増感剤+紫外線など
高いエネルギーを加えた条件で酸素と反応させたものです。
No.1、No.3さんが書かれているように水素がとられるのも酸化反応で間違いありませんが、酸化ポリエチレンには酸素がくっついています。
(質問者さんのイメージ通り、ポリエチレンが酸化され酸素が結合しています。)
酸素存在下でポリエチレンから水素が引き抜かれる時、多くの場合では最初に引き抜くのは酸素分子です。そして、酸素(原子)がポリエチレン中に導入されます。
単純に水素引き抜きだけが起こり、酸素原子が導入されない場合は、架橋反応(硬化反応)へと進みますが、それではポリエチレンの接着性は改善されません。
>どうも高温や火炎あるいは触媒の使用など、狙って酸化させることは
>できるが、一般的に常用するに限っては酸化しない、あるいは酸化しに
>くいという事なのではないかと想像しています。
はい、そのような理解でよろしいかと思います。
ただし、酸化されにくいというのも比較の問題ということもあります。
ポリエチレンよりも酸化されにくいプラスチックは存在しますので、
それとの比較の話題になれば、酸化されやすいと表現されてしまうかもしれません。
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この回答へのお礼

欲しい回答に非常に近く、大変助かります。

火炎処理は以前に実験を自発的に行っただけの事で、実際に使う材料にはコロナ処理+ブラスト処理が接着の下地としてなされています。
この回答を見ると、また今まで調べた事を振り返ると、なぜそういった下処理を部品メーカーが選択したのかがとても腑に落ちます。

Hが引き抜かれる事を指してなぜ酸化というのかはちょっと謎が残りますが、僕が欲しい情報の核心とは関係なさそうです。


ポリエチレンの溶剤耐性についても知りたいのですが、別で質問を立てるべきですよね。
ご存知ならまたご回答いただければと思います。

ありがとうございました。

お礼日時:2022/05/21 23:20

>CH2からHが何かに引き抜かれて、CHになった状態が酸化した状態という>事でしょうか?



化合物から、何らかの方法で水素原子や電子を奪ったり酸素が結合することを酸化と呼びます。

>エチレン(C2H4)の重合体と記載されているものも見かけますが、何にせ>よ僕にはさっぱりで・・・。

エチレンは石油からガソリンや灯油、軽油を作る際沢山出来ます。昔は使い道がなかったので燃やしていました。ところがチーグラーとナッタが重合触媒を発見しポリエチレンが出来ました。ポリエチレンフィルムはやすいので
それまでの塩ビフィルムと置き代わりました。

>この状態もHが引き抜かれた状態と解釈できると言うことなのでしょうか?

火炎処理の時、水素引き抜きと酸素の結合が素早く起きたと重います。接着性の悪いフイルムはこのようにしてくっつけます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
引き抜きといってもポリエチレンからHが失われ大気中(?)でOと結合する訳ではなく、ポリエチレン分子内のHにOが結合すると言う認識でいいでしょうか?

そうで有ればポリエチレンの酸化という現象が、自分の知識でも何が起きているか納得できる範囲に入ってくるようなイメージになりそうです。

「火炎処理による部分酸化」についての文献も、現物での検証で現象と理論の整合性は取れてはいましたが、konjiiさまのご教授でそれはより強固になった感があります。



それでですが、この質問の核心はそういった反応が通常の環境においてポリエチレンで容易に行われるものなのか?と言う事なのですが、どうなんでしょう?
「通常」とか「容易」の定義はなんなのかと言う事になってしまうのかもしれませんが。

僕の今のところの理解としては、「ポリエチレンが酸化しないと聞いたがそれは科学的に明確な間違いであるが、日常生活で使うようなポリエチレン製品が酸化しないという事なら現実的にさほど的外れではない」くらいのことかな、と考えています。


鉄が錆びるのはFeにOが結合するだけの教科書的なわかりやすい酸化の反応だと思うのですが、そうではなくHや電子が引き抜かれる(物体から失われる?)反応もあり、その現象を指して酸化だというのなら自分の中で混乱は収まりません(笑)

お礼日時:2022/05/21 11:33

そもそも、「酸化しない」ではなく「酸化されない」でしょ?


通常の環境では酸化に強い事を指して「酸化されない」ということの是非は議論の対象になるでしょうけど、「酸化しない」というのは誤りです。

まあ、いずれにせよ、酸化されうるものであるなら、「酸化されない」というのは妥当ではないでしょうね。「ある一定の条件下では酸化れない」というのであればセーフでしょう。そもそも、ポリエチレンは燃えるわけで、燃えるものが酸化されないというのはおかしな話です。
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多くの文献でポリエチレンが熱や光で酸化されるとかかれていますが


・・・CH₂-CH₂-CH₂-・・・→(熱、光)・・・CH₂-CH-CH₂-・・・
                        ・
何がHを引き抜いているか分かっていないようです。出来たラジカルは酸素
と反応して分解がさらに進むことは書かれていますが、最初の酸化については明確な記述がありません。よくわかっていないのだと思います。だから、
用途はスーパーの袋やペットボトルのキャップなど使い捨て用途に使われていますね。ポリエチレンの屋外用シートがありますがカーボンブラックを入れて真っ黒になっています。カーボンブラックは熱や光を吸収するからです。
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この回答へのお礼

化学の知識が全くないのです。
また、具体的に何をどうするのか?といったことを書くのを避けているので、抽象的で分かりづらいであろうと申し訳なく思います。

CH2からHが何かに引き抜かれて、CHになった状態が酸化した状態という事でしょうか?
エチレン(C2H4)の重合体と記載されているものも見かけますが、何にせよ僕にはさっぱりで・・・。
「鉄に酸素が結合してFeOになるなどの反応が酸化」と言うような、学校で習った知識しかありません。

ポリエチレンシートをエポキシで接着するのですが、火炎処理という手法を知って試してみました。
接着面をガストーチの炎で軽く炙る(推定80度程度)という表面処理方法です。

通常は水を弾くのですが、炙った部分は濡れ性が明確に向上します。
それにより接着性が上がるのだろうと思っています。
この時にポリエチレンの表面で起こっている現象を「部分酸化」だと説明している文献を見ました。
この状態もHが引き抜かれた状態と解釈できると言うことなのでしょうか?

接着等の工程を経て出来上がった成果物は、通常は氷点下で使用しますが130度程度に加熱されるタイミングもあります。この加熱は炎によるものではありません。
「ポリエチレンは酸化しない」と言う方々は、瞬間的に130度程度に加熱されるくらいの事では酸化しないと言う立場です。(この方々の言の背景に、炎で炙るという手法は日常用途外です。)
ちなみに使っているのは超高密度ポリエチレンで、ビカット軟化温度は135度くらいです。
屋外で使用するので、紫外線にも晒されます。
ごく弱いですが、酸性の物質に触れる機会も多いです。

このような環境はよくよく考えると、少なくともペットボトルの蓋やレジ袋と比べれば十分な非日常ですよね。
しかし我々の世界ではこれは日常で、その日常の範囲内での環境では「酸化しない」と言っていることが正しいのかと言う疑問です。

ちなみにある企業から取り寄せたHDPEを酸化分解させた時のデータには、「240度付近に表面酸化による増量、260度付近から酸化分解による段階的な減量と昇温ピークが見られる」とあります。
火炎処理では明らかにこのような温度帯には達していませんが、濡れ性が向上する変化が起きるのは事実です。

長文ですが、少しでも引っ掛かるところがあり、ヒントがいただければ幸いです。

お礼日時:2022/05/21 00:03

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