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理系の大学ですが、同専攻の中にフィールド系の調査をかなり大事にする40代後半の講師がいます。当方の専攻ではもちろん基礎研究も行う実験系の研究室もありますが、その教員はフィールド系ということで、本人の学生はもちろん、私の研究室に配属する3,4年生学生も誘って外部施設に調査アルバイトをさせていました。それが学生の研究や勉強に役に立つという名目でしたが(実践力向上云々・・)、実際はその教員のネットワーク維持や成果を出すための手段に過ぎないと思うので心配です。

フィールド系調査研究をメインにするために外部機関や施設との共同調査をたくさん行い、それに付随して調査報告書をたくさん執筆していますが、逆に査読付きの学術論文はこれまでほとんど書きません。まともな研究を時間かけてやるというより、報告書でもたくさん出して業界に顔を売る戦略かもしれませんが、そんなにたくさんの調査活動を行うけれども、1人ですべてをリードすることはできないので、そこで私が懸念するのは、大きな企画は本人が行い、総括はするけど、実際のデータ収集や整理と原稿執筆を全て学生に任せています。それも勉強の一環ということでやらせて、本人の業績にしているのです。
そして、調査内容をまとめて学会発表をしていますが、ポスター発表に学生を入れて連名がいつも6~7人を載せることをします。もちろんその教員がまとめているということで、第1著者です。

私の考え方では、これはまるでファクトリーみたいな感じがします。研究室というよりコンサルタント会社なのではないか。

これも学生の就職活動に役に立つということで、何も分からない学生は喜ぶようですが、本当にそうなのでしょうか。こちらが心配なのは、大げさにフィールド調査を誘導しているために、理論的講義や根気を要する実験研究を行わなくなるか、そのための知識蓄積がかなり落ちてきているということです。

ポスターの5番目~7番目の著者になるのがその学生の将来のキャリアに役に立ちますか。この前、修士1, 2年の学生にも彼らの研究と直接かかわらない内容で外のフィールドでアルバイトさせると聞いて驚きました。

大学関係者がいらっしゃれば、コメントいただけますでしょうか。

A 回答 (1件)

国立大工学系の元教員です。

あなたの学生と,違う研究室の教員との関係については,部外者の僕らが何を言っても意味がないので割愛します。ご自分で解決してください。
 さて,4年生の卒論も修士の修論もテーマは我々教員が提示して学生がその中から選んで研究をします。つまり,4年生以上は研究室の研究スタッフの一員です。教員と研究上ではほぼ対等な立場ですが,教員がテーマを提示した分,課題発見能力の点から教員が上司なのは当然です。学部卒あるいは修士で修了して就職する学生にとって,在学中の研究成果は本人の純粋な成果ではありません(テーマは教員が提示したから)し,それを期待されても困るわけです。教員が実施している研究の一部を担うことによって,誰も答を知らない課題を解決し,それをプロ(上司:指導教員と審査会副査)に提示して審査してもらうことによって,論理的に課題解決する能力を実際に一度は実行してもらっているわけです。ですから,その卒論・修論の成果は教員の業績であるのは当たり前のことです。
 その業績を表に提示する際の論文で,学生を第一著者にするかどうかは,その学生の貢献度だけじゃなく,研究室の文化によって決まることが多いです。ある先生は,教授が必ず第一著者になります。僕らは,学生を第一のする場合もあります。それを学生からいろいろクレームされる筋のものではありません。テーマを提示したのは教員ですからね。また,他の研究室や他の教員がどう対処しようと,そんなことはご質問者がどうこう言うことではありませんよ。ご質問者自身にある価値観があるなら,ご自分の学生の扱いについてはその価値観の中で決めればいいことです。最初に書いたように,他の研究室の教員にご質問者の学生が使われていることは,僕ら部外者がどうこういう立場にはありません。ご自分で解決すべてきことです。卒論・修論を学会論文集や国際誌に投稿する責任は指導教員にあります。そしてその業績は第一義的には教員の成果です。学生は,著者欄に並ぶか,単に謝辞に記されるかという立場にあります。というのも,学生は研究スタッフの一員ですから。
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