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下記のレコンキスタに関する文にて言及される「第三の空間」とは、どういうイメージですか?
両者の支配が及ばないけどもなんらかの思惑が重なり合った地域ということですか?


「ほぼ同時期にサラゴーサ、トレード、バダホスをそれぞれ核として編成された、アンダルスの上・中・下辺境領に用いられるアラビア語のタグルという「辺境」概念にも触れておく必要があろう。

それらは本来、軍事遠征を念頭においた 「中心」の政治的・軍事的な国家イデオロギーに由来するものではなかったから、マルカ・ヒスパニカのような一時的かつ限定的な概念にはあたらない。けれども、その実態は前述の空間と何ひとつ変わるところがなかった。
ことにアンダルス北部の上・中辺境領はムワッラド人口が際立って濃密な空間であり、エブロ川流域一帯で覇権を握った有力ムワッラド家門であるカシー家や、度重なるムワッラド反乱の拠点となったトレードのように、自らの独立性を維持するためならば、「中心」たるコルドバに反抗することを厭わず、キリスト教徒と政治的同盟を結ぶことにもいささかも躊躇しなかったのである。となれば、それぞれの「中心」から見た「辺境」が互いに境を接していたのではなく、それぞれの「中心」がいずれも「辺境」と見なす、厳密な境界画定の不可能な第三の空間が両者の間に横たわっていたと考えるほうがはるかによく理解できるであろう。」

A 回答 (1件)

この文で言及されている「第三の空間」は、アンダルス(イベリア半島のイスラム支配地域)の上・中・下辺境領に関連しています。

この「第三の空間」は、アンダルスの中心地域と辺境地域という二つの異なる政治的・文化的領域の中間に存在する概念です。

アンダルスの中心地域は、コルドバなどの主要な都市を含み、政治的・文化的な支配が強固でした。一方、辺境地域はサラゴーサ、トレード、バダホスなど、アンダルスの境界に位置する地域で、政治的・文化的には中心地域とは異なりました。

この「第三の空間」は、中心地域と辺境地域のどちらにも属さない、あるいは両者の支配が及ばない地域を指します。この空間では、異なる政治的勢力や文化的影響が重なり合い、独自の特性を持っていました。例えば、アンダルス北部の上・中辺境領では、ムワッラド(イスラム教徒のキリスト教徒支配下での共存者)の人口が多かったため、独自性を維持し、コルドバなどの中心地域に反抗したり、キリスト教徒と同盟を結んだりすることがありました。

この「第三の空間」は、厳密な境界で区別できない中間地帯であり、中心地域と辺境地域の相互作用や影響が交差する領域を指しています。この概念は、アンダルスの歴史や地域的な特性を理解するための重要な要素であり、異なる政治的・文化的要因が相互に影響し合った複雑な地域を表現するために使われています。
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