徳仁と金正恩の違い
ふと思ったんですが、日本人の天皇家に対する感覚と北朝鮮の人々が金家(金日成の家系)に対する思いは同じですよね?
国家の象徴と王朝共産主義国のトップという違いがありますがどちらも事実上血統でのみ決まってます。(彼の国は選挙で選んだと主張するかもしれませんが)
金正恩に関する北朝鮮国内のニュースを見て「なんで盲目的に有り難がるんだろう」とバカにしてたんですが、特別な成果を上げた訳でもない天皇に熱狂する日本人も大勢います。
人物評価は其々ですが"盲信している"という点では同じですよね?
No.9ベストアンサー
- 回答日時:
全く同じではありませんが、
御指摘の通りで
似ていますし
共通している部分もあります。
北の金一族だって、千年も続けば
天皇と同じようになるでしょう。
それは宗教とも似ています。
神を創り上げ、それを信仰する
という心情と、共通しています。
人間の歴史は、こうした虚構の上に
成り立っているのです。
(サピエンス全史 ユヴァル・ノア・ハラリ)
コメントありがとうございます。
そうなんですよね。
このインターネットの時代に血統による統治をこれから始めようというチャレンジの姿勢を持っているんですよね。
成功すれば大したモノだと思います。
No.14
- 回答日時:
#13です。
お礼ありがとうございます。補足も拝見しました。>様々な意見があって、唯一解に辿り着けそうもありません。
科学ではないので唯一解は存在しないと思います。
実際、国民の側、も非常に揺れているし、国民個人個人で考え方が違います。
「君主が居るのは不平等だ!絶対に共和制が正しい」という人もいるし「共和制でも貧富の差があるのはおかしい、絶対に共産制が正しい」という人もいるわけで、君主制の良さ(悪さ)・共和制のよさ(悪さ)・共産制の良さ(悪さ)はそれぞれあります。
チャーチルは「民主主義は最悪の政治形態といわれてきた。他に試みられたあらゆる形態を除けば」と発言しています。個人的にはこれに賛同します。
立憲君主国の人が共和制を見た時の反応がここにあります。
・トランプ勝利で実感するイギリス君主制の良さ
https://www.newsweekjapan.jp/joyce/2016/11/post- …
この中で、著者は「エリザベス女王はイギリスの象徴であり、英国民すべてを代表する存在でもある。女王は常に政治の外側にいる(あるいは政治の「上に」立つ)。」と書いています。私の「統治の本質」の概念もこれに近いです。
共和制は良い方法だと思いますが、ローマの時代から「ものすごい権力闘争を伴う」ものでもあります。そこは共和制の問題点として踏まえるべきで、ユリウス・カエサルはこの問題点克服のために皇帝制を発明した、とされています。
とはいえ、結果的にローマの皇帝制も権力闘争になり、その結果ローマは崩壊に至ります。この点を踏まえると「政治権力の上に、絶対安定の存在=君主がいるのは悪くない」と私も思います。(ローマ皇帝は中国皇帝や日本の天皇と違って、君主ではないです)
これを特に意識させられるのが、タイの政治で、タイも立憲君主制ですが2大政党(保守:資本家側vs革新:庶民側)の対立が大きく、空港選挙など過激なデモに発展することが何度もあり、そのたびに軍部がクーデターを起こして政権掌握しています。
ただ、このクーデターは「国王に忠誠を誓い、タイの安定のために行う」としていて、結果的に民主政府に戻っていくのです。
カンボジアの例を踏まえて、タイの権力闘争も「君主という目に見える人物がいることで、闘争が国家の枠内で収まる」ともいえます。そうでないと、政治的空白に近隣諸国が干渉してくることもよくあるからです。
そのあたりを考えると「立憲民主制」はけっして悪い制度ではない、と思います。
>不敬を許さない については明治維新の頃の尊皇攘夷や太平洋戦争時の皇国臣民といったスローガンを思い出しました。
尊王攘夷はスローガンでしたが、維新はほぼ革命なのでスローガンは必要でしょう。ただ面白いことに明治政府になると「攘夷」は消えてなくなりました。
「皇国臣民」とか「一億総玉砕」などは、むしろ日本国民が総括して反省すべき内容だと思います。当時の日本国民(私から見れば祖父の代)は決して「軍部に騙された国民」ではありません。なぜなら彼らは、男性だけとはいえ、参政権と徴兵義務という民主政治の根本を担っていたからです。
彼らの投票の結果、国会が宣戦布告をしたわけで「日本国民に責任がない」というのは民主制の国家としてありえません。もちろん「天皇に責任がある」という視点も重要ですが、むしろ「天皇&国民」という枠組みで日本人自体が総括すべきだと考えます。
また、スローガンについて、個人的に疑問があるのは「共和国なら国民をスローガンで教育するのは許されるのか?」です。
質問者様の視点は「君主という人間がいて、それを絶対視するような教育やスローガンはよくない」というものだと思います。それはよく理解できますが、共和国なら良いのでしょうか?
それも「様々な意見」を検討する際に、考えるべきことの一つだと思います。
ということで最後に感想ですが、私個人は「日本が大陸からの侵略も、南蛮諸国によるキリスト教化と支配も、近代西洋列強による植民地化も免れた大きな要因の一つが《天皇という権威が居たこと》だと思う」です。
なので、他の国はともかく日本には天皇が必要だし、天皇が廃止された日本は、今日の天皇が居る日本とは別物になるだろう、と思っています。
>彼の国は執権して3代ですから今後どうなるかだろうと思います。(インターネットの時代にしては凄いチャレンジですね)
私もそう思います。だから金一族は日本の天皇制を非常によく研究している、と言われています。
ネットの時代だからこそ、国民をうまく誘導できれば皇帝を新しく作り出すことは可能かもしれません。
ただ皇帝は「政治権力・軍事統率権」のほかに「自分が地位に就くための宗教的許可を自分で自分に与える仕組み」が必要になります。これを作り出せるかどうか?経済的に破綻する前にできるかどうか?が今後の命運を分けるでしょう。
ちなみに「国王」はキリスト教指導者などの宗教的権威から「神(仏)が即位を許した」という形を取ります。この間チャールズ国王が戴冠するのに、イギリス大司教が冠をかぶせたのは「神が任命した」という考え方があるからです。
ちなみにアメリカ大統領などが聖書に手を置いて宣誓するのも「神の許しを得る、神に向かって宣誓する」という認識があるからです。
民主制と言っても、宗教と完全に切れたわけではないのです。
北朝鮮には宗教的権威は居ません。したがって「王」になることはほぼ不可能なので、論理的に中国皇帝や日本の天皇のような「皇帝」を目指すのは理にかなっているとはいえます。
No.13
- 回答日時:
#12です。
メールに#6に対するお礼が届いていました。ありがとうございます。「統治の本質」についてです。
「統治」そのものは様々あって「本質」というのも統治者側から見れば北朝鮮のように「国民がバカだから強制的に統治しても、結局国があるおかげでいきていられるのだからOK」という考え方もありです。
実際、北朝鮮は「生きてられる」状態ではないので本質的には失敗国家ですが、ロシアや中国などは専制国家であり独裁的、そういう国は世界的にはむしろ多いといえます。
私が書いた「統治の本質」はご質問の最初にある【徳仁と金正恩の違い】を踏まえていて、要素としては二つあります。
・国民側から見た統治の良し悪しで見た時のこの二人の違い
・日本と北朝鮮における、統治者としての権威や正当性の確保の差
・結果的に国家が安定していて発展しているかどうか?
で、質問者様の認識である「統治者の本質は統治の本質を全うすることに最適と統治下の人々が考える人間ということで正しいでしょうか?」と近いですが、人間ではなく「システム」だと考えています。
たとえば共和制は時々「統治者としてふさわしくない」人を選びます。トランプ大統領はその代表例だと思いますが、しかし4年の任期が過ぎれば変えられるし、リコールや弾劾という制度もあります。
君主制の場合、リコールや弾劾はなくその分「人間としての資質」がみられるは事実で、たとえばチャールズ国王は故エリザベスIIに比べて不人気であり「即刻引退して人気があるウィリアムが即位すべきだ」という主張する人たちも存在します。
で、この部分についての「統治の本質」で言えば《誰がトップに立ち、判断し命令するなら、その社会は納得して動くのか?》です。
この点、日本人が案外気がついていないのが「天皇が権威であることの重要性」です。
たとえば、戦国時代の各武将たちの目標は「天下取り」だったわけですが、これはつまり「天皇に征夷大将軍として認めてもらって幕府を開くこと」だったわけです。
これを日本人は不思議に思わないのですが、世界の統治の事例から見ればこれほど不思議な内戦はありません。なぜなら普通の内戦は「自分が統治者としてトップに立つこと」を目指すものだからです(カンボジアのポルポト派はまさにそれです)
ところが日本は「秀吉が関白になった」と日本国中が知った時点で「関白の命令に背くことは、天皇に背くことであり国賊である」ということになります。
これほど「統治者」としての権威が浸透している国は世界的に見てもあまりなく、これと同じことが明治維新や大戦後の新憲法化でも起きています。
つまり質問者様のいう「統治の本質を全うすることに最適と統治下の人々が考える人間」として、もっとも具現化されたのが日本の「天皇」であるともいえるわけです。だからこそ世界で最も長い君主国なのです。
もちろん私は「人間」ではなくシステムとしてみていますので、個々人の資質ではなく機関としての天皇、という意味とご理解いただきたいです。
>立憲君主制の"君臨すれど統治せず"なら君主の人生の意義って何なの?
この場合は「君臨することで統治権の正当性は確保するけど、実際の統治行為は任命した人々に任せる」という解釈が正しいといえます。
実際、イギリス王も天皇もタイ国王なども含めた立憲君主は「統治者として任命権や執行権を行使すること」で、天皇の国事行為がそれにあたります。
国事行為とは首相や最高裁判事を任命したり、国会を召集したり、法律の発布や条約批准を国家として認めるのが仕事です。
そしてこれは戦国時代の「天下取り」と同様に《天皇が任命・招集・発布・批准を行ったのだから、これに下が無いのは国賊》という認識を無意識のうちに日本人は持っているのです。
なので立憲君主は基本的に「そこに居て、臣民が行うことを認め国家全体の行為であるとすること」が仕事になるわけです。これが「統治者としての権威」の中身です。
「君主の人生の意義」という点なら「このハンコを押さないこと・この任命を承認しないことができる、でも国家国民のために承認する」のが天皇としての大きな意義だと思います。
これもほとんどの人が認識していませんが、天皇は憲法以前からの統治者ですから、天皇自身が「この人物は首相にはしない」とか「この条約は絶対認めない」といえば、それができてしまうのです。ただし、そうなると今の立憲君主制は崩壊しますので、やらないですが、それをやらないちゃんと下々の人たちに統治を任せる、というのが天皇の仕事であり「最高の判断」であると私は考えています。
逆に「僕が認めない、といえばこの国は一歩も動かなくなる」という認識があるからこそ、天皇という人生をかけた仕事に従事できるのだと考えます。
>米国や韓国分断が激しいニュースを耳にしますが、これが君主のいない大統領制国家だからというご意見には頷き難いです。
君主が居ないからではなく「大統領としての権威が必ずしも確立されていないから」です。共和制国家は常にこの問題を抱えています。
韓国大統領が不幸に見舞われるのは分断国家だから、は正しいですが上記を踏まえると「分断国家で、北朝鮮を正しい国家だと認める韓国国民が割と多数いて、その結果大統領としての権威が認められづらい」から問題が起きます。最近ようやく韓国人も「北朝鮮の揺さぶり」に気がついたようで、だからこそ文元大統領は今のところ安泰なのだと考えています。
アメリカは移民の国、だからこそ「権威が認められにくい」わけで、南北戦争の原因とトランプ大統領の問題は、全く同一の問題だし、トランプ派・バイデン派の分断が第二の南北戦争の引き金になる、と考える人もたくさんいるわけです。
>何が言いたいかと言うと天皇制を廃止しても日本人のスペックが変わったりしない様に思っています。
私は帰国子女でアメリカでしばらく住んでいました。そこで知ったのは「アメリカ人はまだ全然融合できていない」ということで、たとえばアメリカの公立学校にはすべての教室に星条旗が掲げられ、子供達は毎朝星条旗に向かって「忠誠の誓い:Pledge of Allegiance」を唱和する、ことです。
これって「統治」問う概念でみれば、戦前の日本がやっていた宮城遥拝や天皇の肖像画を掲げることや、北朝鮮が今やっていることと本質的には同じなわけです。
もちろん中国も同じことをやっていますが、多少が星条旗なのか、肖像画なのか、党なのか、の違いしかないわけです。
「統治のあり方は、国民性にも表れる」といえるし、逆に「国民性があるなら、その社会は自分達が求める体制になっていく」わけです。
これは実際に「世界で共和国(民主主義)がたくさんあるのに、実際には独裁国家や専制国家ばかり」の説明でもあって、つまり「多くの国では民主主義を標榜した共和国の看板を掲げるけど、実態は自分達が理解できる統治のやり方になる」ということです。
なので、私は「共和制になった日本人が、今の日本人と同じである」とは思っていません。特に共和制で「新しい権威のあり方」を作り上げる段階で天皇制と決別するなら、フランス革命同様80年から100年単位で別の国民性になっていくだろう、と考えています。
この理解を元にすると「GHQは天皇廃位をすると、日本が一気に共産化する恐れがある」として、昭和天皇をそのままにしたことが理解できると考えています。
つまり「天皇という権威のよりどころを失った日本人が、新しい権威を求めてアクティビストが強烈に主張し資金も豊富に用意している共産化に飛びつく恐れがあった」という意味です。
共産化した日本人が、今の日本人と同じスペック、ではありえないでしょう。ならば共和国化でも同じではない、と考える方が自然だと思います。
お礼が遅れまして申し訳ありません。
様々な意見があって、唯一解に辿り着けそうもありません。
但し、海外での生活経験を踏まえて君主の存在が分断に何某かの因果関係があろうという感想は理解しました。(自分的には変数がたくさんあるかな と)
また、よくよく考えると君主の人生観を自分が心配するのも余計なお世話ですので、本件は「様々な意見がある」以上のことはないという結論とさせてください。
No.12
- 回答日時:
共和制から君主制に移行した国、はあります。
まず、カンボジアを「元に戻っただけ」という評価の仕方をするのはちょっと問題があると思います。
なぜならポルポト派の統治からベトナムの影響を受けた人民共和国になった後、国連がPKOで最初に指導したのは共和制国家だったからです。
しかし内戦を戦った各軍閥というか実力者たちの相互不信が強く、複数の軍閥と国連で「どうすれば武器を置いて、民主的な国家再建ができるか?」が話し合われ、結果「相互不信を解消できる信頼に足る人物が必要」ということで合意し、各軍閥の指導者は元々カンボジア王国軍出身者が多かったので「元国王が復帰する立憲君主制なら武装解除して選挙に協力する」という言質を取り付けました。
ちなみに国連代表は日本人の明石氏です。
つまり、カンボジア国王は「臣民だった人たちが、内戦などの苦難を経て再度統治者として信頼に足る人物として元君主を要望した」というわけで、これはまさに「共和制から君主制へ移行した」と言える事例だと考えていいと思います。
他の事例をあげると
現スペイン王国
独裁者だったフランコが後継指名したのが前国王の息子(つまり独裁以前の王太子)で、大方の予想をうらぎり国王として就任した後立憲君主制に戻した。
ぐらいはあります。
またオーストラリアは何度か君主制から共和制への移行について国民投票をしていますが、今のところ全部否決されています。
ところで、近代から現代にかけて君主国が減り共和制が主流になるかというと「君主の権限を制限しつつ、国民の権利を平等にすることが難しいから」です。逆に独裁制が生まれるのも同じ理由で「君主を廃止したが貴族や財閥などの実力者がまだ残っているので、彼らに対抗するために強権が必要」とされるからです。
もちろんその独裁者が国家の実力者と手を組んで民衆を圧迫することは普通にあるわけですが、それは元々「その国の君主が独裁主義的であり、国民の側には自由で独立した個人という認識がなく、結局民主化に至らないから」でもあるのです。
なので、2008年に王制廃止して共和制に移行したネパールでは、2020年ぐらいに王制復古のデモが度々行われました。つまり国民は「共和制と言いながら、独裁政治が続いている」という認識を持っているわけです。
という世界情勢を見渡してみると、結局「統治ってなんだ?」という所に戻ってきてしまい「共和制だから優れている・君主制だから時代遅れ」という図式は当てはまらない、ということに気がつくと思います。
重要なのは「その国の人々のレベルや文化・価値観に合わせて国民の幸せを作る最適なシステムはなにか?」ということなのです。
ちなみに「強権独裁国家だけど国民が幸せに暮らす国」はあります。
たとえばブルネイやUAEなどは《国民なら》非常に裕福で幸せです。(出稼ぎ労働者は人権抑圧を受けていると言われています)
No.11
- 回答日時:
>長さが違うことで盲信したりしなかったりするんですか?
ということは長さがどれくらい(この場合は時間ですね)がしきい値となるでしょうか?
長さは閾値になりますね。王朝の長さを比べてみれば分かります。
・日本 126代 2700年近く(ただし、日本国成立からは1400年ぐらい)
・デンマーク 54代 1100年近く
・イギリス 40代 1000年ちょっと
です。これらの国家は「君主制の統治により安定して運営されている国」といえます。
共和国で最も長く続いたのは「ヴェネツィア共和国」で7世紀から18世紀までの約1000年間続きました。現存する最も歴史ある共和国は「サンマリノ共和国」で、共和国としての成立は1631年(共同体としてはもっと古い)なので、400年近く共和国として存在しています。
上記を踏まえて、重要なのは「その社会や国家の統治システムとして安定しているのはどの方式か?」という点で、共和制自体はギリシャやローマなど紀元前からあるので君主制国家と比較することが可能です。
どちらも近隣諸国との戦争があるので、短い周期で国家システムが入れ替わるのが普通ですが、長期渡る統治システムとしては君主制のほうが優れいる可能性もあります。少なくとも共和制のほうが《国家を安定的に運営するシステム》であるといえるだけの事実はない、といえます。
何度も書きますが「統治の本質」から言えば「社会として安定し、国民が代を重ねて生存でき、他国からの侵略に一致団結して国家を存続できる」システムが最も良いはずです。
それはつまり「その国・その社会に暮らす人々が安心して生活でき、子孫の繁栄を予定できる」ということです。
「長い歴史を有する国家」は君主制であれ共和制であれ、たとえ独裁制であっても「その社会に即した統治システムであって安定している」と言えます。
そのために必要な年月は、最低でも5代、10代を超えればかなり安定するでしょう。
ちなみに日本でも鎌倉幕府は源家が3代でその後北条家が17代、執権3代目の北条泰時までは割とエピソードがありますが、次の経時は「吾妻鑑」編纂ぐらいしか歴史に出てきません。
徳川幕府も4代目からは比較的穏やかになります。逆に秀吉は2代目が関白になるまえに潰されていますね。
外国でも元は3代目に国家分裂し、世界帝国が崩壊しています。随も2代目の煬帝で滅び唐になっています。
世界的にみて「3代続けばまあまあ、4代続くと割と続く」と言っていいでしょう。
つまり「4代目からは割と安定する」のです。ちなみにこれは共和制でも同じで、韓国は第6共和政(全斗煥の軍政の後)から今の大統領が8代目、先代の 文在寅は迫害を受けなかったので、ようやく安定してきたのでしょう。
フランスの共和制も革命から粛清→クーデター→王政復古→ナポレオンの皇帝制→共和制と目まぐるしく変化し、革命から80年経った第三共和制でようやく現在の体制につながる統治システムになり安定したとされています。
何もなければ4代から5代目ぐらいになると「統治者」としての権威や権力が安定してくるのだと思います。それを「国民の盲信」といえばそうかもしれません。
コメントありがとうございます。
とても興味深く拝見しました。
概ね3代続いて酷いチョンボが無ければ"人々が其れに馴染む"ということなんだと理解しました。
一方で、(理系なのでちゃんと学んだ訳ではないんですが)近代だとロシアやイランの如く自国民の意思で王政(または帝政)から共和制に移行した国は思い浮かびますが、共和制(というより王政以外)から君主制(=血統による統治)に移行した国がイメージできません。(カンボジアは元に戻っただけで新たな君主を迎えた訳ではない)
これまで独裁者は大勢存在したし、現在も存在しますが、あからさまに血筋で統治を試みた方は金一族を除いて知りません。
何が言いたいかと言うと、君主制から共和制への移行は不可逆的だと考えていましたが、三世代以上の血統による統治により共和制から君主制へ移行できる可能性があるということですね。
北朝鮮の金家のチャレンジに今後も注目したいです。
当初の質問⇄回答から逸れてきましたが楽しいです。
No.10
- 回答日時:
>人物評価は其々ですが"盲信している"という点では同じですよね?
北の場合、「下手な言行は『殺される』」と盲信していますし、それは真実です。それが日本と同じかと問われれば、随分と違いますね。
>「なんで盲目的に有り難がるんだろう」と
有難がってなんていません。そうしないと死ぬからです。
No.6
- 回答日時:
#4です。
丁寧なお礼ありがとうございます。>普遍的なものでしょうか?
「統治」という概念は「その社会の在り方」によって違いますが、一応近代国家としては普遍的なモノであり、概念としても普遍性があるといえます。
たとえば「統治の概念が薄い」例をだすと、放牧民族がそれで、定住せず、土地所有せず、他の民族との権利闘争(簡単にいえば戦争)がない、なら統治者を必要としない、または非常に緩い統治体系になりえます。
逆に「土地所有・その土地に生活を依存する人民やそこから生まれる財産・土地や財産に対する他者との争い」が常にあるなら「統治者と人民」が居ないとその民族や国家は存続できない、ということになります。
後者の概念において、北朝鮮の一族は「北朝鮮という国家を対外的な争いから守り、国家の枠組みを維持してきた」という点では非常に優秀ですが、しかし「土地や財産を所有する人民の安定とそれによって国家経済が豊かになり強国になる」という点では大失敗をしています。
つまり北朝鮮は「国家の存続」についてはまあまあ優秀なのですが「人民の統治」という点では、いつクーデターや革命、または「外部勢力に協力し政権を打倒する人民」が出てきてもおかしくない状態ですから、その点で「統治は成功していない」わけです。
逆に日本の天皇は、元々「白村江の戦いで倭国軍が敗戦し、その後強大になった唐国が海を渡って倭国に攻めてくる」と予想して、中央集権国家にし天皇という統治者を置いたことに始まります。これが大化の改新を起こした目的です。
この予想は皮肉なことに、幕府に政権移譲した時期に元寇という形で現れましたが、大化の改新から元寇までの300年の間に「日本における統治の浸透、統治システムの洗練化」が進み、藤原家や平家などの摂関政治を経て、「征夷大将軍に政治権力を移譲する方が安定する」という、統治権の公武分離でその後の800年間、比較的安定した統治が日本で行われることになったわけです。
なので天皇の実績としては時代によって次のように評価できます。
・大化の改新によって「日本国」という日本列島の統一国家を樹立したこと
・徐々に天皇から統治の実権が無くなり、天皇の地位が「権威」になっていくことを許容したこと
(これは必ずしも各代の天皇が望んだことではないにしても、統治権を分解して、別の人物に預けた二元代表制にしたのは賢明でした)
・二元代表制にした後、天皇に残した「権威」を、鎌倉幕府以降現在まで保持し続けたこと
もちろんこれには様々な偶然やラッキーな部分もありますが、しかしヨーロッパ諸国が立憲君主制による二元代表制(君主と議会)や近代共和制の発明(大統領=君主と議会)による近代化民主化によりもずっと早く「二元代表制」を成立していたことで、西洋による近代化圧力を日本は非常にスムーズに移行して幕藩体制から明治政府に移行できたのも大きな実績です。
世界的に見て「ヨーロッパ以外で19世紀までに近代化に成功したのは日本だけ」と評価されるのは、天皇が統治権を分解して「自分は権威の側にとどまる」ということをしたからです。
天皇が126代じゃないとしても、少なくとも1500年間「統治者として、日本国の権威を保持し続け、それによって安定的な政治体制を常に維持でき、外国の侵略を許さなかった」ことは評価に値すると考えています。
北の将軍一家はたしかに「今のところ、ソ連崩壊などの様々な国家崩壊の危機をなんとか回避して、北朝鮮を維持してきたが、今後も普通に国家を維持できるほどの安定性は無い」わけで、とても日本の天皇のように「統治権威として安定的な政治体制を維持する」とはいえないわけです。
>それとも国(というか地域)に根付いた蓋然性の程度なのでしょうか?
人間社会において、そもそも「社会」というのは蓋然性の高いもの、ですが、逆にいうと「社会という集団」自体は蓋然的・必然的に起こりえるもので、それだけでは「統治」とはいえません。
それは先ほど例に出した放牧民族の社会性や、日本でも「縄文時代の社会集団は多くて100人ぐらいまでで、それ以上になると争いを避けるために別の集落をつくった」と言われているように「統治権力」が生まれないと「数百人以上の社会集団=国家は生まれない」のです。
そのため「国家」という視点で北朝鮮と日本を比べるなら、歴代天皇の統治能力と金一族の統治能力を比べることになり「天皇の1500年以上の安定性」と「数十年3代に渡る統治でも安定性が全く見えない将軍一家」では明らかに違いがありますし、その国家に住む「国民」が統治者に持つ認識も全く違うものになります。
そういう点でいえば
・日本の天皇は他の国の統治体制や国家システムと比較されても、天皇制自体はほとんど影響を受けない
・北朝鮮の将軍家は他国と比較されると国民からの批判が噴出するのは明らかなので、国民が外国の情報に触れることを禁じている
という違いとなって現れます。
北朝鮮は間違いなく「盲目的にありがたがる(そうしないと殺される
)」のに対して、日本は「国民自体が天皇による統治を支持している」といえます。
>>仮に後者の場合にも"本質"という定理に相当する語彙が適当でしょうか?
「統治」と言う概念でいえば「金一族のような古今東西統制はよくある」ので別にそれが「おかしい・間違っている」とは言い切れませんが、しかし「統治の本質がその社会集団=国家を永続的に維持する、国民の原動力になる」という点では、日本の天皇制はかなり本質的な制度である、と私は考えています。
この場合の天皇は各代天皇を含めた「機関としての天皇制」という意味で「天皇各個人の実績」はあまり強く意識していません。
ちなみに一般的な共和制との比較ですが、21世紀になってから共和国では政治的論争「統治のあり方の議論」が激烈になっています。
たとえば多くの国では「極右大統領が誕生すると、移民排除など民主主義国家としてあり得ないことが起こるのではないか?」と心配されていて、国民の賛否が二分するような事態が起こりつつあります。
その例がトランプVSバイデンの大統領選挙であり、国論が二分するどころか、世界中の政治学者が「リベラルと保守の戦いがあまりにも加熱して、南北戦争のような状態になってもおかしくない」と懸念されるようになっています。
つまり「大統領制」という統治システムが《必ずしも安定的ではないし、君主制よりも優れているとも言えない》ということです。
天皇制を批判することは自由な民主主義国家である日本において「言論の自由」の一つです。しかし批判するなら、ぜひ
「じゃあ、どういう体制なら国民が幸せに生活でき、国内的な争いが起きにくくなるのか?そして外国に対抗しこの国を守るために一致団結できるのか?」
という点も合わせて考えてみることをお勧めします。これが「統治論」の一番基本的な部分なのです。
コメントありがとうございます。
スミマセン、統治の本質と統治者の本質で混乱しました。
限られた範囲(多くの場合地理的な範囲と思います)に暮らす人間の財産と生命を保全することが統治の本質と考えています。
これが正しいとすると統治者の本質は統治の本質を全うすることに最適と統治下の人々が考える人間ということで正しいでしょうか?
ご想像のとおり自分は天皇制に疑問を抱くモノで、立憲君主制の"君臨すれど統治せず"なら君主の人生の意義って何なの?って考えてしまいます。
身近な(?)米国や韓国分断が激しいニュースを耳にしますが、これが君主のいない大統領制国家だからというご意見には頷き難いです。(自分としては移民で構成された合衆国であることや同一民族で派手派手しく殺し合いした分断国家だからと考えています)
何が言いたいかと言うと天皇制を廃止しても日本人のスペックが変わったりしない様に思っています。
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日本人の天皇家に対する感覚と北朝鮮の人々の金家に対する感覚は同じという意見が多い一方で、期間の差や不敬に対する対応を差をご指摘いただきました。
彼の国は執権して3代ですから今後どうなるかだろうと思います。(インターネットの時代にしては凄いチャレンジですね)
また、不敬を許さない については明治維新の頃の尊皇攘夷や太平洋戦争時の皇国臣民といったスローガンを思い出しました。
結局は同じですね。