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No.4
- 回答日時:
人間が死を乗り越えるという意味は、残念ながら貴方が考えている事とは趣が違います。
想像を絶すると云った方が良いのかも知れません。誰でも死を恐れている時の願いは『自分は死なない事』を願っています、それこそが人生の救いといった考えです。処が如何いった苦悩をしたとしても、生まれてきた以上、死なない者がいない事は誰でもが認めている真実の一つです。
この世で生を受けたものの宿命として死を免れる事が出来ない事実が在ります。この事を悩み苦しんだ過去の人に釈迦がいます。この人の偉い処は、こういった人類最大と云っても良い様な死ぬほどの苦悩を乗り越える、『心の癒しともいうべき心理療法』を開発、或いは発明をした事です。
それは現代の精神医学でも未だに辿り着く事が出来ない点を上げる事で説明出来るかも知れません。それは『何故人間は苦しまなくてはいけないのか。』の解明と、その解決方法を実践して見せた点です。
人間が苦しむ原因は、本人の中に存在していると云っています、そうしてその原因が分からない事を『無明の故』と云っています。
なる程という処は、ストレスと云っても、ノイローゼと云っても死を怖がってそういった恐怖症になっている人も、周りの人達が恐怖していない場合でも、本人だけは自分一人だけ怖がっていると云った事実が在るからです。
つまりそう云った原因は、当の本人の中に存在していると云っています。そうしてその原因が、分からない事を無明の故としています。
この意味は、自分を怖がらせていた犯人が自身の脳自身だった事です。こう云った事を昔に気が付いた事は大変な大発見事だったと思われます。
現代では脳の測定とか、身体の測定とかはある程度出来る様になりましたが、人間の知恵が未だ未発達な為なのか知りませんが、釈迦が2,500年も前に気付いた事を科学的に証明する事が未だに出来ないでいます。
ですがヒントを上げる事は可能のように見えています。
釈迦が出逢ったものは仏性というものです、是は脳の中に同居している者です。その働きは各個体の生命発生装置兼、生命維持装置といった機能から出来ているものの様です。
その働きは人間のみならず、各種生物でも各種微生物でも、更に言うなら各種植物にも存在していると云った性質を持ったものとも言えます。
云い方を替えるなら、一種のDNAとも云える存在かも知れません。桜に例えるなら、その花の匂いから色も咲く時期も備わって生まれているといった趣きが在りますが、それらはあくまでも各個体によって固有なものを持っています。
昆虫であっても、動物であっても、微生物であったとしても皆同じです。それらにとっても全て生まれる前の備わったものによって決定付けられた、言い方を替えるなら、供えられたものによって、生きて行く存在となっています。
人間にしても同じです、全ての行動原理、或いは個体としての個性とか、髪の色とか、皮膚の色とかも備わった状態で生まれています。全てが親同士のDNAを引き継いで生まれています。
こういったDNAといったものでさえも、全てひっくるめにして『仏性=命の働き』と呼んだようです。心の中もそう云ったものによって全てが決められていると云っても良いのかも知れません。
心の中も身体の仕組みも全てが決定された状態で誕生しています。どの動物をとっても、植物をとっても、人間でさえもです。生まれて来てから生きて行く事を学ぶと云った事をする生き物がいない事からも、納得出来ると思います。
生命体として発生する以前、つまり受精が終わった瞬間から、細胞分裂を知っている者から教えられたとおりに繰り返しています。生まれた寸簡には既に決められた通りの、心拍数とか呼吸数とかホルモンの調節も行っていますが、こういった命の機能が正常に働く事を全て知っている者が、各個体の中に存在しています。
こういった働きをする者が『一切衆生悉有仏性』という仏性というものの働きといったら分かり易いかも知れません。
では人間の何処に存在している機能かというなら、右脳の機能或いは意識と言ったら良いものですが、別な言い方をするなら、人間の無意識の意識と云っても良いものです。
人間の場合では思春期頃に身体も脳も完成に近くなるようですが、この頃から人間の苦悩が始まる様になります。それは簡単に言うなら、心が二つに分裂した結果です。
左脳の意識は自我意識として、自我として目覚める事で成長をし始めていますが、右脳の意識は無意識の底に隠れてしまって、表に出る事が無くなります。処がその力は全てに勝っている時もある様です。
例えていうなら、余りに困った場合等では、自我意識に任せていられなと判断した場合では、『思わずに身体が動く事があります。』火事場のクソ力といった場合等です。こう云った時『自我意識は何もしていなかった事から、』何も覚えていない様です。
昔の田舎道などで運転している場合では時に分かり易いのですが、手は絶えず微妙にハンドルを切っています、処が自意識にはハンドルを切っている自覚はありません、是も無意識の自分がハンドルを切っています。
人間の脳内に意識が二つある証拠です、一つは自意識ですがもう一つは『無意識の意識』です、いいかるならこれが仏性です。ウイキぺデアからの転載です。
是はてんかんの治療のために左脳と右脳を繋いでいる脳梁の切断を一つの治療の方法として行っていた時代の話です、沢山の脳梁が切断された人が存在していた時代の研究成果の一つです。
”ロジャースペリー 分離脳
ノーベル賞受賞者
受賞年:1981年
受賞部門:ノーベル生理学・医学賞
受賞理由:大脳半球の機能分化に関する研究
ノーベル賞の受賞理由となった業績として分離脳研究がある。てんかん治療の目的で半球間の信号伝達を行っている脳梁を切断した患者に、片方の脳半球に依存することが知られている作業を行ってもらい、二つの脳半球がそれぞれ独立した意識を持っていることを実証した。”
人間に例えるなら、命を授かった瞬間から働き始めている働きの事を云っています。細胞分裂の仕方でも、順番でも全てを知っている者の事です。
そうして誕生した瞬間でさえも、成すべき事を成すべき順番に行っている事です、そうして思春期が来た場合では、しっかりと脳と身体が成熟をして、左脳は自意識として独立を果たして右脳の意識は『無意識の底に隠れてしまいます。』
このウイキぺデアの記事の中の脳内に二つの意識が在ると云った事柄を補完するために、脳卒中になってしまった脳科学者の講演の様子の動画も載せてみます。
脳科学者である女史が脳卒中になってしまって、右脳の自分と左脳の自分を体験として語っているものを載せてみます。
話が余りに長くなってしまいましたので、ソロっと結論です。
漠然とした不安とか、不安感とか安心感とか、或いは高いとかといった情報、或いは恋愛などでの好きとか嫌いとかの感情が湧き上る源は、右脳の情報が原点です。
死を思う時どうしようもない不安感が押し寄せていますが、この原因も右脳からです。右脳の機能は自分自身を助ける事が機能として備わっていますが、自意識がその右脳の機能を認める事が出来ない事が原因で、苦しみが増しています。
此処からが、魂の救いのクライマックスになります。右脳の機能は永遠からやって来ていますので、永遠といった概念を十分に把握をしています。自意識が永遠の命を希求する原因は、この仏性にその原因が在ります。
処が自我意識には『永遠を理解する能力が在りません』これが自意識が苦しむ原因を作っています。
自意識が仏性と出会う為には条件が在る様です、その条件の一つは『自意識の自我が弱くなる事です。』やつれ果てて自意識が我を張る機会が少なくなってきた場合などです、言い替えるなら、無駄な望みを捨てるとか、もうだめかもしれないと云って、自分の人生を諦めるような場合です。
先程の動画で、女史が人生を諦めると発言していましたがそういった場面です。禅問答とか禅の話の中で悟りを開くと云った場面では、大死一番と云った言葉が出て来ます。この事です。
そうして自意識がすっかり弱り切った場合では、全てを諦めてしまって『降参する事になります。』此処まで来た時、右脳の意識が出て来て自意識を救うという事になります。詰り魂の救いが成就する瞬間です。
自意識は死にたくないと思っていました、処が全てを諦めた瞬間、自意識の前に『仏性=無意識の意識』が現れます、その姿は永遠の趣をまとっています。
その永遠の姿に、自意識は感無量になっています。何故なら『求めていた永遠の命が既に自分の心の中に在ったからです。』
他の言い方をするなら、絶対に手に出来ないと諦めていた事柄が既に手中にあった事に歓喜をする事になるからです。
永遠の命を希求して苦しんで来た自分が、既にその命を持っていた事が実感出来たからです。この意味は、仏性が助けたいと手を繋ごうとしていた、その手を振り払っていた事が、自分の苦しみであった事が理解出来ます。
従って離解出来た内容は、人生に救いを求めていた事が自分の誤りであった事、人生に救いなど無かった事が『本当に人生の救いであった事』が実感出来る事です。
絶対に折り合う事が出来なかった事が、折り合う事が出来たという意味ですが、この事を西田哲学は『絶対矛盾の自己同一』と書いています。
禅などでは『全てを捨て去った後から全てが手に入る。』です。
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