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化学反応は、おおまかに分けて酸・塩基反応か酸化還元反応のどちらかである。という話を聴いた事があります。

確かに、化学の教科書で化学反応のページに載っているのは酸・塩基反応と酸化還元反応です。

世の中には、数え切れないほどの化学反応があると思うのですが、どんな化学反応でも酸・塩基反応か酸化還元反応のどちらかに属する、というのはいまいち信じられません。

化学反応の種類というのはそんなに単純に分けられるものなのでしょうか?
たとえどんな化学反応が起ころうとも、どんな化学反応式に出くわしたとしても、「酸・塩基反応か酸化還元反応のどちらかである」というような態度で化学を勉強しても問題ないのでしょうか?

また、有機化学の分野では付加反応とか縮合反応など、いろいろな名前の反応が出てきますが、これもより一般的に考えれば酸・塩基反応か酸化還元反応のどちらかに属する化学反応なのでしょうか?

A 回答 (5件)

有機化学が専門なので有機の話をさせていただきますが、おおまかにというので思いきりおおまかに言えば酸、塩基反応というのは電子密度が高いところから低いところに電子が流れる反応のことです。

こう考えるとDiels-Alder反応もジエンのHOMOからジエノフィルのLUMO(あるいはその逆)に電子が流れる反応なのでおおまかには酸、塩基反応といえます。考えなければならないとしたら3,3-シグマトロピーなど電子密度というよりは構造上の歪みが駆動力となって起こるような反応ですが、例えばsp2の結合角は120°と決めているのはそれが電子状態がもっとも安定だからなわけで、歪んでいるというのはその結合内に電子密度の差が出来ている状態です。これを解消するために反応が進行するわけですからやっぱりおおまかには酸、塩基反応と言っていいでしょう。またラジカルの反応は一電子酸化、還元になります。長ったらしく書いてしまいましたが電子状態に差がなければ少なくとも有機反応は進行しませんので、そのようなことを理解した上ならどんな化学反応でも酸・塩基反応か酸化還元反応に分けられるといっていいと思います。
最後に勉強の姿勢ですが、このような考え方は有機合成反応の反応経路を勉強するのには非常に役に立ちます。立体などの知識は必要ですが、基本的には反応式を見てそこにある分子のもっとも電子密度の高いところと低いところを反応させていく、それだけで教科書レベルの反応は全て説明可能なはずです。
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この回答へのお礼

丁寧な回答ありがとうございます。

化学反応というのは数限りないですが、もし酸塩基反応と酸化還元反応に分けられるのなら、複雑な化学反応という現象の見通しが良くなり、一般的に論ずることができ、分かりやすいとは思ったのですが、あまりに単純明快なので多少懐疑的なところもありました。

お答えにもありますように、実際は電子密度等の話題があるので、もっと勉強が必要だと感じました。

ありがとうございました。

お礼日時:2005/06/28 18:52

自分の言葉でなくて申し訳ありませんが、以前有機化学者として高名な向山光昭教授が「全ての反応は酸化還元反応である」とおっしゃったと聞いています。


また全ての反応を理解する上で#4のお答えにあるように電子が移動して始まるというのが福井謙一先生のフロンティア電子理論です。
ですので、#4のかたとはちがって「全ての反応は……に分けられず、全く一つのメカニズムしかない」と考えています。
この辺りは「定義の問題」が絡むのであまり立ち入りたくないのですが。^^
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この回答へのお礼

返信ありがとうございます。

全く一つのメカニズムしかない、という事になれば、
複雑な化学反応も躊躇しないで理解しようという気になります。

ありがとうございました。

お礼日時:2005/06/30 19:29

>という話を聴いた事があります。


これは次の一説が抜けていませんか。
「大学受験に使う無機の」
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うーん、例えばDiels-Alder反応は酸化-還元反応でも酸-塩基反応でも無い(場合もある)と言っても良いんじゃないでしょうか? π結合がσ結合に変わるだけ、と考えることもできると思いますが・・



まあ結局は定義をどう解釈するかの問題で、議論に意味があるかどうか判りませんが。
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酸・塩基にルイスの定義を当てはめて、



電子対を受け入れるもの=酸、電子対を与えるもの=塩基
電子を受け入れるもの=酸化剤、電子を与えるもの=還元剤

とすれば、多くの化学反応はどちらかが関係しますからご質問のようなことがいえるかもしれません。たとえば、
 Cu^2+ + S^2- → CuS
の場合、普通は酸・塩基反応でも酸化還元反応にも分類しませんが、ルイスの定義であれば電子対を受け入れるCu^2+が酸、電子対を与えるS^2-が塩基です。

一方、付加反応や縮合反応や置換反応などの場合、反応機構まで掘り下げて考えると、電子やH^+ や電子対の授受が関係しているかもしれません。

ただし、「おおまかに分けて酸・塩基反応か酸化還元反応のどちらかである」と表現することが何か化学の学習の役に立つのか、そのあたりはよくわかりません。
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