お世話になります。初心者的質問で恐縮です。ふと、疑問に思ったので質問させていただきます。
通常、住宅を賃貸したときは、家主から住宅を借りている訳ですから、家主としては借りる条件を設定する(例えば、犬を飼ってはいけないという条件を附する事)は家主に対する約束事ですから、その約束事を破る時には、家主は退去勧告等出せるのは当然と思います。
問題は所有権所得型の団地(マンション)の場合にも利用規約(管理規約)というものがありますが、それには、強制力はあるものなのでしょうか?
基本的に購入者に所有権はあると言う考えにたてば、その住宅をどう使用収益しようと(例えば、犬を飼って、近隣に迷惑をかけたとしても、それは、通常の一軒家でのご近所問題と同じレベルの問題ではないかとも考えられます。通常の所有権取得型の一軒屋では当然の如く利用規約など無い訳ですから)、それは購入者の自由であり、利用規約(管理規約)として規制出来る筋合いのものではないとも思えます。
そのような、利用規約の強制力の根拠が良くわかりません。ご存知の方、教えて下しさい。
No.5
- 回答日時:
補足が付いているので・・・。
まず、管理規約が法令の範囲内か、と言うご質問ですが、これはすでに#1~3で書かれているとおり、区分所有法で「定める事ができる」とされている規約ですから、当然に法令の範囲内と解釈します。
もっとも、この説明だけでは納得されないと思うので、判例として、東京地裁平6.3.31の判決を挙げておきます、その判決の中で、「区分所有法は、区分所有者及び区分所有者以外の専有部分の占有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない旨規定し、建物又はその敷地若しくは付属設備の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律で定めるもののほか、規約で定める事ができると規定して、同法第3条所定の区分所有者の団体が定める規約に法的な効力を賦与し、かつ『区分所有者の共同の利益に反する行為』として、具体的にどのような事項を盛り込むかについて、右団体の自治にゆだねる態度を取っている。」と言う部分があります。判決文中に有るとおり、規約には法的な効力が賦与されている、と言うのが通常の解釈です。
それと、ペットの飼育については、東京高裁平6.8.4の判例があります。長くなるので引用は避けますが、簡単にまとめると、「区分所有者は管理規約で共同の利益に反する行為の具体的内容、範囲を定める事ができ、マンション内での動物の飼育を一律に禁止する事もでき、その規約が飼い主の権利に特別の影響を与えるののではない」としています。
マンションというのは共同住宅であり、どうしても戸建てほどの独立性がありません。それ故、戸建てよりも生活上の制約があるのは、やむを得ない事と思われます。それでも、少しでもトラブルを少なくするために、共同生活のルールを定めるのが管理規約です。それに一軒家なら何をやっても良い、と言う物ではなく、近隣への配慮は必要でしょうし、あんまりわがままを通せば、村八分になるのが落ちでしょう。自分のやりたい放題の生活をしたいのなら、山中の一軒家にお住まいになるべきだと思いますね。
参考URL:http://www.kamisama-tasukete.com/archive/jyuutak …
この回答への補足
>「区分所有者は管理規約で共同の利益に反する行為の具体的内容、範囲を定める事ができ、マンション内での動物の飼育を一律に禁止する事もでき、その規約が飼い主の権利に特別の影響を与えるののではない」としています。
ここで、言及されている権利が「所有権」の事だとすると、民法206条及び、その「法令の制限内」に利用規約が含まれることから、「その規約が飼い主の【所有権】に特別の影響を与えるののではない」というのは納得です。ところで、ここで、言及している「権利」は所有権以外も含まれるのでしょうけど、その法律上の根拠が気になる所ですが、おそらく、同様に、公共の福祉(共同の利益)による制約がある?のでしょうね。
>もっとも、この説明だけでは納得されないと思うので、
あ、いえ、前の説明で十分に納得できました。ただ、私のは、同じ事を右から見て理解するか、左から見て理解するか程度のことですので、あまり気にされなくていいですよ。決して、見解に疑義があるわけではありません。(書き方が悪かったですね。)でも、教えていただいた判例は参考にさせていただきます。
>あんまりわがままを通せば、村八分になるのが落ちでしょう。自分のやりたい放題の生活をしたいのなら、山中の一軒家にお住まいになるべきだと思いますね。
全くですね。我侭といえば、一区分所有者の我侭な主張も許されないし、規約規定者(多数区分所有者)の強行規定に反する利用規約を設定するという「我侭」もまた許されないということですね。どちらの我侭も許されないという意味では、程よくバランスが取れているように思います。そういう意味では良く出来た法律ですね。
あと、今回の質問は特に私自身の直接の利害関係がある問題という訳ではありません。単に、知的興味心から質問させていただいます。念のため。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
根拠等については、すでにすばらしい回等が付いておりますので、補足(蛇足?)を少々書かせていただきます。
まず、マンションの管理規約は、「区分所有者の共同の利益」を守るためにあります。「公共の利益」ではありません。考え方としては、マンションを小さな自治組織と考え、その中のルールを定めたもの、と思っていただければ、わかりやすいかと。所有権を制限するのもでは有りません。言ってみれば、生活上のルールでしょうか。
あくまでも、「区分所有者の共同の利益」のためのルールですから、各種の法律に違反しない限り、内容は区分所有者の多数決で定める事ができます。
特にペットの問題などは、その典型例で、全面禁止にしているところ、1代限りで認めているところ、ルールを作って解禁してるところなど、実にさまざまです。
このあたりは、区分所有法に定められた手順を踏んでいれば、区分所有者が自由に決めることができます。
で、なぜか「利用規約の強制力」にこだわっておいでのようですが、管理規約の「自治規約」的な意味合いを考えれば、共同体に入った以上、従う義務があると考えるべきでしょう。
仮に従わなかった場合ですが、「罰則」はありません。しかし、共同体のルールに従わない方には、共同体にいてもらっては困りますので、管理組合の総会で、「行為の停止請求」「専有部分の使用禁止」「専有部分の競売」などが決議できます。
最悪の場合は、マンションから追い出される、と言うことです。
マンションと言うのは共同住宅ですから、一軒家に比べてどうしても色々なトラブルが発生します。それを少しでも減らそうと言う目的で作られるのが管理規約です。ですから、このルールに従えない人は、マンションに住む資格がない、とさえ言えるでしょう。
通常、新築マンションの管理規約は、販売業者が設定して、購入者はその内容を承認する、と言うような承諾書を提出するのは普通です。したがって、内容を知らなかった、では通りません。ただ、この規約が未来永劫にわたって使われるのか、と言えば、NOです。
あくまでも「区分所有者の共同の利益」が目的ですから、区分所有者の大多数が、この部分は変えたほうがよい、と考えれば、総会で3/4以上の賛成で、規約を変更する事もできます。
ちなみにペットの事では有名な判例があります。ペットを飼育している人がいたマンションで、ペット飼育禁止の規約が制定されました。それまでペットを飼っていた区分所有者がこれを不服として訴えたのですが、結果は「ペット飼育禁止の規約改正は有効」と言う判決が出ています。「ペットの飼育」は場合によっては、「区分所有者の共通の利益に反する」と言う判例が出ています。
この回答への補足
>所有権を制限するのもでは有りません。
民法206条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する
「ペットの飼育」は所有物(マンション)の使用に該当し、利用規約を民法206条の「法令の制限内」にないものと見たときという仮定において、#3の補足で書いたのですが、st_tailさんのご意見は「利用規約」が「法令の制限内」に「あるもの」という場合のお話ですね。
>「公共の利益」ではありません。
所有権ときたので「公共」と思い込み(勘違い)してしまいました。確かによくみたら、「共同」ですね。
>あくまでも、「区分所有者の共同の利益」のためのルールですから、各種の法律に違反しない限り、内容は区分所有者の多数決で定める事ができます。
なるほど。とすると、民法上の「契約時の効力発生」の場合と同じということですね。つまり、各種法律の強行規定に反することは利用規約に規定できないが、任意規定に反することは規定してよい。(正確には、強行規定に反することも規定できるが、規約として効力を有しない)ということですね?
>「ペットの飼育」は場合によっては、「区分所有者の共通の利益に反する」と言う判例が出ています。
やはり、「ペットの飼育を禁止すること」は強行規定に反しないと言う考えですね?確かにそうなんでしょうね。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
集合住宅の法律もなかなか難しいですね。
ひとつずつ見てみましょう。
まず、区分所有法というものがあります。
これは、いわゆるマンションなどを規制する法律です。
そして、団地タイプの分譲の集合住宅もこの法律の対称になります。
ご相談者様のおっしゃる団地を購入した人は、区分所有者と呼ばれます。
区分所有者は戸建てを購入した人と違って、この法律に縛られてしまいます。
ここまでを前提条件とします。
さて、管理規約に区分所有者が縛られるかどうか、強制力があるかどうか、という点ですが、他の回答にもありましたとおり、区分所有法の30条に明記されています。
建物又はその敷地若しくは付属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。
後半にある、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる、という部分がポイントです。
つまり、この法律に定めてあることと、規約で定められたものが区分所有者が守らなければならない、ということです。
もっと言えば、規約に定められると、区分所有法と同様の強制力があるということです。
それから、区分所有法第六条に
区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
となっています。
ペットは、好きな人も嫌いな人もいます。
また、アレルギーを持つ人もいます。
そして、団地やマンションは、集合住宅です。
ここまで考える時、病気の原因になるものは、共同の利益に反すると言われても仕方ない部分があると思われます。
さらに判例で、ペット禁止を飼育者がいることを確認してから設定したことを認めました。
これらのことから、ペットを飼育するのは、規約でペットを認める条文がない限り、難しいと思われます。
集合住宅は共有財産です。
みなさんで協力して快適な生活を得られるよう、お祈り申し上げます。では。
この回答への補足
>区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
なるほどです。【公共の利益】ですね。憲法上の要請(憲法上では「公共の福祉」?でしたか?でも同じようなものなのでしょうか。)により、所有権も制限できると言う根拠ですね。とても明確で解り易いです。
つまり、同法では初めから所有権の及ぶ範囲を所有権取得型一軒屋より狭く設定するのではなく、ある程度の所有権の及ぶ範囲(それには、ペットの飼育の権限は含まれる)を設定し、公共の利益という憲法上の要請により、所有権の絞りにあたる利用規約に規定のある場合にはペットの飼育を禁止できる権能を与えている。と言う理解でよろしいでしょうか?
>さらに判例で、ペット禁止を飼育者がいることを確認してから設定したことを認めました。
つまり、判例上は実際にペットを飼っている人がいたとしても(つまり、一部の人の利害に反しても)、事後的に、利用規約で定めさえすれば、民事的措置をとることが可能ということでよろしいですか?
あと、利用規約で決めたとして有効性を持つ範囲の外延はどこまでなのでしょうか?
例えば、私人間の契約においても公序良俗(民90条)等に反する契約は規定したとしても効力はない、つまり、無効ですが、この利用規約の決定事項においてもココまではOK、ココからはNGというという決定された事項が有効性を持つか否かを判別する基準はなんなのでしょうか?【公共の利益】だけでは実に抽象的であり、恣意的に解釈するときには何が何でもこの【公共の利益】に反するということで利用規約に規定したら何に対しても民事的措置が可能になってしまうのでしょうか?
>集合住宅は共有財産です。
購入者個人のみの所有権が及ぶ範囲は同法1条に示されている「所有権の目的」とすることが出来る範囲であり、それ以外の部分が共有財産(共同所有物)ということでよろしいですか?
それとも、同法1条に示されている「所有権の目的」とすることが出来る範囲も含めて団地住民の共同所有物ということなのでしょうか?
その辺も合わせて教えていただけると幸いです。
No.2
- 回答日時:
回答がわかりにくかったようですみません。
区分所有方の第30条第1項ですが、
第三十条 建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。
となっております。(第2項以下省略します。)
で、たとえば部屋の中で犬を飼う、ということは、「建物」の「使用」に関する事項である、というまずこの点はよろしいでしょうか?
では次に、守らなくてはいけないのか、という点ですが、「規約で定めることができる。」とありますが、規約で定めることはできるがその規約は守らなくてもよい、と解釈するのは変ですので、「定めることができる。=守らなくてはいけない」と解釈します。
で、つぎに、たとえば規約で犬を飼ってはいけないのに飼ったら、区分所有法上罰則があるかといえば、ありません。
また、区分所有法に根拠をおく規約に罰則を定められるか、といえば、これもできません。つまり、規約に反して犬を飼っても、そのことに対する罰則はありません。
では、じゃぁ規約を無視して犬を飼っても問題ないか、といえば、次は実際問題他の人に迷惑をかけるか、という話になります。隣の人が、犬の吠え声がうるさい、あるいは匂いがする、抜け毛が気になる、となったとき、一軒家ではご近所問題のレベルですが、規約で禁止されている場合は、そもそも犬を飼っている人がまず規約に違反しているわけですから、実際にトラブルになった場合は圧倒的に不利になると考えられます。
無論、犬を飼ってはいけないという規約自体が妥当かは議論の余地がありますけれど、その場合は規約を無視して犬を飼う前に、規約の改正を申し立てるのが先、という建前になると思います。
この回答への補足
>回答がわかりにくかったようですみません。
あ、いえ、こちらこそ勉強不足で、(というより全くの素人で)恐縮です。
>無論、犬を飼ってはいけないという規約自体が妥当かは議論の余地がありますけれど
ええ、そこが疑問点なんです。結局、規約は多数決(?ですか?)で裁決をとり決定しているのですから、仮に、公序良俗的な規約は決定されたとしても、私人間の契約事項の効力発生に関して問題となるように問題になるなんてことはないのでしょうか?
また、公序良俗でなくとも、人間らしく生きる権利(?そんなのあります?)としての一面としてペットを飼う権利などというのが仮にあるとしたら、規約で定める「公共の利益」と衝突する可能性もある?(勝手な妄想でしたらごめんなさい)と思えるのですが、その場合に一つの解決手段として、「規約の改正を申し立て」があると思うのですが、その規約自体の法的な無効性についてはいかがでしょうか?
あと、no.3の方の補足に他の質問事項を書きました。もし、良かったらお答えください。
No.1
- 回答日時:
区分所有法第30条が根拠になっておりますのでご確認ください。
管理規約は法的に守らなければならない性質のものであることがご理解いただけると思います。
この回答への補足
>管理規約は守らなくてはならない・・
すいません。勉強不足で同30条を読む限りでは「守らなくてはいけない」ものであるかは判別できませんでした。
その守らなくてはいけない根拠を素人にもわかりやすく教えていただけると幸いです。
あと守らなくていけないという場合には利用規約違反者(例えば、規約に違反して犬を飼っている人)にその効力を担保する為の「罰則」等があると思います。それは同法何条に規定されているのでしょうか?
もう一点なんですが、この利用規約に効力があるとして、その効力範囲は「共有部分」すなわち個人の所有権の効力が及ばない範囲に関するものなのでしょうか?
(つまり、犬を飼う飼わないは規定することが出来ない?)
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