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環境学のレポートに取り組んでいる大学生です。
ダイオキシン生成とは具体的にどのように反応が進むのでしょうか?塩化物とベンゼン環を持つ物質を高温条件にしたら、発生する、程度の知識しかありません。高温、ということは必ずしも燃焼しなくても生成するということでしょうか?また、ダイオキシンはこれほど簡単に身の回りにある材料から生成する物質で、しかもピコグラム単位で毒性を持ち、環境ホルモンとしての作用もあわせ持つにもかかわらず、ダイオキシンで死んだ人はほとんどおらず、男女の人口にいまだ大きな差もないのはなぜでしょうか?化学・医学を専門としている人からの解答をお待ちしてます。

A 回答 (6件)

ちょっと違うかもしれませんが、「気相反応における塩化フェノールからポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシンの生成機構」という論文を見つけました。



一応、訳してみましたが、約していて自分でもよくわかりませんでした。(笑)参考URLにDOIを載せておいたので、ぜひ御自分で原著を読んで欲しいと思います。(Weber, R.; Hagenmaier, H. Chemosphere 1999, 38, 529-549.)


[概要]Copyright (C)1998 Published by Elsevier Science Ltd.
塩化フェノール化合物を280℃の熱的条件でピロール分解(Pyrolysis)することで塩化ジベンゾジオキシン誘導体(PCDD)が形成された。

塩化フェノール類を気相で酸素存在下340℃に加熱することでPCDDだけでなく、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)も形成された。この塩化フェノールからPCDD/PCDFへの反応機構が明らかとなった。すなわち、第一歩はPCDDsとPCDFsを形成することができるphenoxy radicalが形成されることである。このラジカル生成は、大気中の酸素からラジカル生成に依存しており、アルゴン雰囲気下では420℃まで加熱しても塩化フェノール二量体は生成しなかった。

反応中間体の同定と観測可能な塩化フェノールから形成された各種のPCDF異性体を分析することによって、反応経路は説明できる。すなわち、PCDFsの反応中間体としてポリ塩化ジヒドロキシビフェニル化合物が観測されたが、これはフェノールのオルト位の水素がフェノール性酸素原子上に転移して発生した2つのphenoxy radicalが二量化して形成されていると考えられる。

PCDDsはオルトフェノキシフェノール(POP)類縁体を経由して気相中でフェノレートをピロール分解(Pyrolysis)することで形成されるが、POPs生成の最初の縮合段階であるラジカル生成機構のためには、塩素原子が置換に有用であるほか、水素原子も可能である。

DOHBsの形成およびそれらのPCDFsとhydroxylated PCDFsへの縮合は、PCDDと形成したPCDFの比と同様に、反応温度、塩化フェノール化合物の置換パターン、および酸素濃度に強い依存を示している。

参考URL:http://dx.doi.org/10.1016/S0045-6535(98)00200-8
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「ダイオキシンで死んだ人」というのは、「タバコが原因で死んだ人」というのと似ています。


例えばタバコの場合、喫煙がもとで肺ガンを発症し死亡するのであって、この場合死因は「肺ガン」です。
しかし肺ガンは喫煙以外の要因でも発症しますので、肺ガンで亡くなった人は全て喫煙が原因しているわけではありません。

同じように、ダイオキシン類が原因で他の病気、例えばガンを発症して死亡した場合、死因はガンです。
しかし、ガンで亡くなった人は全てダイオキシン類が原因しているとは言えません。
ですので、ダイオキシン類が原因で死亡した人がいないのではなく、ダイオキシン類が原因で病気を発症したのか、他の原因で発症したのかがわからないのです。

また人口については、出生率、死亡率などいろいろな要因が絡み合っており、疾病が原因で目に見える形で人口が変動することはありません。もちろん男女の構成比にも差は出ません。

ダイオキシン類の毒性よりも、タバコの毒性の方が強いのですが・・・
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ゴミ焼却場におけるダイオキシン生成に関する詳細なメカニズムはわかっていないと思います。


言うまでもなく、ゴミは複雑な混合物であり、ゴミの燃焼も複雑な反応です。しかも、ダイオキシンとなるものの割合は極めて低いものであるために、我々の予想もつかないようなメカニズムで生成しているものと思われます。たとえば、全体の1億分の1程度の割合で生じるものについて、その発生メカニズムを調べることは非常に困難だと思います。また、ダイオキシンと言っても、種々の構造のものが存在しており、その毒性にも大きな差がありすので、よけいに複雑です。
現実問題としては、ゴミを燃焼させるときの条件を制御することによって、ダイオキシンの発生を抑制しているということでしょう。

微量のダイオキシンを含む枯れ葉剤がベトナム戦争で大量に散布され、その結果として、重大な人的被害を与えたことはご承知だと思います。その場合も、ダイオキシンは、意図的に作られたものではなく、製品中に極めて微量に含まれる、不純物のようなものでした。そういう意味では、微量であれば、予想外のところでできてくる可能性があると言えなくもありません。

小生の認識不足かもしれませんが、ベトナム以外では、過去に大量に散布された事はないように思います。
また、塩素を含む合成樹脂など、ゴミとして焼却したときにダイオキシンを発生する可能性のある物質が広く使われるようになってからの歴史も浅いと言えるでしょう。
医学、疫学的なことはわかりませんが、大きな影響が出るとしても、これからのことではないでしょうか。
それを予測する意味でもベトナムでの被害状況を精査しておくことが大きな意味を持つように思います。
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こちらの本を読まれることを強くオススメします。


開眼されること間違いなしです。

ダイオキシン―神話の終焉
シリーズ・地球と人間の環境を考える
渡辺 正 (著), 林 俊郎 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4535048 …

「ダイオキシン・神話の終焉(おわり)」を読む
http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/030801dai_shinwa.htm

参考URL:http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/030801dai_shinwa.ht …
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実際に燃焼炉などでダイオキシン類が発生する場合は様々な経路が存在するため、これとこれを燃やすと発生するという具体的反応はありません。


例えば塩化ビニルを燃やすとダイオキシン類が発生することはよく知られています。しかし『燃やしてもダイオキシン類を発生しません』と書かれているPE製の製品も、食品などに含まれる塩分を塩素源にして、ダイオキシン類が発生することがわかっています。
要は炭化水素(特にベンゼンなどを含む)と塩素さえあれば不完全燃焼でダイオキシン類は発生します。

また、ダイオキシン類はそれが直接の死因になることはまずありません。しかし微量でも体内での内分泌をかく乱させて死に至らしめることがあります。
そもそも毒には即効性のあるもの、ないものがありますし、それが直接の死因になりうるものと間接的な死因になりうるものがあるわけです。
例えば青酸カリは即効性でそれが死因になりえますが、ダイオキシン類は遅効性で、ダイオキシンによって引き起こされるガンなどで死亡します。

また余り大量に摂りすぎるとバターのような汗をかき、発狂、幻覚などを引き起こすケースもあるようです。
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初めまして、大学院博士課程で環境学(環境化学かな?)を専攻しています。


ダイオキシンは専門外ですが、ダイオキシンの生成過程というものは非常に複雑な経路をとりますし、様々な提案が成されております。
塩化物とベンゼン環というよりも、塩素化された芳香族(クロロフェノール等)を前駆物質とした熱変換反応というのが一般的です。その生成過程にはフリーラジカルを含めた縮合反応、環化等が複雑に絡み合ってるというイメージを持っておくといいでしょう。

低温下でもダイオキシンは発生します。オルトハロゲンフェノールの縮合によるPXDDの生成がそれで、150度あたりで求核生成メカニズムがそれです。
これは特に酸素源を必要としないので燃焼という過程はありません。
他に光化学反応による生成、酵素反応による生化学的生成も知られています。

毒性に関してはよく分かりませんが、ウクライナの大統領は一服盛られても生きてますね。顔がえらいことになっていますが。そういった経緯もあり、実は猛毒と言われているが実は決してそうでも無いのでは!?と言った声も上がっているようです。

老婆心ながら・・・ダイオキシンという表現は少しおかしくて、ダイオキシン類と表現するのが正しいですよ。ダイオキシンといっても様々な種類があり、塩素に限らず臭素のものでも「ダイオキシン」です。正しくは臭素化ダイオキシン類ですが。

まあ、まだ私も学生なのでまだまだ未熟ですが、参考になればと・・・
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