私は理論物理系大学院生なのですが、院生のくせにそんなことも分からないのかといわず教えてください。
小学生のころに野球の本を読むと、投手の球速が速ければ速いほど打った打球は速くなると書いてありました。
原理は壁にボールを速く投げつけるほど返ってくる球速が速くなるのと同じだそうです。
確かに小学生の時はその説明で納得していたのですが、物理を学ぶにつれその説明に疑問を抱くようになりました。(力学に関しては高校物理に毛がはえたような知識しかありませんが…)
運動量保存則の観点から考えると、投げられたボールと打つ打球の方向は正反対なので速ければ速いほど飛距離は短くなるのでは?と思うのですが…。
勿論バットは人の腕とつながっているので単純に保存則が成り立つとは思えないですが、少なくとも速いボールを打つことが打球の速さにつながるとは思えないのです。
それに試合前のフリー打撃の時に強打者は遅いボールを軽々とスタンドに運んでいるのを見るとますます、投げられたボールの速さと飛距離の関係に疑問を感じます。
この質問を一度助手の先生に質問したことがあったのですが、非常にあいまいな説明で、本人もあまりよく分かっていないようでした。
どなたか、明確な回答をよろしくお願いします。
No.15ベストアンサー
- 回答日時:
硬式野球もやった事がなく,流体力学もほぼ0に等しい知識しか持っていないので,
これ以上絞っても私からは何もでてきませんが,
No.14 までの私の回答で怪しいと思われるところを書いておきます.
まずは,ボールの回転等は一切考慮していません.ということで,
空気抵抗の大きさについては私が挙げた数値自体がずれている可能性も大きいですが,
> 150km/h以上のストレートが7km/hの速度の減少ですんでいることから、
> 空気抵抗を多めに見積もっていることになりますね。
これもその影響かもしれませんね.
次に,おそらく飛距離の'差'についての影響が最も大きいと思われる
MV' - MV = -fΔt + FΔt
の式の右辺です.
f,F,Δt とも実際にどうなっているのかさっぱりわからない状況です.
ここは実験をする以外に方法がないのかもしれません.
> 145km/hと150km/hのボールを打つことで
> どれだけの飛距離に差が出るというのでしょうか?
実は,145[km/h] と 150[km/h] くらいの差だと,
今のモデルでもあまり飛距離差はないのです.
この程度の球速の差なので反発係数の変化は 0 ,
それから「150km/h以上のストレートが7km/hの速度の減少ですんでいる」を考慮して
パラメータを少しいじって計算した結果を書くと
球速の差Δv[km/h]:2.0 4.0 6.0 8.0 10
飛距離差Δx[m]:0.60 1.0 1.6 2.2 2.7
といった感じです.
球速が 10[km/h] 変わっても 3[m] 以下の変化なので,
これは毎回のスイングや当たり所,バッターの調子等の
誤差に埋もれてしまうと思います.
ただ,球速を 0~150[km/h] と大きく変化させると
今のモデルでは 23[m] 前後の飛距離差が出てしまいます.
今まで考えてみての感想としては,Δv が 10[km/h] 程度のときは
FΔt = const. がそれなりによい近似になっており,このモデルも捨てたものではない.
Δv > 100[km/h] などという大きな変化になると,
FΔt = const. の近似が破綻しこのモデルは使えない,
といったところでしょうか.
おそらく,私が思いつくところはもう他にはなさそうなので,
質問者さんがこの問題を考える上で,私の今までの回答が参考になれば幸いです.
回答ありがとうございました。
結果の真偽はどうであれ、非常に奥の深いやりがいのある思考実験ができたことに大変感謝しております。
また折に触れこの問題を考えてみたいと思います。
長い間どうもありがとうございました。
No.14
- 回答日時:
なかなか打球の速度のデータが見つからなかったのですが,
http://baseballclub.web.infoseek.co.jp/practice/ …
このページで高校生の力の強い選手で 140[km/h] という数値が見つかったので,
金属バットを用いた力のある高校生の設定で計算をしました.
ちなみに,参考URLの学校は今年度夏の大会準優勝チームと
府大会決勝を戦ったチームです.
使った数値は
金属バットの反発係数 e:0.48
(v=0の場合の)衝突後のボールの初速 v':140[km/h]
バットのヘッドスピード V:120[km/h]
ボールの重さ m:0.145[kg]
バットの重さ M:0.850[kg]
です.
今回は,前回までと違い少し細かいところも詰めてみました.
具体的には
(1) インパクト直前のボールの速度
ピッチャーが 130[km/h] で投げてもインパクトの瞬間には速度が落ちています.
また,ホームラン性の当たりの場合,バットとボールは正面衝突ではありません.
(2) MV' - MV = -fΔt + FΔt の式についての修正
式自体はこのままの形を用いていますが,
ヘッドスピードがインパクトの前後で変わらないという
バッターの体感を鵜呑みにするわけにいかないので,
同じようにバットを振るという事から FΔt ≒ 一定 を採用.
(3) 空気抵抗
No.13 で書いたように
(1/2) * 0.3 * 1.3 * 3.14 * (3.7*10^(-2))^2 * v^2
を使い,実際に数値計算をおこないました.
これは,打球だけでなくピッチャーが投げた球にもかかります.
数値計算の結果 130[km/h] の球だとインパクトの時点では
116[km/h] 程度に落ちています.
(4) 反発係数の衝突速度依存性
おそらく衝突速度が大きいほど小さくなるのではないかと思って調べたところ,
http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gi …
このページのようなゴルフボールの例しか見つからなかったのですが,
やはり,反発係数は衝突速度の増加にしたがって小さくなるようです.
の4点です.
(4) の反発係数の減少はどの程度かわからないので 5%~10% の各場合について計算.
また,バックスピンなしで最もよく飛ぶ打球の初速の仰角は41°となったので,
その角度で打ち上げるためにインパクトの瞬間の
バットの進行方向とボールの進行方向のなす角を15°として,
インパクト直前のボールの速度 116[km/h] に cos15°をかけて
v=0[km/h] と v=112[km/h] の飛距離差を計算した結果は
5% :132.3 - 107.3 = 25.0[m]
6% :131.2 - 107.3 = 23.9[m]
7% :130.3 - 107.3 = 23.0[m]
8% :129.5 - 107.3 = 22.2[m]
9% :128.5 - 107.3 = 21.2[m]
10%:127.5 - 107.3 = 20.2[m]
のようになりました.
ただし,107.3[m] という飛距離は v=0[km/h] のボールを打ったときの飛距離ですので,
ノックというよりはティーバッティングを想像してください.
ボールを少し投げ上げてノックする場合は,インパクト直前の
ボールの落下速度が加わるので数メートル飛距離が伸びます.
貧弱な持ち駒でやった割にはそれなりの値が
出たように思うのですが,どうでしょう?
回答ありがとうございます。
ここまで厳密に考えていただいて非常にありがたいです。何のひねくれも悪意もありませんが正直言って、単純にrynさんの考えや計算結果から定説となっているピッチャーのボールの速度と打球の相関関係を鵜呑みにすることはできないです。(だからと言って、代替え案はありせん。だからこうして質問させて頂いているのです)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~s-a/speedgun/qa.html
このサイトから恐らく150km/h以上のストレートが7km/hの速度の減少ですんでいることから、空気抵抗を多めに見積もっていることになりますね。
またノック時はテークバックの時間が短く、踏み込みも十分ではないためスイングスピードが遅くなり単純には計算できないはずです。
また、23m前後の飛距離の差も大きすぎます。
それ以上に、ボールが速ければ速いほど飛距離のアップにつながるという定説の定着に納得がいきません。145km/hと150km/hのボールを打つことでどれだけの飛距離に差が出るというのでしょうか?確かに少しは伸びるかも知れませんがあえて言うほどのことではと思うのですが。
どちらにせよ、rynさんの賢さ、頑張り(執念?)には恐れ入ります。書き込みの時間からして大学生の方でしょうか?(違っていれば申し訳ありません) だとしたら私も見習わないといけませんね。
書き忘れていましたが、単に私が納得していないだけで、もしかしたらrynさんの計算は合っているのかもしれません。なので否定はいたしません。
どうも回答ありがとうございました
No.13
- 回答日時:
一応,空気抵抗の大きさを見積もってみました.
ネットで調べたところ硬球の重さは約145[g],大きさは周囲約23[cm]
という値を見つけたのでそれを使っています.
とりあえず,今の問題でのレイノルズ数を
空気の密度: ρ = 1 [kg/m^3]
空気の粘性係数: μ= 2×10^(-5) [kg/(m・s)]
空気の動粘性係数: ν= μ/ρ = 2×10^(-5) [m^2/s]
として概算すると
Re = v(2r)/ν ~ v*(2*4*10^(-2))/(2×10^(-5)) = 4*10^3*v
となり,打球の速度が180[km/h]だった場合
Re = 4*10^3*50 = 2*10^4
というように 10^4 のオーダーとなります.
そうすると,ストークスの式
6πμrv
は使えないので(この式の適用範囲は Re<1)
(1/2)*(Cρπr^2)*v^2
という式を使って抵抗の大きさを見積もってみました.
ここに出てきた C は抗力係数で
レイノルズ数が 10^3~10^5 あたりでは C~0.3 となります.
すると,
(1/2) * 0.3 * 1.3 * 3.14 * (3.7*10^(-2))^2 * v^2
≒ 8.4 * 10^(-4) * v^2
となり,とりあえず打球の初速度として
182 < v' < 246 [km/h]
(51 < v' < 68 [m/s])
あたりを使うと空気抵抗の大きさは
2.2 ~ 3.9 [N]
となります.
一方,ボールにかかる重力は
0.145*9.8 ~ 1.4 [N]
なので,やはり空気抵抗は考慮すべきだと思います.
ただし,解析的に解けない微分方程式がでてくるので
飛距離の差をどれくらい小さくすることになるのかは計算していません.
No.12
- 回答日時:
> 実際の結果とはほとんどそぐわないとみて間違いないと思います。
これは考慮されていない事柄が多いので数値まで現実にあわせようとすると
あまりよい結果が得られないのは当然だと思います.
今の段階でこのモデルが間違いだとするのは早計です.
空気抵抗や No.9 で無視した (Δt/M)*(F-f) などの項は
どちらも飛距離の差を小さくする項なので
現実の飛距離とconsistent にしたいのであれば
きちんと考えなければいけません.
> それに空気抵抗についてですがボールが球状であること、
> 硬球の大きさ、重さ、スタンドに入るまでの時間(2~3秒前後)から考えてもさほど影響はないでしょう。
球状という事から影響がないとはいえないのではないでしょうか?
ピンポン玉に対する空気抵抗が無視できるとは思えないので,
硬球の密度が重要でないかと思います.
流体力学にあまり詳しくないので,
例えば,打球の初速 182 ≦ v' ≦ 246 の範囲だと
どれくらい飛距離差に影響したか教えていただければ幸いです.
また,No.9 での結果
v' ≒ e( V - v ) + V
= e|v| + (1+e)V
を使うと質問者さんの体験とあわない事や,
打球の初速 182 ≦ v' ≦ 246 の時点で
あまりにも変化が大きいという事を考えると
(Δt/M)*(F-f)
を無視するのはあまりよくない事なのかもしれません.
すでに書いたようにこの項も飛距離の差を小さくする効果があります.
つまり,同じように打てば打者が出す力 F は変化がほとんどないのに対し,
ボールとバットの間の撃力 f はピッチャーの球が速いほど大きくなります.
そうするとピッチャーの球が速いほどインパクト前後での
バットのスピード変化が大きいことになります.
体感ではインパクト前後でスピードはほとんど変わっていないと感じるしれませんが,
例えばインパクトの前後で
V'-V = 10[km/h]
と大きく変わってしまった場合でも,
スイングにかかる時間は V'=V の場合と比べて100分の1秒程度しか変わりません.
これは体感では違いはわからないといっていい時間間隔だと思います.
したがって,数値を見積もるには
実際にスイングの途中での速度変化を測定する必要があると思います.
どちらにしても必要そうな数値データがないので
現状ではこれ以上詰めていくのは難しそうです.
私は大筋は No.9 の回答で合っていて,
考慮されていない項を1つずつ詰めていくことで
現実に近い値が出てくるのではないかと思うのですが,
質問者さんは No.9 のモデル自体に不信感をお持ちのようですね.
数値データがなければ議論しにくい項は無視して結構ですので,
No.9 の回答以外でお考えになっているモデルをお教えください.
そちらも参考にしてもう少し考えてみます.
No.11
- 回答日時:
細かい話は抜きにしていますが,大筋はあっていると思います.
> 20~30mの飛距離の差は相当なものですよ。
公式野球をやった事がないのでかなり適当な数値です.
実際にはどれくらいなのでしょうか?
> かなり低い反発係数を見積もられていますが
そんなに小さいとは思ってないですよ.
跳ね上がる高さは e の2乗に比例することから
0.3~0.4くらいではないかと思っていました.
主要項が No.10 で言う第2項であることにかわりはありません.
> 木のバットを用いても0.4ぐらいになるでしょう。
> それに、プロのヘッドスピードが120~140km/hらしいです。
この数値を採用すると打球の初速は
v' = 0.4*|v| + 1.4*130
となります.
(ヘッドスピードは間をとって130としました.)
すると,0≦|v|≦160 の変化で
182 ≦ v' ≦ 246
くらいの変化があることになります.
少し大きい気もしますが,e=0.4 に根拠がないのでその程度の正確さです.
e=0.3 になるだけで 169 ≦ v' ≦ 217 ほどになります.
実際には No.9 で無視した第3項のためにもう少し変化は小さくなるはずですが,
手元に資料もないので見積もりは不可能です.
さらに,ここで打球の初速の違いがこれくらいあるからといって,
それと同じ程度飛距離に差が出ると思うのは間違いです.
空気抵抗は打球の速さが速いほど大きくなるので,
初速の違いによる飛距離の違いを押さえる方向に働きます.
ここが大きく初速の違いの効果を抑えていると思います.
これもデータはないですが…
いずれにせよ,定量的に確かめるには
バットのしなり,バックスピン,空気抵抗など,
考慮すべき事柄が多いので,私がこの場でできる回答としてはこの程度です.
これ以上定量的につめていくなら,
計算機を用いてのシミュレーションが必要かと思います.
重ねての回答ありがとうございます。
木製バット反発係数に不信感があるようでしたら、大学の野球部レベルを例にとっても何ら問題はありませんよ。そうなると金属バットの反発係数が0.48前後、ヘッドスピードが120km/hでしょうか。そして、ピッチャーの速球が130km/hぐらいですね。それでrynさんの式で概算しても実際の結果とはほとんどそぐわないとみて間違いないと思います。経験的にはノックで打つ飛距離と速球を打った飛距離では10mぐらいの違いしかないと思います。(勿論傍目で見ている分には10mの差はかなり大きいですが)
それに空気抵抗についてですがボールが球状であること、硬球の大きさ、重さ、スタンドに入るまでの時間(2~3秒前後)から考えてもさほど影響はないでしょう。
やはり完全に、投げられたボールとその飛距離の相関関係を包括的に説明する手立てはないのでしょうかね。
No.10
- 回答日時:
> 下投げでゆっくり投げてもらったボールを打ち返したときは
> 速球を打ち返した時に比べ大幅に飛距離が落ちることになりますね。
これは条件によると思います.
以下は推測も混じりますが,
木の板の上に硬球を落としてもあまり跳ね上がらないことから
反発係数は小さいと考えられます.
すると,
v' ≒ e( V - v ) + V
= e|v| + (1+e)V
において,第2項目が主要項になります.
例えば,第2項で打球は百数十メートル飛ぶ事が決まり,
第1項の |v| が 0~160km/h の範囲で変化することで
20~30m の飛距離の増減があるといった感じではないかと思います.
重ねての回答ありがとうございます。
私が調べたところ、金属バットの反発係数で0.5前後のようですから、木のバットを用いても0.4ぐらいになるでしょう。それに、プロのヘッドスピードが120~140km/hらしいです。
それに私は学部生時代に準硬式野球部に所属していたのですが、20~30mの飛距離の差は相当なものですよ。ましてや、かなり低い反発係数を見積もられていますがこの考え方を用いると実際にはもっと大きな飛距離の増減がみられることになりませんか?
それでもこの考え方に破綻はみられないですか?
No.9
- 回答日時:
No.6,No.8 です.
よくよく補足を読んでみると,もっと違うところで
勘違いをされているような気がしてきました.
バックスピンだとかバットの芯を少し外れるだとか
細かい事を考えないなら打球が速くなる事は
高校物理の式で簡単に求まります.
ボールの質量を m,バットの質量を M,
衝突前のボールの速度を v(<0),バットの速度を V(>0) とし,
衝突後のそれらの速度をそれぞれ v',V' とします.
また,ボールとバットの反発係数を e,
衝突時にバットとボールの間に働いた力を f,
打者がバットに加えた力を F とします.
すると,運動量と力積の関係式や反発係数の式は
(1) MV' - MV = -fΔt + FΔt
(2) mv' - mv = fΔt
(3) v' - V' = -e( v - V )
となります.
(バッターの筋力により衝突前後のバットの速度変化が
無視できる場合は(1)式の右辺が0になります.)
(1) より,
V' = V + (Δt/M)*(F-f)
となり,(3) に代入すると
v' = -e( v - V ) + V + (Δt/M)*(F-f)
となります.
式が煩雑になるだけなので右辺の最後の項を無視すると
v' ≒ e( V - v ) + V > 0
となります.(v<0,V>0 により右辺の各項は正)
これがピッチャーの投げた球の速さ |v| より速い条件は
e(V-v) + V > |v|
⇔ (1+e)V > (1-e)*|v|
⇔ V > {(1-e)/(1+e)}*|v|
です.
ほぼ e=0 でも V > |v| であれば打球の方が速くなります.
実際には,バットのヘッドスピードは
V > {(1-e)/(1+e)}*|v|
の条件を満たしており,打者は
(Δt/M)*(F-f) ≒ 0
の条件を満たすのに十分な筋力を持っているということでしょう.
回答ありがとうございます。
見事な回答ですね。理詰めの回答は大好きです。確かにこの式だと投げられたボールが速いほど飛距離が伸びますね。
的外れな質問をしていたらごめんなさい。しかし、この式だと例えば、下投げでゆっくり投げてもらったボールを打ち返したときは速球を打ち返した時に比べ大幅に飛距離が落ちることになりますね。(しかし実際はそこまで変わりませんね?)このあたりの説明はどうなるのでしょうか?この場合やたらFが大きくなるということでしょうか?
No.8
- 回答日時:
> これは違うと思います。
仮にインパクトの瞬間において完全弾性衝突の壁と同じになるとしても(なるはずないですが)、院生とのことでしたので,No.6 での回答は
運動量保存が成り立たないという部分のみかなり端折って書いてしまいました.
今は,e=1 であるかどうかは本質ではないと思います.
> 投げられた以上の速さで打球が飛んでいく説明にはならないでしょう?
今は動く壁との衝突ですから,投げられた速さ以上の
速さで打球が飛んでいくことは不思議な事ではありません.
> つまり壁にボールを投げつけた時の返ってくる速さと、
> 投げられたボールの速さの飛距離の相関関係は同じ論理では説明出来ないと思うのですが…。
止まっている壁に投げたときと動いているバットに投げたときが異なるように見えるなら,
ガリレイ変換してバットの静止系に持っていけばよいです.
繰り返しになりますが,e=1 でも e<1 でも問題なく,
例えば自動車に固定された壁にボールを投げたときと
バットでボールを打つときは,固定するものがなんであるかと
壁(バット)の形状が異なるだけということです.
No.7
- 回答日時:
考えれば、複雑にもなりますが、根底にあるのは二つぐらいのことです。
複雑な議論をしないで説明します。
投げられたボールの速さを投速、打たれたボールの速さを、打速とします。
ボールに加わる力の元は、二つあります。
(1)バットの慣性質量による抗力(反作用の力)
(2)人の振りによる力
先ず、(1)だけの場合は、つまりバットを軽く持ってバントする状態で、バットは後ろへ跳ね動きます。
この場合、投速が速ければ速いほど、はじかれる球は速くなります。
(なお、それは投速より遅いです。)
(2)が加わった場合
同じ力でバットを振ると、その力の一部は、投速が速いほどバットが受ける衝撃力に抵抗することに多く使われ(後ろに押されたバットを回復する分と考えてもいい)、結果、バットの速度は遅くなり、打速は遅くなります。
結論は、
(1)と(2)による速さの変化量は比べ物になりませんから、(1)は無視して、
同じ振りをすれば、投速が大きいほど(球威が大きいほど)、打速は小さくなります。
No.6
- 回答日時:
> 原理は壁にボールを速く投げつけるほど
> 返ってくる球速が速くなるのと同じだそうです。
まさにこの通りだと思います.
壁にボールをぶつけた場合,投げた球が速ければ速いほど
跳ね返った後の速さは速くなります.
このとき,壁とボールの間の作用反作用の力以外に
壁を固定している地面等からの力も働いています.
したがって運動量保存は成り立っていません.
これと同じでバットでボールを打つ場合も,
バットとボールの間の作用反作用の力以外に
バットを支えている腕からの力が存在します.
あとは,バッターの筋力によって,何km/h のボールまで
バットを動かない壁のようにできるか,ということです.
回答ありがとうございます。
>>あとは,バッターの筋力によって,何km/h のボールまでバットを動かない壁のようにできるか,ということです。
これは違うと思います。仮にインパクトの瞬間において完全弾性衝突の壁と同じになるとしても(なるはずないですが)、投げられた以上の速さで打球が飛んでいく説明にはならないでしょう?
つまり壁にボールを投げつけた時の返ってくる速さと、投げられたボールの速さの飛距離の相関関係は同じ論理では説明出来ないと思うのですが…。
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