

No.2ベストアンサー
- 回答日時:
(1)に関して回答します。
一般に、フェノールとカルボン酸を混ぜて、それに酸触媒を加えても、エステルの生成は起こりにくいです。
その理由は、アルコールの場合と異なり、フェノールは酸性を示すために、「エステル+水」の状態よりも「カルボン酸+フェノール」の状態の方が安定になるからです。
エステルのアルコール側が別のアルコールに変わることをエステル交換といいますが、アルコールと水の化学的な類似性を考えるならば、酸触媒存在下での、エステルの加水分解もエステル交換と同等の反応と見なせます。
上述のように、フェノールは水よりも強酸であるために、一般にフェノールのエステルはアルコールのエステルよりも加水分解されたり、他の「アルコール」とエステル交換を起こしやすい傾向があります。
すなわち、フェノール類のエステル化の際に水が共存した場合には、アルコールのエステル以上に、加水分解が起こりやすい(あるいはエステルの生成が困難になる)傾向があります。
No.1
- 回答日時:
(1)について:
アスピリン(=アセチルサリチル酸)はサリチル酸を何らかの方法で
サリチル化するわけですが、これを硫酸触媒下の酢酸で行うなら
脱水反応になります。
C6H4(OH)CO2H + CH3CO2H ←→ C6H4(OCOCH3)CO2H + H2O
この反応は平衡反応なので、水があればその分、平衡が右に移るため、
収率が悪くなります。
また、サリチル化の他の手段として、無水酢酸やアセチルクロリドを使う
方法がありますが、この場合は、そのアセチル化剤が水によって
加水分解を受けますので、水がない場合に比べ、やはり収率が落ちます。
(CH3CO)2O + H2O → 2CH3CO2H
CH3COCl + H2O → CH3CO2H + HCl
このため、アセチル化を行う場合は、水が反応系内に入るのは
極力避けるべきということになります。
(2)について:
反応終了後の反応液の中には、目的物であるアセチルサリチル酸の他、
原料のサリチル酸や酢酸、無機酸(→触媒の硫酸や、アセチルクロリド
から生じた塩酸)なども混ざっています。
このうち、サリチル酸は比較的溶解性が低く固体でもあるため、
アセチルサリチル酸と一緒に濾紙上に残りやすくなっています。
逆に言えば、サリチル酸が除去できていれば、洗浄は充分と判断できます。
従って、洗液からサリチル酸が検出されなくなれば、
充分に洗浄されたということがわかります。
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